<登場人物>
山根亮太:コンビニでバイト生活を送る性的倒錯者
里見玲奈:亮太が目星をつけていたターゲットの女性、1話で何者かにより殺害される
谷田進:亮太のバイト先のコンビニ店長
野田春美:亮太のバイト先であるコンビニの同僚
アカネ:亮太に監禁されている女性、19歳
亮太の友人:2話で亮太と飲み会をしていた男性、彼女が居るらしい
山根博子:亮太の母、フラフラしている息子・亮太を心配している。55歳。
山根浩一:亮太の父、7話にて登場
高柳:亮太の住むマンション302号室の住人、8話にて登場
坂本:亮太のバイト先の同僚20歳、1話から登場(9話にて名前判明)
<ネタバレあらすじ>
野田春美の証言によりアカネを疑う亮太はアカネを拘束し問い詰める。
だが、アカネにシラをきられた上、仮にアカネが犯人だとしても監禁してしまっているため警察に届け出ることも出来ない亮太は煩悶。
アカネを置いてその場を逃げ出す。
両手を手錠で拘束されたままのアカネ。
そこへ誰かのやって来る音が……。
「帰って来たの?」
アカネの問いかけも虚しく現われたのは包丁を手にした殺意剥き出しの人物―――野田春美だった!!
野田は躊躇うことなくアカネへと包丁の刃を振り下ろす。
間一髪、回避したアカネはそのまま逃げ出すことに。
そんなアカネを執拗に追う野田。
追い詰められたアカネは手錠を外すと枕を手に抗戦。
しかし、いかんせん枕と包丁では武器に差がありすぎた。
切り裂かれる枕にアカネの命も風前の灯かと思われた……アカネの前で大きく包丁を振り上げる野田。
だが、その後ろにもうひとり人影が居た!!
亮太である。
バッターボックスの打者さながらに野田の後頭部めがけてフルスイングする亮太。
死角からの不意打ちに呆気なく沈む野田。
「もう〜〜〜遅いわよ。ギリギリだったんだから……」
亮太に愚痴をこぼすアカネ。
(ここで煽り)
すべてはアカネと亮太の真犯人への罠だった!?
次週、最終回。
真相が明らかに!!―――12話に続く。
<感想>
犯人は野田春美で決まりのようです。
となると、これまで述べて来た洗濯物トリックも動機も想像通りっぽい!?
野田春美犯人説とは―――
根拠は次の3つから。
@1話の描写から玲奈殺害時のアリバイがない。
A洗濯物ロジック該当者である。
(犯人が返り血を洗い流すために自身の下着を洗濯し玲奈のものに見せかけたと考えれば犯人は女性の可能性がある、あるいは「迷路館の殺人」パターンでも女性となる)
Bアカネが無実だとするとアカネを罪に陥れようとしている野田春美が怪しくなる。
(ただし、春美は「ツインテールの女性を見た」としか述べていないので特定の誰か(アカネ)を指してのことではなく適当に嘘をついた可能性や、これからツインテールの新キャラが登場する可能性も否めない。この場合はこの根拠は無くなる)
でもって、動機。
「罪を着せるにあたって野田春美が何故、アカネを知っていたか」から野田は亮太をストーキングしていた可能性がある。
それは今回、亮太では無くアカネを狙ったことからも推測される。
また、今話で亮太とアカネが一芝居うったことや亮太が外出後すぐに野田春美が現われてことから野田春美は亮太宅を見張っていた(おそらく盗聴)可能性が強い。
盗聴だとすると事件以前からのものになるだろう。
つまり、「以前から亮太をストーカしていた春美が亮太のストーカー対象である玲奈に嫉妬して殺害した」が動機かな。
そういえば、亮太の母・博子に直接危害を加えなかったのもその為か。
「ストーカーにストーカーが居た!!」というのが本作のメインっぽいか。
この辺りが最終回で触れられそう。
そうだ。もうひとつ残された謎があった。
アカネの正体だ。
これは描写から薄々感じられていた“プロの探偵”で決まりじゃないかな。
わざわざ亮太に近付いたところから亮太の父・浩一に雇われた人間の可能性もある。
浩一の名前が出たのはこの設定の為ではなかろうか。
2010年11月4日追記:1日経過してふと思ったが、アカネ自身が亮太のストーカーの可能性もあるな。
亮太もストーカー。
春美もストーカー。
アカネもストーカー。
これでこそ徹底されているかな?
アカネが神の如き明察を示すのは事前に春美の殺人計画を察知しておりすべてを勘付いていた可能性もあるか……。
これだと、ラストは俯き加減のアカネが“ニヤリ”で終わりだな。
(追記終わり)
だいたいこんなところかな。
いや、もうひとつあった。
8話に出て来た高柳だ。
彼の家でアカネは何かに気付いたようだが、それについて一切明かされないのは気になる。
ひょっとして……最後の最後でどんでん返しが来るか?
とにもかくにも、果たして驚天動地のトリックはあるのか?
12話に要注目です!!
◆我孫子武丸先生関連過去記事
・我孫子武丸先生が漫画原作を!?「監禁探偵」に注目!!
・「漫画サンデー」(実業之日本社)連載「監禁探偵」(我孫子武丸原作、西崎泰正画)1話〜10話までまとめ
・[速水三兄妹シリーズ]
「8の殺人」(講談社)ネタバレ書評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!「記憶のアリバイ」(11月18日)本放送ネタバレ批評(レビュー)
・探偵Xからの挑戦状!「記憶のアリバイ」解決篇(11月25日放送分)ネタバレ批評(レビュー)
・「TRICK×LOGIC(トリックロジック)」5話「亡霊ハムレット」推理にチャレンジ&発売からほぼ一週間が経過して……
(我孫子先生担当の「盗まれたフィギュア」について推理)
◆原作の我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。
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