2011年02月22日

「湖岸の盲点〜小此木鶯太郎の事件簿〜」配信第14話・解答編5話(最終話・最終回)(2月10日分)ネタバレ批評(レビュー)

ガンガンONLINEにて連載中の「湖岸の盲点〜小此木鶯太郎の事件簿〜」配信第14話・解答編5話(最終話・最終回)(2月10日分)ネタバレ批評(レビュー)です。

小此木鶯太郎の事件簿
「主人公・小此木鶯太郎」


実は管理人は「湖岸の盲点」ゲーム版を知りません。
なので初「湖岸の盲点」になります。
既知の方にとって不要な情報や、変な情報を盛り込むかもしれませんが笑って許して下さいね。

登場人物一覧:

・小此木 鶯太郎(おこのぎ おうたろう)
男性。「湖岸の盲点」主人公。
捜査一課警部補。コミックでは若い古畑っぽい。

・芦国 暁人(あしくに あきひと)
男性。ペンション綾淵亭管理人。
加害者。
加々美湖をこよなく愛する人物、それゆえに殺人を犯すことに……。

・犬塚伊作(いぬづか いさく)
男性。犬塚リゾート開発社長。
被害者。

・宇山うらら(うやま うらら)
女性。魚田スポーツクラブインストラクター。
芦国に興味がある様子。

1、2、3、4、5&6、7、8、9、10、11、12、13、14話はカテゴリかタグ「湖岸の盲点」よりどうぞ。
では、本編を……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(前回まで)
第1話:犬塚殺害計画の下準備を終えた芦国。
第2話:ついに計画を実行し、犬塚を殺害する―――。
第3話:そこへやって来た刑事・小此木鶯太郎、芦国と対峙する。
第4話:小此木VS芦国(1)
第5話:小此木VS芦国(2)
第6話:小此木VS芦国(3)
第7話:小此木VS芦国(4)
第8話:小此木VS芦国(5)
第9話:小此木VS芦国(6)問題編完結
第10話(解答編1話):遂に解答編開始
第11話(解答編2話):6つのミス……1つ目は“懐中電灯”!!
第12話(解答編3話):2つ目は“犬塚の足跡がない”、3つ目は“芦国の足跡がない”!!
第13話(解答編4話):4つ目は“カヌーに残った芦国の足跡”!!

第14話(解答編5話、最終話、最終回)「完結」

追い込まれた芦国。
犬塚の死に関与したことは認めてしまい殺人ではなく事故だったと誤魔化すべきかどうか計算を巡らせる。

そんな中、小此木の発した一言が芦国の思考を停止させる。
「人を殺す為に湖を汚すなんて……」
芦国の動機は加々美湖を守る為、その加々美湖を汚す筈がない。
憤る芦国だったが……。

小此木から足跡を残す為に撒いたガソリンを指摘され、凍りつく。
そう、湖を愛する芦国ならばガソリンをそのままになどしない筈。
それは芦国自身が全く意識していない歪みだった。

湖を守る為に殺人を犯した筈の芦国が当の殺人の為に湖を汚した。
この本末転倒にショックを受けた芦国は自身の犯行を認める。

他にミスがあったか小此木に確認する芦国。
小此木によればもうひとつだけあったと言う。
それは、犬塚の足跡の場所を誰に聞くともなく知っていたこと。
捜査関係者か犬塚本人、あるいは犯人以外知りえない情報だったのだ。

敗北するべくして負けたことを察した芦国は、逮捕までの猶予を小此木に問う。
1日だけ猶予を与える小此木に感謝する芦国。
そこで、小此木の優しさに気付く。
改めて自身の目が曇っていたことに思い至った芦国は、罪を償った後に再び加々美湖を守ろうと決意するのだった。

小此木と二人、湖へと向かう芦国。
その途中、証拠のガソリンが掃除されていたことで自身の加々美湖への想いを汲んだ小此木に感謝。
小此木が捜査員だったことを喜ぶと共に加々美湖へは自身の再起を尋ねる。
そんな芦国に風で答える加々美湖。

「ありがとう……」
芦国は歓喜の涙を流すのだった―――エンド。

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解決編第5話、ついに最終話(最終回)です。
今回は全54ページ中、本編は51ページ。

いい最終回でした。
前回からの急なページ数増は今回の最終回に向けてだったんですね。

これまでの小此木の緩やかな追及の理由も明らかにされました。
犯人である芦国に配慮した小此木の優しさだったんですね。
不満点もコレで解消です。

6つのミスについても最終回で2つ指摘されていたので前回までの4つに加えてコレで全て回収終了です。

芦国の犯した6つのミスは次のものになります。
ちなみに、()内は指摘された話数です。

@夜間にも関わらず、犬塚が懐中電灯を使用していなかったこと(解答編2話)。
A小屋付近で置き石した筈の犬塚の足跡が無かったこと(解答編3話)。
B湖岸でゴミを拾った筈の芦国の足跡が無かったこと(解答編3話)。
Cカヌーにて、犬塚の足跡の上から芦国の足跡が残されていたこと(解答編4話)。
D加々美湖を何より愛する芦国がガソリンという汚れを放置していたこと(解答編5話)。
E事件関係者以外知りえない犬塚の足跡の位置を芦国が知っていたこと(解答編5話)。

とりあえず、これまでの管理人の推理と照らし合わせると@、B、D、Eは正解したので3分の2程度の正解率でした。

意外だったのはAとC。
なるほど、其処があったかと膝を打ちました。

さて、1年3カ月に及んだ「湖岸の盲点」の連載もコレにて最終回。
全ての伏線を回収し終えた良い最終回でした。

ひとつ難があるとすれば連載期間が長過ぎたことか。
週刊ペースならば全14話も問題ありませんが、月刊でひとつの事件を続けるのは難しかったのかもしれません。
なにしろ、興味や面白さが持続しづらいので。

特に倒叙ものとなれば、一番注目される山場が最初(計画的犯行)と最後(探偵役による指摘)に分断されるのでコレを一年以上という期間を置いてやってしまったことは作品にとって不利だったかな……と。
これが犯人当てならば被害者の人数や展開によって山場を置けるので事情は別だったのでしょうが……。
この点が惜しかったかなと悔やまれます。

とはいえ、楽しめたのは事実。
「小此木鶯太郎シリーズ」には続編「三つの謎宮」なども存在するのでそちらも是非コミカライズして貰いたいと思いつつ、コミック版「湖岸の盲点」については筆を置かせて頂きます。

原作の小野堂天乃介先生、作画の葉山せり先生お疲れさまでした。
面白い作品をありがとうございました。

そうそう、大事なことをお伝えし忘れていました。
2011年3月22日には解答編がコミックスで発売予定だそうです。
本記事下部にアマゾンさんへのリンクを用意しているので興味のある方はどうぞ!!
2010年11月22日に発売された「湖岸の盲点」問題編と合わせれば楽しさも倍増する筈!!

◆関連過去記事
・「湖岸の盲点」続編「三つの謎宮」についてはこちら。
「湖岸の盲点」で知られる「安楽椅子犯人」さんより新たな挑戦状が!!その名は「三つの謎宮」!!

◆関連各サイト様はこちら(外部サイトに繋がります)。
・安楽椅子犯人さん公式HPです。
http://hannin-a.sakura.ne.jp/

・安楽椅子犯人さん公式ブログです。
http://d.hatena.ne.jp/anrakuisu_hannin/20100204/1265292895

・漫画「湖岸の盲点」が連載されているガンガンONLINEさんです。
http://www.square-enix.com/jp/magazine/ganganonline/

2011年3月22日発売予定「湖岸の盲点~~小此木鶯太郎の事件簿~ 解答編(完) (ガンガンコミックスONLINE)」です!!
湖岸の盲点~~小此木鶯太郎の事件簿~ 解答編(完) (ガンガンコミックスONLINE)





2010年11月22日発売された「湖岸の盲点(1)(ガンガンコミックスONLINE)」です!!
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