2010年11月27日

金曜プレステージ 文化庁芸術祭参加作品 松本清張2夜連続SP球形の荒野・前編「連続殺人の裏に隠された昭和史の光と影〜奈良古寺に残る亡霊の筆跡!」(11月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 文化庁芸術祭参加作品 松本清張2夜連続SP球形の荒野・前編「連続殺人の裏に隠された昭和史の光と影〜奈良古寺に残る亡霊の筆跡!」(11月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

球形の荒野3


昭和39年、間もなく開催されるアジア初のオリンピック東京大会に向け、日本中が沸き立っていたころ――。
切り取られた奈良の寺の芳名帖の一部が男の絞殺死体の近くで発見される。芳名帖に書かれてあった名前を捜査していた本庁の鈴木刑事補(江口洋介)と世田谷署の添田刑事(生田斗真)は、野上久美子(比嘉愛未)の父親・野上顕一カ(田村正和)と同じ筆跡が残されていることを不審に思う。しかし野上は、終戦間際の昭和19年、外交官としてヨーロッパへ赴任し、その地で病死していた。
捜査が進み、被害者は奈良に住む伊東忠介(相島一之)で、何者かと会うために上京したことが品川の旅館の主人(小日向文世)からの聞き込みで判明する。また、伊東は野上と共に当時中立国の公使館にいた陸軍武官だったこともわかる。
見覚えのある芳名帖の筆跡に疑念を抱いていた久美子の親類・節子(木村多江)や、その夫・亮一(萩原聖人)、そして野上の妻であり、久美子の母・孝子(風吹ジュン)は、野上の過去について何度も訊ねてくる鈴木、添田の刑事達に困惑していた。
また、同じ公使館にいた村尾(佐野史郎)と、特派員だった滝(草刈正雄)は、なぜか野上の死について語りたがらない。村尾は、しつこく追いかけ回す刑事たちに「そんなに知りたければ、ウィンストン・チャーチルに聞きたまえ」と言葉を残して去った。久美子は、歌舞伎座ですれ違った滝と村尾からデッサンのモデルを依頼される。ところがその画伯が謎の死を遂げてしまう。
久美子はデッサンをされていた時、家には庭師がいたと刑事たちに告げるが、家政婦はそんな人は雇っていないと言う。
やがて、“死んだはずの父親”が生きているのではないかと疑惑を持ち始めていた久美子は、何者かに京都の南禅寺にひとり呼び出される。その夜、久美子が宿泊したホテルで発砲事件が起きた。銃弾に倒れたのは村尾。そこには滝の姿もあった。
すべての事件は野上顕一カによってつながっているのではないか?
そして、「野上顕一郎の生死について再度調査をしたい。彼ならすべての犯行が可能です」との鈴木警部補の発言に捜査本部は凍りつく――。「幽霊を指名手配しろと言うのか?」と佐々木本部長(永島敏行)らは驚きを隠せない。しかし、鈴木と添田は深くうなずくのだった。
果たして、死んだはずの野上は生きているのか? ならばなぜ、野上は妻子を捨て、国籍を消滅し、“死亡”したと発表させたのか?
やがて、これら全ての事件の根幹は、終戦間際の公使館にあることが判明する――。
(フジテレビ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)

芳名帳の名前、田中幸一の字体が野上顕一カの字体に似ていたことから添田は野上の生存を疑う。
鈴木はそんな添田の疑惑を妄想と否定するが、じょじょに事実ではないかと考え直し始める。

殺害された伊東忠介が武官として野上と共に駐留していた時期があったことが判明。
ここで捜査は、野上の元同僚へ向き始める。
外務省の村尾、新聞記者の滝など当時の人間が次々と容疑者として浮上する中、今度は久美子にモデルを頼んだ画伯が変死してしまう。
さらに村尾が銃撃され重傷を負う。
果たして事件の真相は?

一方で野上の娘・久美子に惹かれる添田。
久美子もまた添田に悪い感情を抱いていなかった。
二人は接近していく―――後編へ続く。

2010年11月28日追記土曜プレミアム 松本清張2夜連続SP球形の荒野・後編「昭和39年東京オリンピック開催日にすべての謎は明かされる!刑事も涙した戦争で引き裂かれた父娘の結末」(11月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)追加しました。リンクよりどうぞ!!

<感想>

松本清張先生原作「球形の荒野」がドラマ化です。
原作から、かな〜〜〜り改変ありました。

まず、鈴木がメインに。
原作ではここまでの扱いなし。

次に添田が刑事に。
原作では新聞記者でした。

なにより、主人公が久美子&添田から変更。
う〜〜〜ん……。

原作「球形の荒野」はネタバレ書評(レビュー)がありますね。
原作に興味のある方はどうぞ。

「球形の荒野」(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

実は「球形の荒野」は以前にも映像化されています。
この際の野上役は芦田伸介さんでした。
こちらについても上記ネタバレ書評(レビュー)で触れているので興味のある方はどうぞ。
ちなみにこの映像版については下部にアマゾンリンクがあるので、そちらもどうぞ。

では、肝心のドラマ版感想。

原作ってこんな感じだったっけ……と首を傾げざるを得ない。

つまり、原作からの変更点が奏功しているとは言い難いのだ。
変更した理由が判然としない。
後編で明らかになるのかな……。

それと、全体的に展開、構成、映像などなど、フジテレビ系列で放送されているお昼の帯ドラマっぽい印象。
「真珠夫人」とか「牡丹と薔薇」っぽいなぁ……好き嫌い別れそうだ。
お昼の帯ドラマは嫌いではないが、このドラマに関しては個人的に失敗じゃなかろうかと思ってしまう……杞憂に終わればいいけど。

まぁ、まだ前編だけだけどね。
前編も終盤は盛り上がってたし。
後編に期待!!

◆関連過去記事
松本清張原作「球形の荒野」ドラマ化!!

<キャスト>
・田村正和(野上顕一カ)
中立国公使館の元・一等書記官。昭和20年、スイスの病院で胸を患い死去と発表された。

・江口洋介(鈴木次郎警部補)
太平洋戦争を生き抜いた警視庁の警部補。ある絞殺事件から野上の過去を追うことになる。

・生田斗真(添田彰一刑事)
世田谷署の若い刑事。鈴木と共に事件を追う内に、野上の娘・久美子にひかれていく。

・比嘉愛未(野上久美子)
仏語通訳として働くコンパニオン。父・顕一郎は4歳のころに死んだと聞かされている。

・小日向文世(筒井源三郎/門田源一郎)
筒井屋旅館の主人。元書記生。

・萩原聖人(芦村亮一)
大学の病理学の助教授。節子の夫。のちに重大な秘密を握る。

・木村多江(芦村節子)
久美子の叔母。奈良の寺で見た筆跡の謎を探る。

・相島一之(伊東忠介)
奈良で錦魚の養殖園を営む。元・公使館付武官陸軍中佐。

・ジュリー・ドレフュス(エレーヌ・ヴァンド)
野上顕一カのパートナー。

・風吹ジュン(野上孝子)
野上の妻、久美子の母。

・伊武雅刀(住職)
寺には野上と共に働いていた寺島大使が眠る。

・永島敏行(佐々木実)
世田谷署本部長。本庁の鈴木と共に事件を追う。

・佐野史郎(村尾芳生)
外務省欧亜局の課長。野上の遺骨を持って帰国した外交官補。

・草刈正雄(滝良精)
世界文化交流連盟常任理事。元・特派員。
(公式HPより)


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