ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
ススキノのいつものバーで呑んでいた俺は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。疑問を感じながらも依頼を果たしたのだが、その帰り道、何者かによって殺されそうになる。しかも、電話の女と同じ名前の人間が、すでに死んでいるという。俺を悩ませる女の正体とは?
新感覚ハードボイルド第二弾
(早川書房公式HPより)
<感想>
東直己先生「ススキノ探偵シリーズ」2作目。
大泉洋さん主演で「探偵はBARにいる」として映画化される予定。
・東直己先生「ススキノ探偵シリーズ」が映画化!!「探偵はBARにいる」が制作決定、主演は大泉洋さんに。
「ススキノ探偵シリーズ」をご存知ない方の為に説明すると(かくいう管理人も詳しくはありませんが)……
シリーズは2011年現在までに11作。
タイトル、出版社、出版年度は次の通り。
「探偵はバーにいる」(早川書房、1992年)
「バーにかかってきた電話」(早川書房、1993年)
「消えた少年」(早川書房、1994年)
「向う端にすわった男」(早川書房、1996年)
「探偵はひとりぼっち」(早川書房、1998年)
「探偵は吹雪の果てに」(早川書房、2001年)
「駆けてきた少女」(早川書房、2004年)
「ライト・グッドバイ」(早川書房、2005年)
「探偵、暁に走る」(早川書房、2007年)
「旧友は春に帰る」(早川書房、2009年)
「半端者」(早川書房、2011年)
さて、本作。
ハードボイルドですね。
管理人は本作をシリーズで初めて読む事になったのですが、なかなかでした。
映画化されるとすれば、完成度は楽しみな物になりそうです。
<ネタバレあらすじ>
ススキノのいつものバーで呑んでいた俺。
見知らぬ女・京子から電話で受けた奇妙な依頼を達成したところ、何者かによって殺されそうになる。
しかも、当の京子は放火により既に死んでいた。
こうして珍妙な事件に巻き込まれた俺は、乗りかかった舟とばかりに事件の真相を追及することに。
やがて、沙織という女性の存在が浮上する。
沙織は死亡した雑誌編集長・霧島の恋人。
しかも、霧島の死には不穏な影が……。
京子の死、霧島の死……たちこめる怪しい匂い。
そして、近々沙織と結婚すると言う岩淵の息子。
岩淵は大物で霧島とも対立していたらしい。
沙織は恋人の仇と結婚することになるが……。
矢先、岩淵と繋がる刈田が射殺死体で発見される。
刈田は霧島殺害に関与していた。
沙織と岩淵の息子の披露宴当日。
数々の妨害を退けつつ俺が掴んだ真相の正体は苦いものだった。
過去、利権を巡り岩淵は人を使って放火。
結果、巻き込まれた霧島の娘・京子が焼死してしまう。
疎遠になっていたとはいえ娘を殺害された霧島は岩淵を告発しようと決意。
だが、それを岩淵に知られ謀殺されてしまう。
この際、岩淵の命を受けたのが南と刈田だった。
京子の名を名乗り俺に電話で依頼して来たのは沙織。
沙織は無念の死を遂げた恋人・霧島の仇を討とうと決断。
仇の正体を突き止めるべく仇の首謀者と判明していた岩淵の息子に接近。
南と刈田の存在を知り、仇かどうか確認する為に俺に依頼したのだった。
そこで、刈田たちが仇であることを確信し、刈田を殺害した。
凶器の拳銃は当の刈田から購入したものだった。
刈田はその際にも自分が殺されるとも知らず相場の数倍の値段を吹っ掛けたと言う。
相当の悪人だった。
刈田を殺害したものの、残りの仇のうち南はなかなか居所が掴めない。
そこで、岩淵の息子との披露宴会場で客としてやって来る南と岩淵に復讐しようと決めていたのだ。
しかも、岩淵本人を殺害するよりもその息子を殺害し苦痛を与えるつもりらしい。
これらのことを沙織の手紙で知った俺は慌てて披露宴会場へ出向くものの、すべては遅かった。
沙織はお色直し後に小さなポーチを手に参加。
キャンドルサービスの際に南に近付くとポーチに潜ませていた拳銃で射殺。
顔を一発だった。
直後、驚く岩淵の目の前でその息子―――つまりは新郎を、すぐには死なないように腹をめがけて数発撃ち込むと、自殺していた。
岩淵の息子は病院に搬送されたが、助からないらしい。
小口径の銃で腹部に数発撃ち込まれたことで、悶え苦しみ死ぬことになるらしい。
そして、岩淵本人はショックのあまり、倒れたそうだ。
こうして、沙織の復讐は成ったのだった。
俺の心に冷たい風を遺して―――エンド。
・日曜洋画劇場「新作公開!特別企画 探偵はBARにいる ススキノ探偵初登場 4つの事件を結ぶ女!!話題作!地上波初放送」(5月12日放送)ネタバレ批評(レビュー)
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