2010年11月28日

土曜プレミアム 松本清張2夜連続SP球形の荒野・後編「昭和39年東京オリンピック開催日にすべての謎は明かされる!刑事も涙した戦争で引き裂かれた父娘の結末」(11月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜プレミアム 松本清張2夜連続SP球形の荒野・後編「昭和39年東京オリンピック開催日にすべての謎は明かされる!刑事も涙した戦争で引き裂かれた父娘の結末」(11月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

球形の荒野3


昭和39年、間もなく開催されるアジア初のオリンピック東京大会に向け、日本中が沸き立っていたころ――。
切り取られた奈良の寺の芳名帖の一部が男の絞殺死体の近くで発見される。芳名帖に書かれてあった名前を捜査していた本庁の鈴木刑事補(江口洋介)と世田谷署の添田刑事(生田斗真)は、野上久美子(比嘉愛未)の父親・野上顕一カ(田村正和)と同じ筆跡が残されていることを不審に思う。しかし野上は、終戦間際の昭和19年、外交官としてヨーロッパへ赴任し、その地で病死していた。
捜査が進み、被害者は奈良に住む伊東忠介(相島一之)で、何者かと会うために上京したことが品川の旅館の主人(小日向文世)からの聞き込みで判明する。また、伊東は野上と共に当時中立国の公使館にいた陸軍武官だったこともわかる。
見覚えのある芳名帖の筆跡に疑念を抱いていた久美子の親類・節子(木村多江)や、その夫・亮一(萩原聖人)、そして野上の妻であり、久美子の母・孝子(風吹ジュン)は、野上の過去について何度も訊ねてくる鈴木、添田の刑事達に困惑していた。
また、同じ公使館にいた村尾(佐野史郎)と、特派員だった滝(草刈正雄)は、なぜか野上の死について語りたがらない。村尾は、しつこく追いかけ回す刑事たちに「そんなに知りたければ、ウィンストン・チャーチルに聞きたまえ」と言葉を残して去った。久美子は、歌舞伎座ですれ違った滝と村尾からデッサンのモデルを依頼される。ところがその画伯が謎の死を遂げてしまう。
久美子はデッサンをされていた時、家には庭師がいたと刑事たちに告げるが、家政婦はそんな人は雇っていないと言う。
やがて、“死んだはずの父親”が生きているのではないかと疑惑を持ち始めていた久美子は、何者かに京都の南禅寺にひとり呼び出される。その夜、久美子が宿泊したホテルで発砲事件が起きた。銃弾に倒れたのは村尾。そこには滝の姿もあった。
すべての事件は野上顕一カによってつながっているのではないか?
そして、「野上顕一郎の生死について再度調査をしたい。彼ならすべての犯行が可能です」との鈴木警部補の発言に捜査本部は凍りつく――。「幽霊を指名手配しろと言うのか?」と佐々木本部長(永島敏行)らは驚きを隠せない。しかし、鈴木と添田は深くうなずくのだった。
果たして、死んだはずの野上は生きているのか? ならばなぜ、野上は妻子を捨て、国籍を消滅し、“死亡”したと発表させたのか?
やがて、これら全ての事件の根幹は、終戦間際の公使館にあることが判明する――。
(フジテレビ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複アリ)

前編金曜プレステージ 文化庁芸術祭参加作品 松本清張2夜連続SP球形の荒野・前編「連続殺人の裏に隠された昭和史の光と影〜奈良古寺に残る亡霊の筆跡!」(11月26日放送)ネタバレ批評(レビュー)はこちら。リンクよりどうぞ!!

捜査本部にて野上顕一郎の生存が確実視される中、宿屋の主人が殺害される。
主人の正体は野上の書記官をしていた門田だと判明。

またも野上周辺の人物の不審死に鈴木と添田は村尾を追い、門田の手紙を入手する。
そこには全ての告白が書かれていた。

野上が終戦工作を行い、日本の情報を当時の敵国に引き渡していたこと。
終戦後、戦争継続派の報復を怖れた野上は死亡したことにして海外に身を隠したこと。
当時の書記官であり、野上に賛同していた門田もまた身許を隠し行方をくらました。
ところが、最近になって野上の行方を伊東が追及した為、門田が伊東を止むなく殺害したこと。

そして、村尾と滝もまた門田と同じく当時からの野上の賛同者だった。
村尾から滝の居所を聞き出した鈴木と添田は野上の娘・久美子を連れ野上と滝が居るとされる場所へ向かう。

一方、捜査本部は門田殺害犯と画伯殺害犯を特定。
こうして、大野木、黒部など財界はもちろん、政界にまで捜査の手が及び一斉検挙に。

滝から全ての真相を聞く、鈴木と添田。

戦中、野上は内密に終戦工作を行った。
それにより一部に強い反感を買ってしまう。
そこで死亡したことにし、海外に身を隠した。

それから長い歳月が過ぎた―――。
野上はこれを最後と思い定め、日本に舞い戻って来ていた。
しかし、芳名帳の文字から伊東に嗅ぎつけられた結果、門田が殺人を犯すことに。
その後も、娘・久美子への想いを断ち切りがたかった野上は滝の口添えで画伯の絵のモデルとなった久美子を遠くから眺めていた。
だが、それが野上を売国の徒として忌み嫌う一派(伊東もメンバー)の知る所となり画伯が殺害されてしまう。
一派の追及は執拗を極め、村尾も銃撃されてしまう。
さらに一派は伊東の仇・門田を捕らえ殺害してしまったのだった。

滝から真相を聞いた鈴木は語る。
「野上さんの行いこそが今の日本を為さしめた。彼は恩人なのだ」と。

その頃、久美子はひとり、野上と会っていた。
好きな人が出来たと語る久美子。
相手は添田のことだ。
暫し語りあった後、出会った海辺にて「ななつのこ」を歌う野上と久美子。

後日、野上は日本を去った。
戻ることは無いのだろう。
そんな野上を見送る鈴木。

添田とデートする久美子。
野上が守った新しい世代の息吹がそこにはあった―――エンド。

<感想>

松本清張先生原作「球形の荒野」がドラマ化です。
原作から、かな〜〜〜り改変ありました。

まず、鈴木がメインに。
原作ではここまでの扱いなし。

次に添田が刑事に。
原作では新聞記者でした。

なにより、主人公が久美子&添田から変更。
う〜〜〜ん……。

さらに、出来事について時系列の変更もありました。

そして後編では―――

・黒幕一派が一掃される。

・久美子が浜辺で出会った人物(野上)を父と認識している。

・新規エンディングの追加。

これらの改変を“良”とするか“悪”とするかで評価が分かれそう。

原作「球形の荒野」はネタバレ書評(レビュー)がありますね。
原作に興味のある方はどうぞ。

「球形の荒野」(松本清張著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

実は「球形の荒野」は以前にも映像化されています。
この際の野上役は芦田伸介さんでした。
こちらについても上記ネタバレ書評(レビュー)で触れているので興味のある方はどうぞ。
ちなみにこの映像版については下部にアマゾンリンクがあるので、そちらもどうぞ。

では、肝心のドラマ版感想。

ここから批判が始まります。
読後、不快な気分になるかもしれません。
注意!!


原作に比べて改悪かなぁ……。
鈴木のメイン化&クローズアップと添田刑事化の理由が反野上一派を検挙させる為とは……トホホ。
原作は影の黒幕(指示者)が捕まらないからなんとも言えないのに。
あれでは台無しだ。

第一、反野上派が全員検挙されてしまったら野上帰国出来るじゃん。
しかも、反野上連中がそんなちょっとしたことで検挙できるような相手じゃないから闇が深いのに台無し。

野上擁護を鈴木の口から語らせるのも閉口した。
あれは視聴者の感想だ。
登場人物が語るべきではない。
急に安っぽくなった。

久美子が野上を父と知って会話するのもどうか?
あれでは余韻はない。
野上が報われるようにとの配慮だろうがやはり台無しだ。
あれではそこで話が終わってしまう。
深みが損なわれた。

さらにラストで鈴木と野上の会話を入れるのもどうか?
結局、このドラマ化は野上親娘ではなく、戦時下における平和論者・野上とそれに救われた鈴木の話だったのか。
確かにひとつのサブテーマならありだけど、メインではない。
このテーマなら「球形の荒野」でやる必要はないような……。

もともと、添田を刑事化する必要ないよなぁ……。
正直、微妙な出来と首を傾げざるを得ない……。

◆関連過去記事
松本清張原作「球形の荒野」ドラマ化!!

<キャスト>
・田村正和(野上顕一カ)
中立国公使館の元・一等書記官。昭和20年、スイスの病院で胸を患い死去と発表された。

・江口洋介(鈴木次郎警部補)
太平洋戦争を生き抜いた警視庁の警部補。ある絞殺事件から野上の過去を追うことになる。

・生田斗真(添田彰一刑事)
世田谷署の若い刑事。鈴木と共に事件を追う内に、野上の娘・久美子にひかれていく。

・比嘉愛未(野上久美子)
仏語通訳として働くコンパニオン。父・顕一郎は4歳のころに死んだと聞かされている。

・小日向文世(筒井源三郎/門田源一郎)
筒井屋旅館の主人。元書記生。

・萩原聖人(芦村亮一)
大学の病理学の助教授。節子の夫。のちに重大な秘密を握る。

・木村多江(芦村節子)
久美子の叔母。奈良の寺で見た筆跡の謎を探る。

・相島一之(伊東忠介)
奈良で錦魚の養殖園を営む。元・公使館付武官陸軍中佐。

・ジュリー・ドレフュス(エレーヌ・ヴァンド)
野上顕一カのパートナー。

・風吹ジュン(野上孝子)
野上の妻、久美子の母。

・伊武雅刀(住職)
寺には野上と共に働いていた寺島大使が眠る。

・永島敏行(佐々木実)
世田谷署本部長。本庁の鈴木と共に事件を追う。

・佐野史郎(村尾芳生)
外務省欧亜局の課長。野上の遺骨を持って帰国した外交官補。

・草刈正雄(滝良精)
世界文化交流連盟常任理事。元・特派員。
(公式HPより)


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