2010年12月11日

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス弁護士・朝吹里矢子〜古都・おさない証言にゆらぐ老舗〜能登和倉温泉・目撃者は5才児金沢−東京繋ぐ犯行のシナリオ」(12月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「夏樹静子サスペンス弁護士・朝吹里矢子〜古都・おさない証言にゆらぐ老舗〜能登和倉温泉・目撃者は5才児金沢−東京繋ぐ犯行のシナリオ」(12月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

丸の内の弁護士事務所から独立した弁護士の朝吹里矢子(真矢みき)は、万世橋法律事務所に戸倉弁護士(泉谷しげる)と共同事務所を構えることになった。戸倉のもとに、金沢の老舗の製菓会社・阿蘭陀屋の専務・北島が、とある事件の容疑者の弁護を依頼に来る。
その事件とは、和倉温泉で行われた、金沢の老舗製菓会社・阿蘭陀屋の株主総会直後のこと。阿蘭陀屋の現社長・松浦暁平(渡辺いっけい)は、創業者の実の息子だが、これまで長い間叔父にあたる松浦春次(森次嗣司)が社長に就任していた。3年前にやっと暁平が社長に就任したものの、役員のほとんどが春次の息のかかった者ばかり。実権は春次が握っている状況に暁平は悩んでいた。そして総会の直後、春次は何者かに殺された。容疑者は暁平。北島は、暁平が容疑者となったのは、北島と亡くした妻の間に生まれた息子・浩(佐藤詩音)の目撃証言によるものだったと明かし、自分は暁平の大学時代からの親友で、息子の証言のせいで親友が容疑者になったことを悩み、依頼に来たという。
金沢の事件を東京に依頼に来るのは負け戦になる可能性が高い、と依頼を渋った戸倉のかわりに、ルックスがよく優しい北島の依頼ということもあり、代わりに引き受けることにした里矢子。秘書の尾形敬子(芳本美代子)の案内で容疑者である暁平と会うと、暁平は自分はやっていないと主張。また、自分の目撃証言をした北島の息子・浩を暁平はなぜか自分の息子のようにかわいがっていることを知る。また、春次は殺される直前、小菊という芸者とこっそり部屋で会っていたことも明らかになる一方で、暁平と北島、そして彼らをとりまく人々の抱えるさまざまな事情が明らかになっていく…。果たして真犯人は?
弁護士・朝吹里矢子が、美しい金沢の町並みの中、事件の真相に迫る!
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

浩の証言によれば「“夕焼け小焼け”の聞こえた時間帯に松浦を見た」と言う。
その地域で“夕焼け小焼け”がかかるのは春次の死亡推定時刻である夕方のみ。
そこで、浩の証言に信憑性を認めた警察は松浦を疑う。

弁護を引き受けた里矢子の前に、専務の北島、常務の関、部長の吉崎など怪しい人物が続々登場。
そんな中、芸者・小菊より被害者・春次の遺言状が提出される。
それによれば、小菊にも春次の財産を受け継ぐ権利があった。
当然、里矢子の疑惑は小菊に向かうが当の小菊にはアリバイがあった。
殺害時刻、電車に乗っていたと言うのだ。
そこで、里矢子は小菊の周辺を調べることに。

一方、北島の秘書・尾形敬子からある事件を聞く里矢子。
松浦家での火事の際、松浦は自身の息子・健一よりも先に浩を抱きかかえ脱出したと言う。
以来、松浦は妻や健一とも上手くいっていないらしい。

敬子から話を聞いた帰り道、浩と出会った里矢子。
浩の証言に当たることに。
そこで「浩が松浦の顔を見ていない」ことを知る。
浩が見たのは「水色の服を着た男性の後姿」だったのだ。
それを北島が「水色の服の男=松浦」だと浩を誘導したらしい。

つまり、浩の証言は北島により導かれたのものだった。

浩の証言が崩れたことで松浦を救えると考えた里矢子だったが、直後に松浦が任意で連行されてしまう。

松浦は春次殺害時刻、妻と旅館に居たとアリバイを主張していた。
だが、当の妻がその時刻、ホストと一緒に居たことが発覚した為だった。
松浦は偽証していたのだ。
窮地に追いやられる松浦。

その夜、松浦は妻と言い争う。
その過程で浩が松浦の息子ではないかとの疑惑が浮上する。

浩から聞いた事実を北島にぶつける里矢子。
軽くいなされてしまうが、逆に北島への疑惑が膨らむ事に。
そこで、里矢子は北島がわざと東京で弁護士を捜したのでは……と疑う。

松浦や北島の同級生で戸倉を推薦したタウン情報誌の小野寺を訪ねる里矢子。
ここで、松浦が北島の亡き妻に恋慕していたことを知る。
軽口だが、北島は浩が自分の息子かどうか分からないと口走ったことも明らかに。
ひょっとして……里矢子の脳裏にある考えが浮かぶ。

小菊が身障者である弟の生活の世話をみていることが判明。
里矢子は小菊への疑いを捨てる。

春次殺害当日に書かれた浩の絵をもとに現場を検分した里矢子は、頭にかかる枝を犯人が払っていたことから犯人が背の高い人物と断定。
松浦と北島を犯人から除外する。

その頃、浩が事故に遭遇してしまう。
北島は浩のために必死に奔走。
そんな北島の姿を見て松浦は溜息を吐く。

普段から浩を可愛がっていた松浦。
里矢子は浩や健一の気持ちを考えて行動するよう松浦を諭す。

他方、北島にぶつかる里矢子。
北島が「浩を松浦の子供ではないか」と疑っているのではと詰め寄る。
そんな里矢子に北島は想いを吐露する。
恐ろしくて科学的な確認は出来ない……だが、疑惑も払拭できない……。
憎しみだけが募り、結果、浩の証言を誘導した。
里矢子は北島に父親としての責任を果たすよう諭す。

同時刻、常務の関が逮捕される。
関の身長は松浦や北島に比べ頭ひとつ以上高かった。
動機は、会社の金を横領していたことをを春次に知られ返済するよう迫られた為だった。
松浦の服を着たのもたまたまらしい。

北島は会社を辞め再出発することに。
そこには敬子の姿もあった―――エンド。

<感想>

原作は夏樹静子先生「霧の証言」収録の短編「稚い証言」(光文社刊)。
1987年、カッパノベルス(光文社)より発売。
後に光文社文庫版が1990年、徳間文庫版が1997年発売されました。

<「霧の証言」あらすじ>

朝吹里矢子は薮原法律事務所のイソベンとして5年、いよいよ独立して自分の事務所を構えた。最初の依頼人は、高校時代の同級生・藤巻朗だった。彼はゴルフの賭け金を取り立ててくれと彼女に頼むが、法的には無理。数日後、相手の男が殺され、彼に嫌疑が…。女性弁護士の推理の冴えを鋭く描いた珠玉のミステリー会心作
(アマゾンドットコムさんより)


これのドラマ版。
初代・十朱幸代さんから始まり、二代目・財前直見さん、三代目・南果歩さんと続いた朝吹里矢子の系譜は真矢みきさんに受け継がれました。

四代目朝吹里矢子は真矢みきさんに決定!!第一作は「弁護士 朝吹里矢子−古都・稚い証言にゆらぐ老舗−」2010年12月10日放送!!

では、ドラマ版感想。
真矢さんの朝吹里矢子は性格がきつ過ぎるように思われる。
台詞にも常に切羽詰まった感があって、圧迫されっ放しだった。
コメディパートにもぎこちなさが感じられた。
真矢さん、ひょっとして浮いてた?

それと、管理人は個人的に朝吹はクールであっても情に深いイメージ(たぶん、初代・十朱さんからか)なのでちょっと違和感を受けた。
真矢さん自体は実力のある方なので単にイメージの問題かもしれないが。

これらはシリーズを重ねれば改善されるだろうと思うので今後に期待したい。

ドラマのストーリー自体は……あんまりだったと結論付けておく。
ラストはご都合主義の投げっ放しだったし。
ラテ欄「金沢−東京繋ぐ犯行のシナリオ」なんて存在してないし。
総合で限りなく下の下に近い方の下の中。

来週の金曜プレステージは仲間由紀恵さん主演の「目線」。
天野節子先生原作です。

「目線」(天野節子著、幻冬舎刊)ネタバレ書評(レビュー)

上記ネタバレ書評(レビュー)を読めば分かって頂けるかと思いますが、原作通りならばあの方が犯人です。
そして特徴的な凶器も登場する筈。
これは期待。

ただ、来週は「SPEC」最終回もある……どちらを視聴するべきか?
ちなみに「目線」ドラマについての情報はこちらからどうぞ。

天野節子原作「目線」が金曜プレステージにてドラマ化!!主演は仲間由紀恵さん!!

◆夏樹静子先生関連過去記事
【書籍】
「見えない貌」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「てのひらのメモ」(夏樹静子著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「天使が消えていく」(夏樹静子著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

【ドラマ】
月曜ゴールデン夏樹静子原作「Wの悲劇」(1月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)

月曜ゴールデン 夏樹静子サスペンス「見えない貌〜イソ弁里村タマミの事件簿〜ダムに美しき水死体!出会い系美人妻の孤独と禁断愛…真相を追う母を襲う新たな殺人…真実のカギは親子愛」(6月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

NHKドラマスペシャル てのひらのメモ「あなたは本当にわが子を放置したの?裁判員に選ばれた一人の主婦がたどり着く真実」(10月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「夏樹静子作家40年記念 天使が消えていく〜小さな命を守れ!欲望の街を走る女性記者!死者からの手紙!驚愕の結末とは!?」(10月30日放送)ネタバレなし感想

<キャスト>

真矢みき
泉谷しげる
由紀さおり
風間トオル
渡辺いっけい
芳本美代子
森次晃嗣
芦川よしみ
中山麻聖
佐藤詩音
寺田千穂
酒向 芳 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)


「稚い証人」収録「霧の証言―弁護士 朝吹里矢子 (光文社文庫)」です!!
霧の証言―弁護士 朝吹里矢子 (光文社文庫)





同じく「霧の証言―弁護士 朝吹里矢子 (徳間文庫)」です!!
霧の証言―弁護士 朝吹里矢子 (徳間文庫)



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