2011年03月27日

「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)

「ねじれた家」(アガサ・クリスティ著、早川書房刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

ねじれた家に住む心のねじれた老人が毒殺された。根性の曲がった家族と巨額の財産を遺して。内部の者の犯行と思われ、若い後妻、金に窮していた長男などが疑心暗鬼の目を向け合う。そんななか、恐るべき第二の事件が……マザー・グースを巧みに組み入れ、独特の不気味さを醸し出す童謡殺人。(解説 末國善己)
(早川書房公式HPより)


<感想>

作者であるアガサ・クリスティ自身が「無実はさいなむ」と共に自らの最高傑作と述べた作品です。
ただし、管理人的にはそれほどでもないかな……との印象です。
まぁ、現代の感覚で読んでいるためかもしれませんが。

この作品の特徴は「意外な犯人」……その一点に尽きます。
むしろ、それしかないと言い換えてもいい。
「忌むべき血」などもテーマとして盛り込まれていますが、あまり効果を発揮しているようには思えませんでした。
管理人的には、「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」、「オリエント急行の殺人」の方がそれぞれ特徴的で好きです。

ちなみに本作は映画化されるそうです。

スタッフには、「ゴスフォード・パーク」でアカデミー賞脚本賞を受賞したジュリアン・フェローズ。
監督には、ニール・ラビュートを迎えるとのこと。
2011年3月時点ではキャストは不明。

詳細は下記過去記事よりどうぞ!!

アガサ・クリスティ原作「ねじれた家(Crooked House)」が映画化!!

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
チャールズ:主人公、外交官でソフィアの恋人。
ソフィア:チャールズの恋人でアリスタイドの孫。
アリスタイド:ソフィアの祖父、大金持ち。
エディス:アリスタイドの義姉。
ジョセフィン:ソフィアの妹。幼い子供。

アリスタイドが毒殺された。
アリスタイドの孫であるソフィアとその恋人・チャールズは事件に巻き込まれることに。

犯人を知る素振りを見せたソフィアの幼い妹・ジョセフィンが大怪我を負う中で、警察はアリスタイド殺害犯と思われる容疑者を逮捕。
事件は終わったかに思えたが……。

ジョセフィンが退院した直後、今度はジョセフィンの飲み物に混入された毒物でばあやが殺害されてしまう。

一体、犯人は誰なのか?
狙われているのはジョセフィンなのか?

チャールズとソフィアが警戒する中で、遠出に出かけたアリスタイドの義姉・エディスとジョセフィンが事故死する。
遂に殺人者の魔の手が目的を遂げたのか?

しかし、エディスの遺書が発見されたことで事態は急展開を迎える。
そこにはアリスタイドとばあやを殺害したのは自分だと記されていた。
エディスとジョセフィンの死は事故では無く、無理心中だったのである。

しかし、真相は違っていた。
もう一通残されたチャールズ宛の遺書には恐ろしい真実が記されていた。
真犯人はジョセフィンだったのである。

ジョセフィンの残虐性を見抜いていたアリスタイドはジョセフィンを護るべく屋外に出さないように監視した。
しかし、バレエに通いたかったジョセフィンはそれに反発。
遊び感覚でアリスタイドを毒殺してしまう。

その後、同じ遊び感覚で事件を盛り上げる為に自身に怪我を負わせる。
ところが、思ったより傷が重く入院。
退院してみると事件は犯人を逮捕し無事解決してしまっていた……もちろん、誤認逮捕だったが。

事件が終わり意気消沈していたが、これでバレエを習うことが出来ると気を取り直したところで、ばあやが反対。
どうやら、ばあやは事の真相に気付いていたらしい。
そこで、ばあやが飲む事を見越して自身のカップに毒を投入。
ばあやを毒殺したのだった。

エディスも真相に気付き、ジョセフィンの将来を悲観した彼女は病気で余命幾許もないことから、ジョセフィンを道連れに心中を図ったのだった。

ジョセフィンと同じ血が流れていることに恐怖するソフィアだったが、チャールズはジョセフィンの本性を見抜いたアリスタイドが生前にソフィアを評価していたことを挙げジョセフィンとソフィアは別の人間であるとして、結婚を申し込むのだった―――エンド。

◆関連過去記事

【書評(レビュー)】
・「ホロー荘の殺人」ネタバレ書評(レビュー)
「ホロー荘の殺人」(アガサ・クリスティー著、中村能三訳、早川書房刊)

・ポアロシリーズ最終作「カーテン」ネタバレ書評(レビュー)はこちらから。
「カーテン」(アガサ・クリスティー著・中村能三訳 、ハヤカワ書房刊)

【イベントその他】
アガサ・クリスティー生誕120年展覧会開催中!!

早川書房、アガサ・クリスティー賞を新設!!

金沢にてアガサ・クリスティー原作「検察側の証人」舞台上演決定!!

舞台「検察側の証人」東京公演決定!!

「名探偵ポワロ」ニュー・シーズン DVD-BOX3は2010年12月3日発売開始!!

アガサ・クリスティ「ポアロにうんざり」発言にファン「え〜〜〜っ!!」と叫ぶ

「ザ・リッツ・カールトン大阪」にて「アガサ・クリスティー ナイト」開催!!

【注目】「アガサ・クリスティ大事典」が話題に

「名探偵ポワロ DVDコレクション」刊行中!!

第1回「アガサ・クリスティー賞」募集締め切られる!!果たして状況は!?

映画原作「ねじれた家」です!!
ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)






「無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)





アガサ・クリスティーを語るには下記の3作は必須!!
是非、この機会に一読を!!

「そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)





「アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)





「オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」です!!
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)



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