2010年12月26日

「メフィスト 2010 VOL.3」より「メルカトルかく語りき 最終篇 収束」(麻耶雄嵩著、講談社刊)

「メフィスト 2010 VOL.3」より「メルカトルかく語りき 最終篇 収束」(麻耶雄嵩著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

メフィスト


●笠井潔 矢吹駆シリーズ
「夜と霧の誘拐」一挙400枚堂々完結!!
●歌野晶午「密室殺人ゲーム・マニアックス」連載開始!!

<新連載>
歌野晶午/赤城毅
山本弘/麻耶雄嵩/加賀美雅之/三津田信三/久坂部羊/西尾維新/篠田真由美/あさのあつこ

<連載小説>
笠井潔/二階堂黎人/新堂冬樹/石持浅海/北山猛邦
我孫子武丸/円堂都司昭/喜国雅彦/石黒正数

<巻末>
座談会
(講談社公式HPより)


<感想>
「メルカトルかく語りき」シリーズの最終作。
シリーズは2011年5月に単行本化される予定。

【速報】麻耶雄嵩先生「メルカトルかく語りき」(講談社刊)が単行本化、2011年5月発売予定

・2篇目「九州旅行」ネタバレ書評(レビュー)はこちら。
「メフィスト 2010 VOL.1」より「メルカトルかく語りき 第二篇 九州旅行」(麻耶雄嵩著、講談社刊)

本作「収束」は「シュレーディンガーの猫」に真っ向から挑んだ作品。

「シュレーディンガーの猫」とはざっくり言うと「箱の中に猫が居る。箱の中には猫の他に青酸の発生装置が置かれており50%の確率で起動する。猫の生死は箱を開けてみるまで分からない。この場合、観察者である人間が箱を開けて中を確認するまで猫は生きた状態と死んだ状態が重なり合った状態で存在している。この状態は確認されるまで続く」というもの。

要は「開けてみるまで分からねぇよ」である。
「藪の中」状態とも言えるだろう。
これにメルカトル鮎が絡むとなれば、問題作だぁ。

「シュレーディンガーの猫」に挑んだ作品と言えば、過去に書評(レビュー)した作品だと桜坂洋先生「毒入りローストビーフ事件」が記憶に新しいか。
「毒入りローストビーフ事件」は「蝦蟇倉市事件2」に収録。
興味のある方は過去記事をどうぞ。

「蝦蟇倉市事件2」(東京創元社刊)ネタバレ批評(レビュー)

ただし、本作「収録」が他の作品と一線を画す所は「事後ではなく、メルカトル鮎の能力により事前に知っておきながら放置している」点。
ここらが、メルカトル鮎のキャラクターと相俟って効果も高い。

これを最終篇に持って来る所が流石と言うべきだろう。

◆「麻耶雄嵩先生」関連過去記事
「貴族探偵」(集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「隻眼の少女」(麻耶雄嵩著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)

話題の新作「TRICK×LOGIC(トリックロジック)」収録シナリオが明らかに!!

オール讀物増刊「オールスイリ」(文藝春秋社刊)を読んで(米澤穂信「軽い雨」&麻耶雄嵩「少年探偵団と神様」ネタバレ書評)

<ネタバレあらすじ>

冒頭、3組の事件が語られる。
それぞれ被害者も別、犯人も別である。
ただひとつ同じなのは犯罪が行われた場所が同じであるということ。

その場所へメルカトル鮎と美袋が現われた。
しかし、冒頭の事件はまだ起こっていないようだ。
メルカトルはある依頼に基づき教団へ潜入しに来たと言う。

嫌な予感が読者の脳裏を過るが、案の定、殺人事件が発生。
しかし、この殺人は冒頭発生したいずれの事件にも該当しない。

やがて、メルカトルは発生した殺人事件の犯人を指摘する。
それは「これから発生する第2の事件の被害者が判明した時点で初めて犯人が明らかになる」とのとんでもない推理だった。
しかも、その第2の事件の被害者候補は3人。
つまり、犯人候補もそれに応じて3人存在するのだ。

これが冒頭の殺人事件を指していた。

犯人を断定するべく傍観を決め込むメルカトル。
被害者が出ることを知りながら放置するメルカトルに憤る美袋。
自分が止めて見せると意気込むが……。

だが、メルカトルから犯人が拳銃を所持していることを聞かされた美袋は意気消沈。
メルカトルに同意し自室に籠るのだった―――エンド。

「収束」が掲載された「メフィスト 2010 VOL.3 (講談社ノベルス)」です!!
メフィスト 2010 VOL.3 (講談社ノベルス)






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