<あらすじ>
江戸時代、18世紀の京都で活躍した画家・伊藤若冲の幻の名画「松樹番鶏図」を100年ぶりに発見し、若冲展を企画していた向井美術館に盗難予告の葉書が来た。
内覧会当日、京都府警三条署の刑事・白石亜子(南野陽子)たちが警戒を強めているところに、「贋作が飾られています」とのメモが寄せられる。
メモの送り主は浦沢右(財前直見)。大学の非常勤講師で、美術品を扱う事件で警察に協力する須藤教授(寺田農)の代わりとしてやってきた。右は、老舗の浦沢骨董店の一人娘で、幼いころから美術品に親しみ、店主で母親の曜子(藤村志保)に勝るとも劣らない目利きだった。贋作は精緻を極めたものだったが、右の指摘で、美術館の向井館長(宅麻伸)は、学芸員の小和田(松本明子)に展覧会中止の指示をする。そんな折、アパートで男の死体が見つかり、向井美術館の防犯カメラが捉えた男と同一人物だと判明するが、男の部屋からは「松樹番鶏図」は見つからない・・・。
(NHK公式HPより)
では、続きから(重複アリ)……。
向井美術館館長・向井が海外にて伊藤若冲の「松樹番鶏図」を発見、購入した。
向井館長の快挙は褒めそやされ、国内での展示が実施されることに。
そんな中、盗難を示唆する予告状が届き京都府警三条署の白石亜子が警備にあたる。
何事も起こらないかと思われたが、内覧会当日、招待された須藤教授の代理・浦沢右から「贋作が飾られています」との指摘がメモで為される。
右のメモを見た向井館長は慌てて「松樹番鶏図」のコーナーへ。
そこに展示されている「松樹番鶏図」を見て慌てふためく向井館長。
それもその筈、そこにあった「松樹番鶏図」は贋作だった……。
「松樹番鶏図」盗難が事件化し亜子は捜査に着手。
須藤教授の推薦で右もアドバイスを行うことに。
その頃、アパートで殺人事件が発生する。
被害者は黒沢亮二、元・向井美術館の警備員だと言う。
黒沢宅からは掛け軸が納められていたと思われる桐箱が発見されるものの肝心の「松樹番鶏図」は出てこない。
右の実力を疑う亜子は右の言葉に耳を貸さない。
そんな亜子に、右は絵がすり替えられたのは内覧会前日よりももっと前であると断言する。
聞き込みの結果、最近になって黒沢の金回りが良くなっていると判明。
亜子は黒沢のこともそうだが、犯人がわざわざ盗難予告を送りつけた意味を気にかける。
一方、右は須藤教授から教授と向井館長が論敵であると聞かされる。
にも関わらず、向井館長は内覧会に教授を招待した?
不思議に思う右は学芸員の小和田から向井について話を聞く。
小和田は「(松樹番鶏図を)見詰める為だけに生まれてきたみたい」と呟くが……。
右の言葉を気にかけた亜子は、右の実家「浦沢骨董店」を訪れる。
なぜ、盗難が内覧会前日よりも以前だと分かるのか?
尋ねる亜子に、理由を上げる右。
美術品の大敵となる「直射日光」と「湿気」。
黒沢がすり替えたとみられる内覧会前日は大雨だった。
「松樹番鶏図」を盗むならばその日は避ける筈だ。
右は犯人の狙いが「黒沢が『松樹番鶏図』を盗んだと思わせることにあるのでは」と指摘する。
この指摘に犯人に思い当たる亜子。
右と亜子は向井館長に詰め寄る。
右のメモには「贋作が飾られています」としか記載が無かったにも関わらず、何故、「松樹番鶏図」だと分かったのか?
もともと向井館長が入手したとされる「松樹番鶏図」自体が贋作だったのではないか?
贋作の可能性が高いことに気付いたので、須藤教授を招き「松樹番鶏図」の真贋を確かめさせようとしたではないか?
当初はシラをきる向井館長だったが……。
盗難予告の葉書、その切手の裏側から検出された指紋が向井館長のものと一致。
動かぬ証拠となった。
向井館長は血を吐くような思いで「松樹番鶏図」の贋作を掴まされたことを語る。
本来、「松樹番鶏図」の贋作は経費が必要以上にかかる為「リスクはあってもメリットがない」行為だった。
その先入観から贋作の疑惑があったものの購入してしまったらしい。
亜子は黒沢殺害についても追及。
しかし、向井館長は黒沢殺害については否定する。
それどころか、黒沢自体を知らなかった。
そこへ贋作の「松樹番鶏図」が盗難されたと報せが……。
「松樹番鶏図」が贋作だとした場合、立場を失うのは向井館長だけでは無かったのだ。
動機を持つ人物はもう1人居たのである。
そう、学芸員の小和田だった。
小和田宅から黒沢殺害の凶器が発見。
小和田による黒沢殺害が明らかになり、行方をくらました小和田を捜す亜子たち。
騒然とする中、須藤から右へ電話がかかる。
それによれば小和田から「向井の購入した『松樹番鶏図』は本物だった。その本物を盗んだの自分だ」と連絡してきたらしい。
右の脳裏に小和田の言葉が甦る。
「見詰める為だけに生まれてきたみたい」
そう、小和田は向井館長を人知れず愛しており彼を庇う為に今回の犯行を行ったのだ。
向井館長はハガキでの盗難騒動を。
小和田は愛する向井館長を救うため黒沢による盗難騒動を。
互いにそれと知らず仕組んでいたのだった。
向井の記憶を頼りに小和田の居場所を捜す亜子。
ギリギリで自殺しようとしていた小和田を助ける。
小和田は向井館長が自身のミス(贋作)を認めたことを聞くとがっくりと膝を落とすのだった。
亜子はリスクに見合ったメリットが無い「松樹番鶏図」の贋作者の狙いに興味を持つ。
右は「美術品を蒐集するのは権力者に限られており、それに一矢報いたいのでは」と述べる。
その言葉に肩を竦め歩み去る亜子。
亜子と別れた右に不審な男性から電話が。
男によれば右を追いパリからやって来たという。
しかも、この男こそは贋作「松樹番鶏図」の作者だった。
男は電話口で右がパリでの仕事を失ったのも自身の仕業であると匂わせると共に今後の対決を予告するのだった―――1話了。
<感想>
全体的に淡々とした美術品の様なドラマとの印象。
財前直美さん演じる浦沢右が飄々としたイイ感じ。
南野洋子さん演じる白石亜子も毅然としてイイ感じです。
ミステリとしては「贋作指摘メモのロジック(何故、贋作が「松樹番鶏図」だと分かったか?)」と「二人の犯人」が意外性があり良かった。
特に「賢者の贈り物」的な「二人の犯人」トリックは良かった。
黒沢を盗難犯と思わせる捨てトリック(厳密にはコレも小和田犯人説の伏線)も効果大でしたね。
ストーリー的には、小和田の向井への秘めたる恋心もなかなかでした。
正直、その前段階の「向井以外にも立場を失う人物がいる=小和田」との動機の方が個人的には好みですが、物語性を充実させる為にはこちらの方が良かったと思われます。
次回以降に宿敵となる男性キャラクターの存在も窺われ、今後は燃える展開になりそうかな?
1話に関しては、多少展開が早過ぎたきらいが無きにしも非ずですが今後に期待できるドラマだと思います。
欲を言えば、もう少しパンチ(濃さ?)があってもイイかも。
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「フェイク〜京都美術事件絵巻」公式HP(NHK公式HP)
http://www.nhk.or.jp/drama/fake/
・「フェイク〜京都美術事件絵巻」公式ブログ(NHK公式ブログ)
http://www.nhk.or.jp/drama-blog/1060/68832.html
◆関連過去記事
・2011年1月4日からスタートされるNHKドラマ10は「フェイク 京都美術事件絵巻」に決定!!脚本は「相棒」や「科捜研の女」で知られる岩下悠子先生に!!
こちらもフェイク!!
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