2010年10月16日

土曜ワイド劇場「デパート仕掛け人!天王寺珠美の殺人推理(4)史上最強のクレーマー現る!遺産相続の悲劇と老夫婦の究極の愛社長殺害に秘められた驚愕の真実」(10月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「デパート仕掛け人!天王寺珠美の殺人推理(4)史上最強のクレーマー現る!遺産相続の悲劇と老夫婦の究極の愛社長殺害に秘められた驚愕の真実」(10月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

天王寺珠美の殺人推理


朝、丸越デパートでは天王寺珠美(泉ピン子)による従業員のための接客講座が開かれている。厳しくも歯切れのいい指導に、気持ちを引き締める若手社員たち。そこへ、売り場から珠美に緊急対応の要請が入る。誰もが恐れるクレーマー、鈴木吾郎(夏八木勲)がやってきたのだ。
珠美が売り場へ行ってみると、仁王立ちする吾郎に「バカ娘!」呼ばわりされた若手社員が涙を流していた。聞けば、吾郎は若手社員の「よろしかったでしょうか?」などといった間違った日本語に腹を立てているらしい。怒り方は別として、吾郎の言うことは間違っていない。そう受け止めた珠美は、社員の再教育を約束し、なんとか吾郎の気を収める。だが、そんな珠美に吾郎は別の難題を突きつけてくる。20年前に購入した本に落丁があったから取り替えてくれというのだ。出版社はすでに倒産。デパートにできることはないと山岡柊平(村田雄浩)は断ろうとするが、珠美はなぜか吾郎の要望を引き受けてしまう。
その日の午後、丸越デパートでは、百パーセント日本製を誇る新ブランドの立ち上げ発表会が開かれる。壇上に立つのは販売課のエース、五十嵐早苗(原久美子)。提携アパレルメーカー「レイモード」からも、社長の橋本克則(松永博史)、飯島俊哉専務(佐戸井けん太)らが出席し、発表会はマスコミ注目の中、成功裏に終わる。だが、関係者が笑顔で労をねぎらい合う中、その様子を隠れるようにしてにらみつけている男がいた。同席していた珠美は、男の不審な行動に気づくが、珠美の視線を感じたその男はさっと姿を消してしまう。
翌日、新ブランドの立ち上げがニュースで報道される中、珠美は吾郎から依頼された本を求めて古本屋を探し回り、とうとうその本を入手する。夜、珠美は本を届けに吾郎が一人で暮らすひなびたアパートを訪れるが、吾郎は喜ぶでもなく、新品と取り替えろといったのに古本を持ってきたと冷たい。いつものように延々と嫌味を言われるのかと珠美が覚悟をしたそのとき、吾郎宅に電話がかかってくる。電話に対しても、ものすごい剣幕で応じる吾郎だったが、電話を切ると用事ができたからと珠美を解放する。
その夜、早苗は橋本社長との打ち合わせ中、突然、新ブランド向け工場の工事無期延期を告げられる。国内工場の立ち上げは新ブランド計画の要とも言える大事な案件だ。なぜ、それを今になって……。当然、翌日の丸越デパートは大騒ぎに。怒り心頭の野々村忠彦課長(相島一之)は、困惑する早苗を引きつれレイモードへ乗り込もうとする。ところが、そこへ刑事がやってきて早苗に同行を求める。なんと、橋本が他殺体で発見され、早苗にも容疑がかけられているというのだ!
橋本社長の死と丸越デパートとの提携について、マスコミによるさまざまな憶測が飛び交う中、広瀬常務(津村鷹志)はレイモードとの業務提携の白紙撤回を表明。殺人事件のイメージが付きまとうであろう新ブランド自体も事実上、消滅する。がっくりと力を落とす販売課の面々。そんな中、売り場に吾郎が現れたと、また販売員が珠美に泣きついてくる。応対に出た珠美に、今度は40年前に買ったカメラの修理を吾郎は依頼する。珠美はまたしても、山岡の忠告も聞かずに吾郎の依頼を引き受けてしまうが……。
数日後、珠美と山岡は橋本社長の葬儀に出席。そこで、珠美は会葬者の中に、新ブランド発表会で見かけた不審な男を発見する。レイモードの若手社員、白石健人(岡安章介(ななめ45℃))によれば、男は橋本社長の妻、あかね(秋本奈緒美)の弟で、鈴木雅彦(大鶴義丹)だという! さまざまな事情があり親族席にも座れないという雅彦に、不信感を抱く珠美……。
後日、珠美は工場の工事延期が、レイモードの筆頭株主であるあかねの父の一存によるものと知る。あかねの父はレイモードの創設者だが、10年前、突然会社を投げ出すように引退してしまい、以来、経営にはまったくの無関心、親子関係もうまくいっていなかったらしい。その父が、なぜ急に口を出してきたのか。悔しさがこみ上げてくるあかねの口をついて出た父の名前に、珠美は驚く。なんとその父とは、鈴木吾朗だった……!!
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

東区山彦荘に住む鈴木吾郎が父であり先代社長だと語るあかね。
そう、デパートにやって来ていた鈴木吾郎こそがあかねの父だったのだ。

あかねの実家の裏手にある雑木林を工場とすることに執拗に反対していたという吾郎。
工場建設が無期延期になったのも吾郎の反対によるものだった。
吾郎が反対する理由は何なのだろうか……?

雅彦がデザイン部長の南と密会。
そこには、日比野専務や菅原常務もいた。
雅彦がレイモード社の実権を握る為に多数派工作を行っていると察する珠美。

早速、あかねに報告するがあかねは平然としたまま。
それもその筈、死亡した橋本社長の後任は飯島専務と決まっていたからだ。
父・鈴木吾郎への批判を口にするあかね。
10年前、あかねの母・千鶴が家を出て行方不明になったのは父の浮気が原因だと言う。
浮気の証拠―――吾郎と秘書・桜庭のやり取りをしたためた手紙を吾郎に突き付けて以来絶縁状態らしい。
吾郎が会社を捨て引退したのもその頃らしい。

雅彦の工作が功を奏し、社長後継争いは混沌とした様相を示す。
これを通じて飯島が社長になれると聞いた山岡は飯島にも動機があると指摘。

吾郎の依頼したカメラの修理は難航。
珠美の心強い支持者・広瀬の口添えもあり、なんとか修理に漕ぎ付ける。

雅彦とあかねの対立が激化。
そんな中、飯島は雅彦に社長の座を譲ると宣言する。

雑木林を密かに調べていた警察は死亡した橋本社長のカフスを発見。
その近くから千鶴のものと思われる骨が発見される。
だが、遺体の大部分は持ち去られていた。

ここに警察は吾郎を犯人と見定める。
10年前、桜庭と不倫していたとされる吾郎。
妻・千鶴が邪魔になり殺害し雑木林に埋めた。
それが今になって工場の建設予定地として開発されそうになり、阻止するために反対。
念の為、埋め直すべく掘り返していた所を橋本社長に発見され殺害したとのシナリオだ。

千鶴の行方不明当日、仙台に出張していたという吾郎。
事実ならばアリバイがあるが……。
同行した秘書・桜庭は3年前に病死していた。
その姉に確認をとったところ、不倫は事実無根だった!!

あかねから不倫の証拠である手紙のコピーを貰った珠美。
そこには「ら抜き言葉」が使われていた。
あれほど正しい日本語を使うことに執着する吾郎がこんな手紙を書く筈がない。

カメラが修復されて戻って来た。
その中には未現像のフィルムが残されていた。
2000年9月から2000年10月18日まで鈴木宅の雑木林で撮影されたその写真。
10月18日は千鶴が殺害されたとされる当日だ。
その日、吾郎は仙台に居た筈……つまり、この写真の主は吾郎では無く千鶴だった。

珠美は雅彦とあかねに気付いた事実を伝える。
直後、あかねが行方不明に。

写真を見たあかねの様子がおかしかったことを思い出す珠美。
偶然、雅彦の部屋で見た写真に写っていた赤い車。
その車は10月18日の写真にも写り込んでいた。
そして、その車の主こそは飯島だった―――。

あかねが危ないと感じた珠美たちは飯島の立ち廻りそうな先を捜す。
間一髪、あかねを襲う飯島を止める珠美。
雅彦が怪我をするものの飯島を取り押さえることに成功する。

10年前、飯島は千鶴に迫り拒否されたために千鶴を殺害した。
そして現在、埋め直そうとしていたのは吾郎ではなく飯島だった。
そこを橋本に見られ殺害したのだった。

「千鶴を愛していた」と叫ぶ飯島。
「違う、そんなの愛じゃない!!」と否定する珠美。
飯島はがっくりと膝をつく。

事件が解決し、「家族同然に飯島に接したことが(彼を勘違いさせ)仇になったのかもしれない……」と呟く吾郎。
吾郎が雑木林に拘ったのは消えた妻・千鶴の想い出を守るためだった。
吾郎は、カメラの持ち主である千鶴を愛していたのだ。

珠美の仲裁で吾郎とあかね、雅彦は和解。
家族はまたひとつになった。

そこへ事務所から珠美宛に連絡が。
「また、問題が持ち上がりました!!」
気合を入れ直すと新たなお客様のもとへと向かう珠美―――エンド。

<感想>

デパートにやって来るさまざまなお客さまの要望に応えることで、そのお客さまの抱える問題(不安や苛立ち)などを見抜き解決していく天王寺珠美シリーズの第四弾。

犯人・飯島専務がきちんと悪役してました。
そんな彼の身勝手もラストの吾郎のフォローが多少は救ったのかもしれません。
飯島と吾郎では明らかに器の大きさが違いましたね。
そんな吾郎をも動かす珠美とそれを支持する広瀬も凄いな。

このシリーズは完成度が高くて好きです。
高いバランスで成立していますね。
伏線もきちんと回収されていましたし、高評価です。
上の中くらい!!

泉ピン子さんと村田雄浩さんのコンビもイイ味出してました。
第五弾が待ち遠しいです。

ちなみに今作を担当された脚本家・松本美弥子さんは本も出版されてます。
ラブストーリーとか。
下にアマゾンさんへのリンクを用意しましたので興味のある方はどうぞ!!

<キャスト>

天王寺珠美:泉ピン子
山岡柊平:村田雄浩
野々村忠彦:相島一之
石井久子:小林きな子
広瀬常務:津村鷹志
五十嵐早苗:原久美子
飯島俊哉:佐戸井けん太
鈴木雅彦:大鶴義丹
橋本あかね:秋本奈緒美
鈴木吾郎:夏八木勲 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


本作の脚本家・松本美弥子さんが書いた作品はこちら。
「バンドマンのカノジョの憂鬱 (ヴィレッジブックスedge)」です!!
バンドマンのカノジョの憂鬱 (ヴィレッジブックスedge)




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