2010年11月20日

金曜プレステージ 内田康夫ミステリー・湯布院殺人事件「遺産相続を巡る旧家の呪い霧の里で起こった骨肉争いに次々人が消える犯罪心理のプロ和泉が暴く悲しい家族の怨念待望の新シリーズ!」(11月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 内田康夫ミステリー・湯布院殺人事件「遺産相続を巡る旧家の呪い霧の里で起こった骨肉争いに次々人が消える犯罪心理のプロ和泉が暴く悲しい家族の怨念待望の新シリーズ!」(11月19日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

行動科学のプロとして実際に犯罪捜査に協力していた大学教授・和泉直人(渡瀬恒彦)は勤務先の大学を退職し、友人から贈られた旅行券で、妻の麻子(名取裕子)を伴って湯布院へ向かう。機内で、一人で乗っていた少年に声をかけられ、和泉の名前が書かれた封筒を渡され中を見てみると、「この子を湯布院の高梨家まで送ってください。」という少年の母親からの匿名の手紙が入っていた。和泉は警察に届けようとするが麻子が反対し、結局その少年・雄一(浜多恵韻)をその家まで連れて行くことにする。
高梨家には主人・龍太郎(川辺久造)が病に伏しており、長女・夏美(芦川よしみ)三女・春香(いとうあいこ)ら娘たちとその家族、弟の政次郎(松熊信義)が集まり、財産分与を巡って疑心暗鬼になっていた。そこへ何も知らず訪れた和泉ら。一同は雄一を見て驚く。家を出た長男の弘一にそっくりだというのだ。雄一は弘一の息子である証拠の戸籍謄本を持参していた。心配そうな様子の執事・宇田川(中山仁)。
和泉は知人や地元の人間から、地元の代議士・相羽(重松収)が春香に金を出させて景観を損なう施設の建物を造ったこと、その相羽の秘書がその施設内で自殺したという話を聞く。また夏美の夫・竹西(小野了)から100万円を渡され、雄一を東京へ連れて帰るよう言われ、憤慨した和泉は受け取らずにその場を去ったのだが、翌朝竹西が死体で発見され…!?
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

竹西が殺害されたことにより、前夜揉めていた和泉に容疑が……。
拘束され厳しい取り調べを受ける和泉だったが、15年前の教え子で検事になった谷口の取りなしにより解放され厚遇を受けることに。

その頃、麻子と雄一の前に目だし帽を被った暴漢が現われる。
雄一を攫おうとする暴漢に対し薙刀で対抗する麻子。
暴漢は麻子の強かな一撃をくらいほうほうの態で逃走する。

捜査本部の捜査により“生涯教育センター”設立を目指す春香の裏に政次郎の存在が浮かぶ。
政次郎は何も知らない春香を利用しセンター建設を利用して利益を得ようとしていた。

数日後、和泉と麻子を見張る何者かの影があった。
女性らしきシルエットを見かけた麻子はその人物こそが雄一の母だと見抜き後を追いかける。
逃げ出す女性だったがその先には龍太郎の家政婦・大木恵子の死体が……。

再会し歓喜の涙を流す雄一とその母・道子。
一方、恵子の所持品から相羽代議士の名刺が発見される。

そんな中、夏美が竹西に生命保険をかけていたことが明らかになる。
しかも、夏美は父・龍太郎に財産の生前贈与を迫っていた。

それを受けて龍太郎は生前贈与についてお抱え巫女に託宣を尋ねる。
巫女の出した結論は「三女・春香に全財産を与えよ」と言うもの。
生涯教育センター設立に携わる春香こそが相応しいとの理由だ。

それに反対する和泉。
和泉は真犯人が判明するまで生前贈与を待つように促す。
しかも、相羽代議士は今回の殺人に関係ないと断言。

翌日、竹西と恵子が男女の仲にあったと宇田川が証言。
そして、道子から湯布院に来るよう連絡したのは恵子だと聞いた和泉は真相が分かったと口にするが……。

和泉は高梨家に関係する者の預金口座、筆跡、発信履歴等を調査させる。
そこから意外な結果が……。

龍太郎や春香など高梨家の面々を一堂に集める和泉。
“窓割れ理論”を持ち出し高梨家を評する。
窓が割れそれを放置すれば、そのような地域だと認識が広がりさまざまな事件が発生しさらに治安が悪くなる―――そう持ちだした和泉の真意は秘書殺害、竹西殺害、恵子殺害がそれぞれ別の人間による犯行だとの主張だった。

しかし、和泉は犯人を指摘しない。
その場はそのままお開きに。

夜―――高梨家のそれぞれがそれぞれの夜を過ごす中、意外な事実が明らかになっていく。
雄一を襲った目だし帽の暴漢は政次郎が雇った人間。
そして、春香は政次郎に「生涯教育センター」建設から手を引くと宣言する。
何者かに襲われ怪我をする執事・宇田川。

宇田川を訪ねた和泉は、宇田川への恵子の借用書を持ち出す。
家を出た弘一へ龍太郎には内密に金銭的支援を続けた宇田川と恵子。
それを知った竹西は主人・龍太郎への横領だと二人を脅迫。
二人は金銭を払い続けた。

和泉の単なる憶測だと否定する宇田川だったが、和泉は証拠を持ち出す。

和泉買収に竹西が持ちだした現金200万円。
あの出所を追った結果、高梨家の金庫番だった宇田川が浮上したのだと言う。
確かに当日昼間、宇田川がピタリ200万円を引き出した形跡が残されていた。

和泉によれば、恵子の死は竹西殺害犯を知った為だと言う。
恵子は竹西を殺した宇田川を庇う為に自殺したのだ。
恵子と男女の仲だったのは宇田川だった……。

和泉より自首を勧められた宇田川は項垂れる。

翌朝、宇田川が青酸カリにより死体で発見される。
缶には政次郎の指紋が残されていた……。

こうして、政次郎と巫女が拘束されることに。
雄一を襲った不審な目だし帽の人物の正体は巫女だったのだ。

カロリー計算ノートを入手する和泉。
さらに、龍太郎の部屋のゴミ箱と宇田川の死体発見現場付近からアイスクリームの容器を見つける。

これらから和泉は宇田川を自殺と断定。
宇田川は最後の別れに敬愛する主人・龍太郎と共にアイスクリームを食べた。
そして高梨家に禍根を残すであろう政次郎を道連れにすべく政次郎の指紋つき空き缶を利用し自殺したのだ。

この兆候はすでに前夜から現われていた。
何者かに襲われたと主張した宇田川の証言自体が狂言だったのだ。
これも政次郎を陥れる為の罠だった。

すべては愛する高梨家を守る為だった。
家の金を持ち出す竹西を殺害し、同じく政次郎も排除しようとしたのだった。

政次郎は巫女を操り“生涯教育センター”に金を落とそうと企んでいた事を認める。
相羽の秘書も遺書が出て来たらしい。

宇田川はその功績が認められ高梨家の墓に入る事に。
雄一もまた龍太郎に孫と認められる―――エンド。

<感想>
原作は内田康夫先生「湯布院殺人事件」(講談社刊)。
1993年10月中公文庫、1994年12月光文社文庫、2009年講談社文庫として刊行されました。

原作「湯布院殺人事件」あらすじは―――

湯けむり香る温泉町で連続殺人事件が……。傑作旅情ミステリー!

風光明媚な温泉町、湯布院。この静かな町で、疑獄事件の渦中にある前文部次官秘書が首を吊った。フルムーン旅行でこの地を訪れた犯罪心理学者の和泉直人は、前次官と縁のある旧家の高梨家を訪れる。だが、遺産相続をめぐり骨肉の争いを繰り広げる高梨家では連続殺人が! 和泉は事件の真相に迫れるのか!?
(講談社公式HPより)


これのドラマ版。
渡瀬恒彦さんに名取裕子さんと豪華キャストで挑みました。

なんだか、浅見光彦っぽい作りでしたね。

@疑われる主人公
A主人公の身分(社会的地位)判明
Bあっさり信用を得る(水戸黄門の印籠状態)

この黄金パターンは健在でした。
これ主人公入れ替えても通用しそうだ。

それと、和泉のはプロファイリングちゃうがな……。
不要なミスリードも多いし、それを活かしきれていないし、相羽は本当に関係ないし、4件の事件のうち3件が自殺だし。

これは……続編無いな。
っていうか、続編作って欲しくないレベル。

これだったら火曜サスペンス劇場でやってた同じ夫婦ものの傑作「フルムーン旅情ミステリー」(二谷英明さん、白川由美さん出演)の方が断突で良かった……って思ったのですが、これも原作・内田康夫先生なんですね。
しかも、記念すべきシリーズ第1作こそがこの「湯布院殺人事件」だったとは……。
これは、こちらも続編狙いか。

でも、明らかにあちらの方が良いんだよなぁ。
なんでなんだろう……。

<キャスト>

渡瀬恒彦
名取裕子
中山 仁
芦川よしみ
川辺久造
いとうあいこ ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


◆関連過去記事
内田康夫先生から浅見光彦シリーズ完結宣言が!!「最後の事件」は2012年に!!

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・5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
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「湯布院殺人事件 (講談社文庫)」です!!
湯布院殺人事件 (講談社文庫)



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