2010年10月18日

「黄泉がえり」(2005年、日本)

「黄泉がえり」(2005年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

黄泉がえり
「写真は『黄泉がえり スタンダード・エディション』パッケージ」


<あらすじ>

九州、阿蘇地方のとある地域で死者が次々とそのときの姿でよみがえるという不思議な現象が発生。厚生労働省に勤務する川田(草なぎ剛)は、故郷でもある現地に向かい、死んだ親友、俊介の恋人だった葵(竹内結子)と再会、調査を開始。やがてこの現象でよみがえった人々は3週間しかこの世にいられないという法則に気づき、葵のために俊介をよみがえらせようとするが…。
(アマゾンドットコムさんより)


<ネタバレあらすじ>

死んだ恋人・俊介のことが忘れられない葵。
彼女は友人の運転する車の後部座席に同乗し、山の中を移動していた。
ふと、俊介と共通の親友・川田のことを思い浮かべる葵だが……。

その頃、九州は阿蘇地方で死者が次々と甦るという現象が発生。
当局はこの現象を“黄泉がえり”と名付ける。
厚生労働省の職員・川田は亡き親友・俊介とその彼女・葵への秘めたる淡い思いを胸にこの地へ調査へとやって来た。
直後に再会する葵と川田。
運命的な出会いを感じる川田だったが、俊介のことを思うと葵への態度もどこかぎこちない。

そんな中、甦った人々にあるルールが課せられていることが判明。

@その甦った人を求めた人間(呼び出した)がこの地に居ること。
A“黄泉がえり”にはあくまで有効範囲があり、一定の地域から外へ出ようとすると求めた人間のもとへ戻ってしまうこと。

さらに、この現象の原因が隕石によるもので甦りに3週間という制限時間があることも分かる。

一方、俊介を想う葵に遠慮する川田は俊介が甦らないことに失望していた葵の為に奔走する。
だが、どうしても俊介は葵の前に現れない。

“黄泉がえり”の期限である3週間目、最期の日。
甦った者、求めた者、それぞれが別れを惜しむ中、消息不明になっていたアーティストRUIがこの地でコンサートを開く。
大挙して押し寄せるファンたち。

川田に呼び出された葵もその会場に居た。
葵は俊介が現われないことに、いつしか失望を過ぎ絶望を感じていた。
俊介への想いを否定されたように感じたからである。
だが、それは現在の葵が別の人物に想いを寄せていることも示していた。

一方、川田は警察から、葵が搭乗していたと思われる車が事故車として発見されたことを聞く。
実は冒頭で葵が同乗していた車はカーブを曲がり損ね転落、葵は既に事故死していた。
現在の葵は川田の望んだ“黄泉がえり”だったのである。

その事実に気付いた川田は大勢のRUIファンの波をかき分けながら葵を必死に捜す。
その頃、葵もまた自分が川田の望んだ“黄泉がえり”であることに気付く。
川田の電話を受け、必死に互いを求める川田と葵。
3週間目のタイムリミットがあと数分に迫る中、二人の位置は正反対。
ここで川田はコンサート会場が“黄泉がえり”現象の有効範囲ギリギリであったことを利用し、葵を範囲外に誘導した後、再度自分の前に呼び出す。

遂に出会った二人。
葵は自分の感情に素直に向き直り、川田の愛に応える。
最後の抱擁を交わそうとする川田。
だが、その目の前で川田への未練を口にしながら葵は消えて行く。

その頃、コンサート会場中心部でも異変が起きていた。
RUIのバンドメンバーの一人の身体が透き通るとやがて消えて行ったのだ。
それを歌いあげながら切なく見送るRUI。

消えたのはRUIの恋人。
消息不明になる直前にRUIは彼氏を失い、傷心のままこの地に隠れていたのだ。
恋人を呼び出したのは生きているRUIだったのである。

同時刻、あちこちの“黄泉がえり”が切ない別れを経験していた。
数年後にはそちらで会おうと約束する者。
家族の安否を知りホッとしたまま消失する者。
“黄泉がえり”はさまざまな影響を与えたのである。

こうして“黄泉がえり”現象は幕を閉じた。
各々の心にそれぞれの想い出を残し―――。

川田もまた葵の想い出を胸に生きて行くことを誓うのだった―――エンド。

<感想>
柴咲コウさんが演じた劇中のシンガーRUIが歌う「月のしずく」が大ヒットしたことでも知られる作品。

梶尾真治さんの原作は“黄泉がえり”現象そのものに注目し、さまざまな“黄泉がえり”のケースを追う形になっていましたが、映画版は主に川田と葵の悲恋をテーマにまとめられていました。
これは、視点が散漫になることなく成功だったと言えるでしょう。

キャストの演技については、竹内結子さんが後の「いま、会いにゆきます」に続く演技を見せておりその点でも魅せられた。
この「黄泉がえり」も「いま、会いにゆきます」もどちらもメッセージ的に近いものがある。
管理人は「いま、会いにゆきます」が大好きなのでそれだけでもイイ。
さらに草なぎ剛さんも“イイ人”であるキャラクターイメージが前面に出ていて川田の実直な感じとマッチしていたと思う。

特にラストの「月のしずく」をバックに川田と葵が互いを求めるシーンは必見!!

この作品は「DVDで買ってでも」と勧めるほどではないが、未見の人は地上波ででも見る機会があれば見て欲しいと思う。
そのレベルにはある。

2013年6月22日追記

本記事のあらすじ内容について一部誤りがあり、「ノア」さんよりコメントにて教えて頂きました。
「ノア」さん、ありがとうございます(^O^)/!!

誤りについては訂正してます。
訂正内容についてはコメント欄を参照のこと。

追記終わり


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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
失礼します。

細かい事ですが、いくつか気になった点がありまして。

>彼女は山の中を運転中、俊介と共通の親友・川田のことを考えながらカーブでハンドルを切った。

葵は運転していません。
帰宅途中に声をかけてきた友人カップルの車に同乗させてもらい後部座席に座っています。


>俊介が現われないことに失望から絶望へと変わった葵は会場を彷徨い歩く。

葵がライブ会場に行ったのは川田にそこで待つように指示された為で別に彷徨っていません。


>一方、川田は警察から葵が死体で発見されたことを聞く。

葵と同じ血液型の大量の血痕が付着した葵の持ち物と推測される封筒が事故車内から発見されたが遺体は見付かってないと明言されてます。


>最後の抱擁を交わし、

触れてすらいません。
川田が抱き締めようと駆け寄りますが間に合わず葵は消えます。


他にもいくつかありますが、明らかに違うのは上記です。

長文失礼しました。
Posted by ノア at 2013年06月21日 21:26
Re:ノアさん

こちらこそ、初めまして!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

ご指摘ありがとうございます!!

あらすじ、かなり異なる点がありましたね……反省。
早速、本記事を訂正させて頂きます!!
教えて頂き、感謝です(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年06月22日 00:18
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