2010年10月08日

「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)3つのミスにチャレンジ!!

アタミステリー紀行2010問題文である「熱海の靴屋」(森村誠一著、アタミステリー紀行2010より)読了しました。
そこで、管理人が考える3つのミスを記載していきたいと思います。

一応、管理人の推理ですがネタバレ含みます、注意!!

<ネタバレあらすじ>

藤中善作は熱海に住む靴屋。下駄作りに秀でていた妻も今は亡く、独り身である。
善作の店は親の代から続く靴屋だが、今では量産化という名の時代の波に呑みこまれ風前の灯となっていた。
それでも……職人気質の善作はただひたすら一途に己の作る靴と向き合うのみだった。

ある日、おかまバー「のり平」の繁さんが善作を訪ねやって来る。
なんでも故郷に帰るのに靴を誂えて欲しいらしい。
善作は急ぐ繁さんの為に作り置きの中から一足を選ぶとプレゼントした。
繁さんは靴を履くと喜び勇んで帰郷の途についた。

翌日、今度は十歳前後の少女が猫用の靴が欲しいと訪ねて来た。
善作は戸惑ったものの、靴作りを約束。
徹夜で完成させる。
約束の日、疲れから眠ってしまった善作が目を覚ますと用意した猫用の靴がない。
代わりにその場所にあったのは一通の封筒。
それは少女からのお礼状―――そこには、メイという少女の猫が「レミーのおいしいレストラン」の主役だということが書かれていた。

次に二十代半ばの旅行者が訪ねて来る。
彼は盗まれた靴の代わりになる世界の果てまで行ける靴を望む。
善作は快くその願いを聞き入れ、作り置きの一作をプレゼントした。
若者はお礼にと死者と会話できるもぐさを善作に渡す。
もぐさを使い亡き妻と会話する善作は大きな自身を手に入れた。

今度はパチンコ店「ハッピー」の屋上に住むライオンが靴を求め善作の元へやって来た。
驚いた善作だが猫用の靴作りの経験を活かし、完成させる。
目を離した隙に靴は消え、代わりにパチンコ玉がひとつ転がっていた。
ライオンのお礼だろうと思った善作は靴の履き心地を確かめるついでにパチンコ屋へと赴き、そのパチンコ玉を使って大当たりを出す。

梅園で働く梅娘を名乗る少女がやって来た。
下駄が欲しいと語る彼女に亡き妻の遺した下駄を用意する善作。
喜んだ梅娘はお礼にと使い捨てカメラを善作に渡した。
「梅園もみじまつりフォトコンテスト」に参加した善作はそのカメラで正体が梅の精の人形だった梅娘を撮影する。
この写真がグランプリを獲得することになった。

年の瀬まであと数日―――そんな折、繁の兄がやって来る。
繁の兄によれば繁は故郷で亡くなったらしい。
しかも、その日は善作が繁のために靴を用意した前日だった。
絶句する善作に繁の兄は靴代のお礼として過分なほどの金額が記入された小切手を渡そうとする。
断る善作に聞こえて来たのは受け取るよう願う繁の声だった。

すべてを終え、これまでの夢のような出来事が妻の引き合わせに違いないと考える善作。
喩え全てが消え去るものだとしても遠くへと出掛けて行く誰かの為に靴を作り続けて行くことを誓うのだった。
熱海はそんな旅人たちのための宿駅であるのだから―――エンド。

<問いになっている3つのミスとは?>

まずおさらいをすると、本作の問いは「本作中に存在する3つのミスを指摘せよ」というもの。
当初、管理人は文章の前後に齟齬がある等を考えていましたが、実際は現実世界の熱海との間違い探しでした。

とりあえず、怪しい所をしらみつぶしにしていけばネット情報源でもある程度解けると思われます。
特に間違いのひとつは明らかに“現実の熱海”と直接関係ないものであり、これは土地勘が無くともすぐに気付くかと。

では、早速問題文にて提示された3つのミスについて指摘していきたいと思います。

ここから、管理人が“3つのミス”と考えるものを挙げていきます。
正直、正解かどうかは分かりません。
ひとつ曖昧な結論の物も混ざっております。
それでも、良いと思う方のみ先にお進みください。

ではミスを述べていきます。

@「レミーのおいしいレストラン」に出て来るメイは猫ではなくネズミ。

これは熱海とは関係ないサービス問題。
ネット上でも確認出来ます。
しかし、「熱海」ときて「レミー」とくれば「熱海の捜査官」を思い出すなぁ。

A渚町にある「パチンコ店ハッピー」の屋上に居るのはライオンではなくゴリラのキャラクター“ハッピーちゃん”。

これもネットで調べればすぐに出てきます。
ご確認ください。

B「梅園もみじまつり」に梅の精の人形はない、あるのは獅子舞?民族衣装の人形?

問題はコレ。
ネット上で「熱海梅園もみじまつり」と関連する「梅の精の人形」についての情報が見受けられなかったのでたぶんコレだと思いますが、確実ではない。
しかも、代わりにあるのが獅子舞や韓国庭園の民族衣装を着た人形との情報もあり判然とせず。
今の所、はっきりしません。
傾向的にはコレで決まりかとは思いますが。

強いてもうひとつ怪しい点を挙げるならば熱海には確かにおかまバー「のり平」が存在すること。
ただし、この名物店主さんは“繁さん”ではない。
登場人物の人名をミスと指摘するとは思えないのでコレはないと外しましたが、上記「梅園もみじまつり」の人形があるとすればこちらがミスになりそうか。

とりあえず作中に出て来たイベントも地名、開催時期順ともに間違いらしい間違いはなかったためここまでに挙げた中にミスは存在していると思慮致します。

確認できる方は是非事実を確認して頂き、間違っていればよければ管理人までお知らせください。
以上で「アタミステリー紀行2010」についての指摘は終わりです。

「熱海の靴屋」は小説としての内容はファンタジックであるもののかなり良く読後感も爽快です。

ですが、これを「アタミステリー」の問題文としてみると話は変わってきます。
正直、単なる現実と比較した間違い探しに終わった「熱海の靴屋」より「猫院殿」の方が管理人には魅力的に感じられました。

純粋な小説として完成度が高いのは明らかに今年の「熱海の靴屋」なので惜しいといえば惜しいです。
このレベルで去年の問題のような感じだったならば……。
気が早いですが「アタミステリー紀行2011」に期待します。

・「アタミステリー紀行2010」の結果はこちら。
「アタミステリー紀行2010」結果が発表される

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・アタミステリー紀行2010!(熱海市公式HP)
http://www.city.atami.shizuoka.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1187576398398&SiteID=1116397943912&FP=toppage

◆原作者森村誠一先生関連過去記事
【アタミステリー紀行関連】
近付く「アタミステリー紀行2010」の足音……

アタミステリーへの誘い……
(アタミステリー紀行2009について触れた過去記事です)

【関連ドラマ】
土曜ワイド劇場「森村誠一の終着駅〜新宿着あずさ22号の殺人同乗者・消えた姉と三千万の行方…顔のない脅迫者を追う!!」(7月31日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の灯〜終着駅の牛尾刑事vs事件記者冴子!!バス事故から生還した3人新宿〜妙高高原に運命の連続殺人!?」(12月12日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「森村誠一の棟居刑事 愛犬が暴く不倫四重奏!」(11月21日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

原作者・森村誠一先生に関する記事はこちら。
クリスマス(12月24日)の森村誠一さん!!

本作「熱海の靴屋」に出ていた「レミーのおいしいレストラン [DVD]」はこちら。
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同じくブルーレイ版「レミーのおいしいレストラン [Blu-ray]」です。
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◆原作者である森村誠一先生の作品はこちら。




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