2010年10月27日

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)10話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)10話ネタバレ批評(レビュー)です!!

とりあえず、前回から容疑者らしい人物をひとり挙げてます。
9話現在の容疑者は亮太の同僚・野田春美です。
今の所は正しいかどうか微妙ですが、皆さんの推理と照らし合わせてお楽しみください。

監禁探偵1
「手前がアカネ、奥が山根亮太」


<登場人物>
山根亮太:コンビニでバイト生活を送る性的倒錯者
里見玲奈:亮太が目星をつけていたターゲットの女性、1話で何者かにより殺害される
谷田進:亮太のバイト先のコンビニ店長
野田春美:亮太のバイト先であるコンビニの同僚
アカネ:亮太に監禁されている女性、19歳
亮太の友人:2話で亮太と飲み会をしていた男性、彼女が居るらしい
山根博子:亮太の母、フラフラしている息子・亮太を心配している。55歳。
山根浩一:亮太の父、7話にて登場
高柳:亮太の住むマンション302号室の住人、8話にて登場
坂本:亮太のバイト先の同僚20歳、1話から登場(9話にて名前判明)

<ネタバレあらすじ>

野田春美の証言によりアカネが玲奈を尾行していたと聞かされた亮太は動揺する。

(アカネが犯人だったのでは……)

思い悩む亮太は妄想を逞しくする。

(玲奈殺害当日、アカネは自室に監禁していた。当然、自由に動き回れる筈がない)

と思う反面、

(いや、あの女ならば手錠を外すことなど簡単に出来るのではないか?)

との気持ちもある。
一度抱いたアカネへの疑惑は際限なく膨らみ、さながら溢れ出す水のように亮太の心を沈めて行く。

(そういえば、余りに都合良過ぎた)
(なぜ、ひょいひょいついてきたのか?)
(なぜ、警察に訴えなかったのか?)
(なぜ、好意的に協力してるのか?)

(すべてアカネの陰謀だったのでは)
(そういえば、玲奈宅へ向かうよう誘導したのもアカネだった)
(まさか、母さんもアカネに誘導されたのでは?)
(協力しているふりで自分を弄び、罠に嵌めようとしているのでは……)

疑い出すとキリがなく疑心暗鬼の虜となった亮太はコンビニのバイトを切り上げ早退を申し出る。
だが、店長自身の体調が優れず、坂本の都合もつかなかった為に結局3時までバイトをこなすハメに。
急ぎ帰ってみると部屋ではアカネが待っていた。

アカネによれば亮太の母・博子を描いた似顔絵が全国に公開されたらしい。
そこへかかって来る博子からの電話。
出てみると母からのSOSの電話だった。
警察がすぐそこまでやって来ているらしい。
それだけ伝えると電話は切れてしまう。

追い込まれた亮太はアカネに隠れるとそっと手錠を手にする。
そのままアカネの後ろに回り込む亮太。
不意を突きアカネを押し倒すと、驚くアカネを尻目に再び手錠で拘束するのだった―――。

次号、ついに真相が明らかに!?―――11話に続く。

<感想>

え〜〜〜と、やっぱりアカネ犯人はほぼミスリードだと思われます。
理由は前回(第9話批評)にて述べたとおり。
煽りを信じれば次回で真相が明らかになるとのことなので、このままならばこれまで通り野田春美犯人説で確定か。

野田春美犯人説とは―――

亮太のコンビニ同僚である野田春美を犯人とする説。

根拠は次の3つから。

@1話の描写から玲奈殺害時のアリバイがない。
A洗濯物ロジック該当者である。
(犯人が返り血を洗い流すために自身の下着を洗濯し玲奈のものに見せかけたと考えれば犯人は女性の可能性がある、あるいは「迷路館の殺人」パターンでも女性となる)
Bアカネが無実だとするとアカネを罪に陥れようとしている野田春美が怪しくなる。
(ただし、春美は「ツインテールの女性を見た」としか述べていないので特定の誰か(アカネ)を指してのことではなく適当に嘘をついた可能性や、これからツインテールの新キャラが登場する可能性も否めない。この場合はこの根拠は無くなる)

ただし、野田春美が犯人だとするとひとつ謎が生まれる。
それは野田春美が「アカネのことを知っていた可能性」があること。

アカネに罪を着せようとする以上はアカネのことを知っていなければ不可能。
野田春美はどこでアカネを見かけたのか?

これまでは「玲奈に男の影が無い」との亮太の発言から「玲奈と春美が恋人同士で痴情のもつれによる殺害」との動機を採っていました(玲奈が警戒せずに室内に招いたことも裏付けている)が、アカネの件が解消できない。
そこで上記を解消できそうな新たな動機がこちら。

ひょっとして野田春美は亮太のストーカーだったのではないか?

とのもの。
玲奈のストーカーである亮太のストーカーである春美……なんだか諧謔的だと思いませんか。
もちろんこの場合、玲奈殺害の動機は亮太の興味の対象を抹殺するためになりますが……。
これだとアカネのことを知っていてもおかしくない。
おそらく、アカネと共に外に情報収集しに出かけた際に見られたとなるのかな。
だからアカネの目撃証言が出たのでは?

それにしても、亮太は現状で玲奈殺害犯としてアカネを捕まえた所で警察には通報できないんじゃないかなぁ……。
だって、アカネを監禁してるし、玲奈をストーキングしてるし、玲奈宅で死体を発見してるし、母親関連で偽証もしてるし……ねぇ。
やっぱり、アカネが犯人だけはないな。

一方、気になるのは8話に出て来た高柳。
彼も相当怪しいんだけどなぁ。
ここからどうストーリーに絡むのか(絡めるのか)?

もろもろ気にかかりますが……。
とりあえず、10話現在も亮太のコンビニの同僚・野田春美犯人説でいきます。

とにもかくにも、果たして驚天動地のトリックはあるのか?
先の読めない「監禁探偵」。
11話に要注目です!!

◆我孫子武丸先生関連過去記事
我孫子武丸先生が漫画原作を!?「監禁探偵」に注目!!

「漫画サンデー」連載「監禁探偵」1話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)2話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)3話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)4話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)5話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)6話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)7話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)8話ネタバレ批評(レビュー)

「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)9話ネタバレ批評(レビュー)

・[速水三兄妹シリーズ]
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)

探偵Xからの挑戦状!「記憶のアリバイ」(11月18日)本放送ネタバレ批評(レビュー)

探偵Xからの挑戦状!「記憶のアリバイ」解決篇(11月25日放送分)ネタバレ批評(レビュー)

「TRICK×LOGIC(トリックロジック)」5話「亡霊ハムレット」推理にチャレンジ&発売からほぼ一週間が経過して……
(我孫子先生担当の「盗まれたフィギュア」について推理)

我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病 (講談社文庫)」です!!
殺戮にいたる病 (講談社文庫)





同じく「弥勒の掌 (文春文庫)」です!!
弥勒の掌 (文春文庫)





◆原作の我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。


【関連する記事】
posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。