ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
1919年。廃墟となったパリ・オペラ座でオークションが開催された。出品されているのは、絢爛たる時代の思い出の品々。訳ありそうな老紳士と老婦人が、それぞれの思いを胸にその行方を見守っている。そして、今となっては伝説の“ある事件”に関わったとされる豪華なシャンデリアが、会場に現れた…。
19世紀、パリ・オペラ座。クリスティーヌ(エミー・ロッサム)は両親を亡くした後、正体不明の“音楽の天使”によってオペラを基礎から教えられてきた若きプリマだ。折しも、劇場ではオペラ「ハンニバル」のリハーサル中。主演は、才能はあるがワガママなプリマドンナ、カルロッタ(ミニー・ドライヴァー)。諸事情により引退を決意した支配人に連れられて、後任のフィルマン(シアラン・ハインズ)とアンドレ(サイモン・カロウ)、そして新しいパトロンである子爵のラウル(パトリック・ウィルソン)が劇場を訪れていた。そんな中、突然背景幕が舞台に落下、腹を立てたカルロッタは主役を降板してしまう。そこに、これまでも数々の事件を起こしてきたと言われている“怪人”ファントム(ジェラルド・バトラー)からの手紙が届く。そこには新しい支配人を歓迎する言葉とともに、脅迫めいた内容が綴られていた。
カルロッタに代わりクリスティーヌが主演を務めたその夜の公演は大成功。舞台を観たラウルは、彼女が昔一緒に遊んだ幼馴染みだったことを知り、彼女をディナーに誘う。ときめくクリスティーヌの耳に、いつもの“音楽の天使”の声が…。初めて自分の前に姿を現した“音楽の天使”=ファントムに導かれ、クリスティーヌは地下の洞窟に足を踏み入れた。
彼女が連れていかれたのは、ファントムの隠れ家。ファントムは、クリスティーヌを自分の音楽を体現する特別な存在として理想化していた。彼は彼女に音楽の才能を授ける代わりに、そこで一緒に暮らすよう提案。ファントムの一途な思いに打たれながらも恐怖を覚えたクリスティーヌは、彼の顔を覆っていたマスクをはぎ取ってしまう。
無事にオペラ座に戻ることができたクリスティーヌ。しかし、ファントムの行動は徐々にエスカレートし、次のオペラでクリスティーヌを主演に据えるよう要求する。それを知ったカルロッタは激怒。結局、カルロッタ主演でオペラ「イル・ムート」を上演することに。
「イル・ムート」は初演を迎えるが、要求を無視され怒ったファントムの暗躍により、舞台は大混乱。ファントムの行動を追っていた舞台係が、殺される事態にまで発展する。恐怖のあまり自分を見失いそうになるクリスティーヌを、ラウルは優しくなだめ、2人は愛を確かめ合う。
大晦日。オペラ座では仮面舞踏会が開催され、密かに婚約したクリスティーヌとラウルも一緒に参加していた。しかし、舞踏会がクライマックスを迎える中、ファントムが登場。彼は自作のオペラ「ドンファンの勝利」を次の演目にするよう命じ、クリスティーヌが自分のものであると高らかに宣言して立ち去った。ファントムを追って地下に迷い込んだラウルは、クリスティーヌの育ての母、マダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)に引き止められる。そして、彼女の口から知られざるファントムの過去が明かされるのだった。
ファントムの要求通り、「ドンファンの勝利」は公演に向けて動き始めた。ファントムとラウルの間で揺れ動くクリスティーヌに、決断の時が迫ってくる。クリスティーヌを手に入れるために計画を巡らせるファントムと、彼女を守ろうと戦うラウルの愛の行方は…。様々な思惑をはらみながら、遂に初演の夜がやってきた!
(金曜ロードショー公式HPより)
では、続きから……
公演の最中、舞台に現れたファントム。
クリスティーヌはファントムのマスクを奪い、警察はファントムを捕えるべく動く。
追い詰められたファントムはシャンデリアを破壊、客席へ落とし混乱を巻き起こすとクリスティーヌを抱え舞台下に広がるアジトへと逃げる。
それを追ったラウル。
ついにファントムのアジトへと辿り着く。
対決する二人だが、ラウルはファントムに拘束されてしまう。
クリスティーヌにラウルと自分どちらを選ぶか迫るファントム。
幾分かの逡巡を見せクリスティーヌはファントムに別れのキスを行う。
クリスティーヌの意思を知ったファントムはラウルとクリスティーヌを送り出すと自らも姿を消す。
数分後―――警察がアジトに乗り込むも、そこには誰の姿も無かった……。
時が過ぎ、とある霊場に老いたラウルの姿があった。
彼はひとつの墓の前で足を止める。
墓石には「良き妻、賢き母クリスティーヌ」と刻まれていた。
そこで一輪の薔薇を見出すラウル。
それはファントムの物なのだろうか―――エンド。
<感想>
原作はガストン・ルルーによる「オペラ座の怪人」。
ガストン・ルルーはフランスの小説家にして法律家。
ミステリでは「黄色い部屋の秘密」で有名ですね。
綾辻行人先生の「十角館の殺人」ではミステリ研究会のメンバーの一人としてルルゥ(ルルー)が出てます。
・十角館の殺人(綾辻行人著、講談社刊)ネタバレ批評(レビュー)
他の面子を見れば分かる通り、多大なミステリへの貢献度を誇る方です。
そんなルルーによる「オペラ座の怪人」原作はこんな感じ(角川書店版より)。
<あらすじ>
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影…“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか?オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは?そして怪人と歌姫の真実とは?不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行。
(アマゾンドットコムさんより)
この原作が舞台化(ミュージカル化)され世に知られるようになったのが現在の「オペラ座の怪人」。
「オペラ座の怪人」のスタンダードは主に舞台の方と言えるでしょう。
つまり、映画版も舞台が原型となっています。
そ・し・て、舞台版「オペラ座の怪人」には続編があります。
それが「ラブ・ネバー・ダイズ(ラブ・ネヴァー・ダイズ)」。
続編については下記の過去記事をどうぞ。
・「オペラ座の怪人」続編「ラブ・ネバー・ダイズ」現る!!
・「オペラ座の怪人2〜ラヴ・ネヴァー・ダイズ」サントラ発売!!
さて、肝心の金曜ロードショー版。
裏番組の「金曜プレステージ 目線」と交互の視聴となったので半端な理解かもしれませんが、全体的に格調高かったように思います。
舞台版では不可能な構成や描写を駆使し非常に見易く分かり易く作られていて好感が持てました。
映像美も堪能でき満足。
キャストも作品にマッチしていてアリでしょう。
吹き替えの声優さんも熱演でした。
以前目にした「オペラ座の怪人」のラストは、炎上する地下アジトの中に怪人が静かに消えて行くものや、火のまわった舞台上で警官隊に囲まれた怪人が燃え盛る炎の中に身を躍らせるものだったりしたのですが、今回のは派手さこそないものの役者さんの演技力に支えられたこれはこれで良いラストだったように思います。
なかなか良かったんじゃないでしょうか。
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