2010年10月23日

「霊能力者 小田霧響子の嘘」(ビジネスジャンプNo22掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「ビジネスジャンプ」(集英社刊)No22に掲載された最新話をネタバレ批評(レビュー)。
最後にドラマ版第2話の感想&第3話の予測もあるよ。

霊能力者 小田霧響子の嘘3
「主人公の小田霧響子。画像は単行本3巻より」


<ネタバレあらすじ>

古閑に招かれ舞台へとあがった響子。
早速、カルロス同様に数字記憶を披露することに。
カルロスと全く同じ状況で挑戦する響子。

7 5 2 7 9 6 5 1 6……

流石にピンチ!!かと思いきや……

7 5 2 7 9 6 5 1 6……

と難なくこなして見せる。
余裕すら見せる響子はこんなのは霊能力でも何でもないと暴露。
タネを明かす。

7+5=12
5+2=7
2+7=9
7+9=6

と示して見せる。
つまり、隣り合う二つの数字の和の1の位が次の数字になっていたのだ!!
トリックだったのである。

「ほら見ろ!!やっぱりインチキだ!!」
鬼の首をとったかのように騒ぎ立てる村山教授。
「見たか、偽霊能力者め!!」
カルロスを批難する教授。そんな教授を制する響子。
「カルロスは霊能力者じゃありません、マジシャンです」
「へっ!?」
呆気にとられる教授と会場の観客たち。

響子に指示され黒服のひとりが前へと歩み出る。
彼は7ヶ国語をマスターしており通訳がカルロスと話した内容が分かっていると言う。
それによれば、通訳は意図的に“霊能力者”という言葉をカルロスに伝えていないらしい。

「これが何を意味するか?彼自身はマジックショーだと理解してこの場に立っているんですよ。だって、彼は本当にマジシャンなんだから……つまり、この企画のプロデューサーが嘘をついて彼を利用しているんです」
響子は未だ状況を理解していない様子のカルロスを指差して告げた。
カルロスはといえば何が起こったのか分からぬ様子でキョトンとしている。
それは真相を伝えられた村山は会場の観客たちも同じだった。ただひとり、古閑を除いては―――。

ショーが終わり、カルロスは真相を知らされ激怒!!スタッフに詰め寄ることに。
後は当事者同士の問題だろう。
村山教授は拍子抜けしたように帰って行った。もう、彼が害される心配もないだろう。

「ふぅ、これで教授の奥さんの依頼を達成出来たわ」
と安心する響子たち。その前に古閑が現われる。
「ご活躍でしたね」
と響子の健闘を褒め称える古閑。
「村山教授の奥さまの手紙ですけどね、アレ私なんです。個人的に奥さまとは親しくさせてもらっていましてね。以前、奥さまからあなたのエピソードを伺ってましてこれは使えるな、と。そこで今回ご招待したわけです。でね、今回のプロデューサーが一体誰だと思いますか?」
どす黒い空気を醸し出す古閑。その瞳は暗く冷たい。
「実は私なんですよね」
思いも寄らぬ古閑の告白に凍りつく響子たち。

「ハハハハハ……」と高笑いをあげて去って行く古閑。

(谷口の心の声)このときの僕らは知らなかった……。
古閑、彼こそが小田霧響子最大最強の敵となる人物だったなんて―――No.24に続く。

<感想>

かな〜〜〜り端折ったあらすじですが、如何でしたか?

数列記憶トリックについては前回予想した通りだったので満足、満足、自己満足!!
へっへっへっ……。

それと「カルロスが自らの意志で霊能力者を名乗っていたわけではない」という意外な展開は面白かった。
こういうのがあるから良いんだよなぁ〜〜〜小田霧響子は。
でも、カルロスがマジシャンだとすると派手さの無いマジック未満のものばかり披露していたがどうなんだろ。
腕が伸びるとかはマジックじゃなく、雑学レベルだよね……あれは疑問だ。

それにしても、古閑がラスボスとは……。
なんかラスボスのスケール小さいか……てっきり響子が倒すべきは一個人ではなくどこかの組織だとばかり思っていたので拍子抜け。
そういえば、以前に古閑が出て来た時もラスボスっぽいこと言ってたから前々からの既定路線なんだろうけど、う〜〜〜ん。

同作者の代表作「ライアーゲーム」で喩えるとラスボスが“事務局”じゃなくて“参加者”、この場合はヨコヤがラスボスみたいな感じ。
倒すべき敵が違うような印象……。

考えられる展開としては、今回プロデューサーだったようにメディアに影響力のある古閑が依頼人を仕立て罠にかけ響子の霊能力が偽りであることを指摘、それを発端にアンチ響子一大キャンペーンを行うぐらいかなぁ。
で、追い込まれた響子を黒服と谷口、これまでに救われた支援者たち(村山教授など)が支えて、古閑すら見抜くことのできない大型トリックで逆襲するといったところかなぁ。

ちなみにこのネタバレ、あくまで端折った物なので、詳細が気になる人は今すぐ近くの書店かコンビニで確認を!!

さて、肝心のドラマ版第2話。
完全オリジナルかと思いきや封筒のトリックは原作通りでしたね。

あの封筒トリック。
ドラマ「トリック」でも使用されたトリックですが、管理人の記憶によれば初出は山村美紗先生だったような気がします。
確か、山村先生が江戸川乱歩賞に応募するにあたって締切ギリギリで間に合いそうにない状況に陥った。
もう一日あればなんとか原稿が完成にまで漕ぎつけられそうなのだが……と、そんなとき応募締切が当日消印有効であることに気付いた。
ここで一計を案じた山村先生は上記の封筒トリックを使用し無事応募に成功したとのエピソード。
どこかで拝見したのですがネット情報源を探ってみてもない……なぁ……。
どこかで見た記憶があるんだけどなぁ。

それはともかく、公式を確認した所、3話は原作でいう“ストーカー”回の模様。
この話は原作だとこんな感じ。

響子が出演する番組で取り上げられた心霊写真。
ある投稿者の写真に興味を抱く響子。
その写真にはある共通点があった。

それは意図的に場所がわかるものが写り込んでいること。
投稿者には何か目的があると察知した響子は早速投稿者のもとを訪ねる。
そこには多数の小田霧響子ファンが屯していた。
例のテレビの影響らしい。

投稿者宅に入るなり「あなたはストーカーにお悩みですね」と断言する響子。
テレビで投降者宅の自宅周辺をそれと分かるように取り上げさせたのはストーカーが自宅に寄りつきにくくなるよう人目を増やす為だった!!
それに加えて、投稿者宅の鍵が割符のように半分に割られていたことから合鍵を危惧していることも見抜いた響子はそのストーカーの正体が投稿者の元彼だと見抜く。

響子の慧眼に感服した投稿者はすべてを明かす。
学生時代に交際し別れた元彼がしつこく言い寄っていると言う。
元彼自身にはストーキングしている意識がなく、まだ交際してると思い込んでいるらしい。
目には目を、歯には歯を。
元彼にストーキング被害の恐ろしさを教える必要がある……響子は一計を案じる。

村山教授の力を借りて秘密兵器を元彼に仕込む響子。
元彼が両腕に腕時計を着ける癖を利用し、そこからモスキート音がするように仕組んだのだ。
こうして四六時中ワケの分からない音に悩まされることになった元彼は追い込まれる。
そこに救いの手を差し伸べる響子。
事情を知らない元彼は助かりたい一心で響子の言いなりに。
「執着心があなたを苦しめている」
響子の言葉に彼女への想いをふっ切る男。
こうして元彼はストーキングをやめ、投稿者も解放されるのだった―――エンド。

原作通りならばストーカーは戸次重幸さん演じる田町か。
投稿者はそのまま稲垣美里。
村山教授はまだ出てないから、そこはオリジナルでフォローか。
そこ以外は、ほぼ原作通りに話が推移しそうかな?

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・集英社「霊能力者 小田霧響子の嘘」公式HP
http://bj.shueisha.co.jp/manga/odakyo/index.html

◆関連過去記事
「ビジネスジャンプ」(集英社)連載中「霊能力者 小田霧響子の嘘」ドラマ化!!&最新話ネタバレ批評(レビュー)

「霊能力者 小田霧響子の嘘」(ビジネスジャンプNo19、20掲載)ネタバレ批評(レビュー)

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