2011年01月28日

「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第29話ネタバレ批評(レビュー)

「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第29話ネタバレ批評(レビュー)です!!

三億円事件奇譚 モンタージュ1


登場人物一覧:

【現代】

鳴海大和:主人公、三億円事件の犯人の息子と呼ばれるが……
小田切未来:大和の幼馴染み、両親の行方不明後は大和と共に逃亡中

鳴海鉄也:大和の父、五つの首(首、手首、足首)を失くした遺体で発見されるが……
未来の両親:突然姿を消した。関口が行方を知っているらしい……。

鈴木泰成:未来の両親の後輩、要所要所にて不穏な動きを見せるが……
水原:福岡県警所属の巡査。上司曰く「検挙率100%男」。15話より登場。
夏実:泰成の塾の教え子。大和に一目ぼれする。現在は水原と行動を共にしている?14話より登場。

関口:元祖悪徳警官、眼鏡の男の命令に従い大和と未来を追う
眼鏡男:関口に指示を与えている男

沢田幹事長:19話で登場、謎の男を従えているが……
謎の男:シルエットのみ登場した沢田の腹心。実はキーマン?

森田:1話にて関口と共に現われた捜査員。以降、本編に出番なし。
血塗れの男性:元刑事、1話にて殺害される。これは関口の犯行だった
ボート小屋のオヤジ:軍艦島付近でボート小屋を営んでいた。6話で関口に殺害され、この殺人容疑が大和と未来にかかっている。
土居:18話に登場。ミステリ作家兼コメンテーター。三億円を信じていなかった。
島田:5話より登場。関口の部下だったが、19話で失態を犯し関口に処刑された。

【三億円事件当時】

川崎雄大:22話より登場。三億円事件では白バイ警官役を演じたらしい。和子との間に一子をもうける。
望月竜:23話(22話は名前のみ)より登場。雄大と共に三億円事件を実行した。
響子ギブソン:竜の恋人。竜と共に土門への対策を練っていた。
土門:地元の顔役(地廻り)。竜と対立するが……
東海林:25話より登場。土門を追う刑事。雄大の機智に興味を?
沢田慎之介:26話より登場。竜の顔馴染み&雄大の友人、日本の行く末を憂慮していた。28話にて後の幹事長と判明。
横溝:26話より登場。竜の後輩。
和子:27話より登場。雄大と交際中の女性。雄大との子供を妊娠するも事故死。
和子の子供:28話に登場。雄大と和子の子供。未熟児で生まれた。現代篇の誰になるのか?

<第29話あらすじ>

某所に潜伏している大和、未来、泰成。
大和たちは泰成と今後について相談することに。
泰成は大和の旧紙幣ばら撒き作戦を褒め称え、大和は関口の裏に黒幕が潜んでいることを看破する。
未来はこの大和の推理を受けて「大和の父が三億円事件の犯人ではありえない」と考えるが……。

一方、大和には今後についての具体的なプランがあるようだ。
しかし、泰成を警戒する大和は自身が隠し持つ旧幣500円札については伏せる。
しかも、大和は泰成が自分たちに発信機を付けていたことについても追及を避ける。
大和にとって泰成は、潜在敵であるものの当面の敵では無いとの認識らしい。
その頃、未来は不安に駆られていた―――。

翌朝、朝食をとる大和、未来、泰成。
未来が寝不足であることに気付いた大和は心配するが、福岡のホテルでの急接近の件もありどこかよそよそしい。
そんな二人の様子をからかう泰成。

ひとしきり盛り上がる大和たちの目に意外なニュースが飛び込んで来る。
それは、大和の預かり知らぬ所で旧紙幣が送りつけられたとの報道だった。
思いも寄らぬ報に驚愕する大和―――29話に続く。

<感想>

最初に、管理人からとある読み違いについてご報告。

28話ネタバレ批評(レビュー)にて和子が大和の母に違いないとしましたが、よくよく考えるとありえないと気付きました。
作中の年代と大和の年齢が合わないので、これは無理です。
つまり、和子と雄大の間の未熟児が誰なのかはまだ分かりません。

それにしても、やっちゃいましたね……テヘッ。
へへっへっへっへっ……(乾いた笑い)。
ここについては笑って流して頂いて……では、気を取り直して29話批評(レビュー)を。

一気に伏線を絞り込んで来ましたね。
29話で読者が注目すべきポイントが明確化されると共に幾分整理されました。
とりあえずポイントは次の5つ。

@関口には黒幕が居る。大和の推理では黒幕は「三億円事件の犯人」!!

大和の推理が正しければ、黒幕は沢田&雄大になりますが……。
果たして?

A大和の父が三億円事件の犯人ではありえない!?

未来の台詞で語られました。
ただ、これだと1話の死亡した刑事が遺した「お前の父親が三億円事件の犯人だ」が合わなくなる。
そもそも雄大が三億円事件の犯人だとして和子との間の子供が大和では年齢が合わない。
したがって、和子の子供は別の誰かの筈だが……。
過去篇の年代から考えて和子と雄大の子供が鉄也ならば可能!?
でも、やっぱり1話の刑事の言葉に反するし。
1話の刑事の言葉を成立させるには、大和が雄大(鉄也?)の遅めの子供しか説明がつかないか。
まだ何かあるのかも……。


2011年1月30日訂正
シンさんより未来の発言についてご助言を頂きました。

「鉄也が三億円事件の犯人ではない」との未来の発言に関する解釈は次の通りです。

未来の中では「(1話の刑事の言葉から)三億円事件の犯人=鉄也」。
     ↓
大和の「関口の背後に居る黒幕は三億円事件の犯人」との発言。
     ↓
「黒幕=三億円事件の犯人」だが「三億円事件の犯人である筈の鉄也は現時点で故人」。
     ↓
したがって、「鉄也は黒幕では無い上に三億円事件の犯人でもない」と未来は考えた。

そういえば、このすぐ後に1話の殺された刑事についてシーン回想が入っていました(「お前の父親が三億円事件の犯人だ」のシーン)。

したがって「鉄也が犯人じゃない」は未来がこう考えたとのモノなので絶対とは言えない情報のようです。

それにしても、あくまで作中の未来の立場で考えなければいけなかったんですね。
改めて。シンさん、ありがとうございます<(_ _)>。

B旧紙幣五百円札の秘密とは?

事件の首謀者が血眼になって追うということは犯人を指し示す何かが隠されている筈。
おそらく首謀者の指紋が残されているのか?
血塗れの旧紙幣については犯人グループ内での内紛の描写があったのでその際のものだろう。

C泰成の正体は?

三億円を追っているが大和たちから奪うでも無いところをみると現金よりも関口の背後の人間に対する復讐か?
関口によれば泰成の身許はなかなか興味深いものらしいので、犯人グループの内紛時に死亡した誰かの関係者か?
少なくとも関口とは対立する立場らしい。

D大和の預かり知らぬ旧紙幣送付事件の犯人は?

大和たちを炙り出す為の関口の策か?
あるいは大和たちの目的を無効化する意味合いかもしれない。
ひょっとすると、この後に送付事件の犯人として都合のよい誰かを自首させて大和の狙いを挫く可能性もある。
とりあえず、泰成は無さそう。

こんなところかな。
まだまだ謎は多い……。

逃亡し続けている大和と未来の明日はどっちだ!!
30話に期待です!!

◆関連過去記事
「ヤングマガジン27号」(講談社刊)より「三億円事件奇譚 モンタージュ」連載開始!!

「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第1話から20話までまとめ
(各話レビューへのリンクです)

「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第21話ネタバレ批評(レビュー)

「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第22話ネタバレ批評(レビュー)

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「講談社ヤングマガジン」にて連載中の「三億円事件奇譚 モンタージュ」第24話ネタバレ批評(レビュー)

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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、いつも楽しく拝見させていただいてます。
自分もこの漫画のファンなのですが、今回のレビューを読んでおもわず書きこんでしまいました!
これは作者がいけないとおもうんですが・・
ミクの発言で「ヤマトのお父さんは犯人じゃない?」とありましたが、これは すでに死んでいる鉄也が、現在の関口の後ろの真犯人にはなり得ない・・と言う事ではないでしょうか。
第一話で2004年に鉄也は54歳とありましたので、十分 犯人になり得るはずです。

生意気発言と長文失礼しました。
これからもがんばってください!
Posted by シン at 2011年01月28日 23:36
Re:シンさん

コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!

なるほど、分かりました!!
確かにそれだと納得いきます!!

流れだとこんな感じになるのかな?

未来の中では「三億円事件の犯人=鉄也」。
     ↓
大和の「関口の背後に居る黒幕は三億円事件の犯人」との発言。
     ↓
「黒幕=三億円事件の犯人」だが「三億円事件の犯人である筈の鉄也は故人」。
     ↓
したがって、「鉄也は黒幕では無い上に三億円事件の犯人でもない」と未来は考えた。

あくまで、作中の未来の立場で考えなければいけなかったんですね。
管理人には、この視点がポッカリ抜けていたようです。
お恥ずかしい……。

でも、これでスッキリしました。
早速、訂正することにします(^o^)/。
危うく迷宮に迷い込むところでした。
ありがとうございます。

管理人のレビューは、「モンタージュ」の良さを少しでも伝え、この作品を知る人が一人でも増えればと思って続けてます。
こちらこそ、今後とも宜しくお願いしますね<(_ _)>。
Posted by 俺 at 2011年01月30日 00:21
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