2010年11月23日

オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)を読んで(米澤穂信「軽い雨」&麻耶雄嵩「少年探偵団と神様」ネタバレ書評)

オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)です!!

ネタバレあります、注意!!

オールスイリ
「オールスイリ表紙、同社のインシテミルを彷彿とさせるポップな装丁」


<感想>

「オールスイリ」はそのキャッチフレーズ「一冊まるごとミステリー!」をそのままにミステリだけの一冊!!

連載陣は米澤穂信先生、湊かなえ先生、奥泉光先生、有栖川有栖先生、辻村深月先生、乾くるみ先生、麻耶雄嵩先生。
これに桜庭一樹先生、森博嗣先生によるエッセイも収録。

かなり豪華なメンバーだが……。

読んでみて思ったのは、当初感じていたほどではない……か?
執筆陣から想像していたよりは内容が大人しい……。
個人的には粗削りでも大どんでん返しを含んだ名作を期待しただけに残念。

特に米澤穂信先生「軽い雨」は管理人が読み込めていない為かもしれないが、あっさりし過ぎの感あり……らしくないと言うべきか。
いつもならもう一捻りありそうだが……。

湊かなえ先生「望郷、白綱島」はほぼ普段通りかな。
アリだと思う。

そんな中で、麻耶雄嵩先生「少年探偵団と神様」がやはり良い。
かなりの実験作と思うが、鈴木の神格性があって初めてあの推理が通用するのが面白い。

「オールスイリ」総評としては―――大胆な作品が少ないと言う事は、裏を返せば、しっとりとした大人向けの読み物に特化したと言えなくもない。
割と詰まることなく、さらっと読める点で評価すべきかもしれない。

ちなみに、11月下旬には文藝春秋社初の雑誌としての電子書籍版発売の予定もあるらしいのでそちらもチェックを!!

◆関連過去記事
オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)は11月18日発売!!電子書籍版発売の予定も!!

麻耶雄嵩先生「神様ゲーム」がシリーズ化!!タイトルは「少年探偵団と神様」に

<ネタバレあらすじ>

オールスイリ収録作品中次の二篇をネタバレあらすじ化してみる。

◆「軽い雨」米澤穂信

とある寒村では町おこしを兼ねて移住者の住宅費を無料にするキャンペーンを行っていた。
その第一弾として二組の入居者が村にやって来る。

ところが、二組は隣同士となると事あるごとに反撥し合うように。
片やラジコンヘリで騒音を起こせば、片や音楽を鳴らして対抗するとの状態で互いに一歩も引かない。

やがて音楽を鳴らした一家の家から火災が発生。
無人の場所から出火するという思わぬ被害に遭ってしまう。
結果、こちらは逃げるように村外へと出て行くことに。

残された一組だったが、実はこの家の主人こそが隣家の失火の犯人だった。
蕎麦を作っていた彼はもみ殻をラジコンヘリの風圧で飛ばした。
それが隣家のバーベキューの残り火に引火し思わぬ火災に繋がったのだ。
彼自身も此処まで大きくなるとは想定していなかった嫌がらせだった。

それを見抜いた役場の職員は彼に村外退去を命ずる。
こうして、村にはまた誰も寄りつかなくなってしまったのだった……エンド。

◆「少年探偵団と神様」麻耶雄嵩著

隣町の教師が何者かに襲われ殺害される事件が発生。
神様こと鈴木によれば犯人は少年探偵団のメンバーの一人の父親だと言う。
だが、被害教師とその父親には接点が無い。

それでも、鈴木の言葉の絶対性を知る少年探偵団メンバーは事件の真相を明らかにすべく調査に動き出す。

その過程で被害にあった隣町教師と学校のある教師の体格が近い事に気が付く。
しかも、事件当日は強い雨が降り誤認する可能性も高かった。
もしや、犯人はターゲットを間違ったのでは?と推理する一堂。
一方で被害者とそのよく似た教師は全く逆方向に住んでいる事も明らかに。
犯人が待ち伏せしたと考えるならば道を間違えない限り、相手を誤認する可能性は零に等しい。

点と点、線と線が交差するこの事件の真相とは?

ふとした拍子に街灯の明かりを目にしたメンバー。
ひょっとして何かの弾みで一旦道路を動いた際に、元居た道路の街灯が消えてしまうと同時に別の道路の街灯が点灯したら道を間違えてしまうのではないかとの結論に至る。
それは奇跡の様な出来事。

だが、鈴木の言葉に照らし合わせた犯人ならばそれしかない!!
後日、やはりメンバーの父親が被害者と似た教師を襲撃する事件が発生。
今度は未遂だったものの、父親が逮捕されそのメンバーは引越しを余儀なくされてしまう。
父親の動機は不倫現場を教師に目撃され止めるよう諭された為だった……エンド。

「オール・スイリ」です!!
オール・スイリ





「オール讀物 2010年 11月号 [雑誌]」です!!
オール讀物 2010年 11月号 [雑誌]






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