2011年04月11日

土曜ワイド劇場「おとり捜査官北見志穂 口をふさがれた美女連続殺人!似合わない白いハイヒールを履いた美女の謎」(4月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「おとり捜査官北見志穂 口をふさがれた美女連続殺人!似合わない白いハイヒールを履いた美女の謎」(4月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

おとり捜査官北見志穂1
「写真は前作より」


北見志穂(松下由樹)は、警視庁捜査一課の刑事。自ら“おとり”となって事件の渦中に飛び込み、同僚の袴田刑事(蟹江敬三)の協力を仰ぎながら、数々の難事件を解決してきた。 
女子大生殺害事件の容疑者を無事逮捕した夜、志穂は帰宅途中に突然、見知らぬ女性に話しかけられる。彼女は“トップアシスト”という転職斡旋会社の社員・矢口冴子(須藤理彩)だと名乗り、志穂にヘッドハンティングを持ちかけた。「大手警備会社が人材を捜している、あなたなら適任だ」というのだ。なぜ自分に白羽の矢が立ったのか、志穂は不思議に思う。
その数日後、外資系の投資会社に勤めるOL・吉川弥生(大竹一重)の刺殺体が工場で発見された。彼女はトップアシストのヘッドハンティングで1年前に転職したばかりだった。
被害者の口には粘着テープが貼られていたが、貼りつけられたのは死後だと判明。騒ぐのを止める目的ではないとしたら、いったいなぜ…!? まったく汚れの付着していない新品の白いフランス製のハイヒールを履いていたことも、志穂は気になった。被害者のマンションの下駄箱にはハイヒールが一足もなく、着ていた服ともそぐわない印象だったからだ。おそらく犯人が履かせたものではないだろうか、でも一体何のために…!?
トップアシストを訪ねた志穂は、社長の植草竜司(鶴見辰吾)の顔を見てアッと気づく。数日前、志穂が女子大生殺害事件のときに検問でチェックした車のドライバーのひとりだったからだ。実は、植草がそのとき志穂の仕事ぶりを見て感心し、冴子にヘッドハンティングするよう持ちかけたのだという。
一方、袴田は12年前、今回の弥生の事件によく似た殺人事件があったことを思い出していた。実は、当時の事件の関係者である元整形外科医の加藤正俊(榎木孝明)の姿を、弥生の勤務先の前で見かけたのだ。
その事件とは、資産家の女性が整形外科医院のリハビリ療法士・柳本宏(真島公平)に刺殺されたもので、柳本は死者の口に絆創膏を貼っていたのだ。事件の発端は、被害者が整形外科院長の加藤に文句をつけて訴訟を起こしたこと。加藤に一方的に心酔していた柳本が、彼女を殺害したのだが、被害者の死後にあえて絆創膏を貼ったのは加藤に暴言を吐いた口を封じたいという思いかららしかった。だが、犯人の柳本は袴田たちが追い詰めた直後、海に飛び込んで自殺していた。そして改めて調べてみると、何年も前に加藤は医者を廃業していたことがわかる。
その直後、やはりトップアシストのヘッドハンティングで転職した女性・小野寺奈美(杵鞭麻衣)が殺害される。同じく口には粘着テープが貼られ、また新品の白いフランス製のハイヒールを履かされていた…。
まもなく志穂は、弥生と奈美が同じ就職情報誌でインタビューを受けていたことを発見。記事を見て犯人がターゲットを選んでいるのかもしれないと分析を始めた直後、こんどはやはり同じ連載企画で過去にインタビューを受けていた通販会社の女性社長・坂井江津子(秋本奈緒美)が何者かに拉致されそうになる。彼女はトップアシストとは無関係ながらも、弥生と奈美と同様に転職することでキャリアアップに成功した人物だった。しかしながら、江津子は犯人の顔は見なかったと口を閉ざし、警護すら断る。不審に思った志穂と袴田は江津子を見張るが…!?
はたして転職で成功した女性ばかりを襲う一連の事件の真相は…!? そして死後に口に貼られた粘着テープや、真新しい白いハイヒールは一体何を意味しているのだろうか…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

被害者たちが皆、加藤のクレーマーだったことが判明。
容疑は加藤に向く……。

直後、冴子宅から被害者が履かされていたハイヒールの箱が見つかる。
こうして、容疑は冴子にも向けられるが……。

袴田は柳本が生きているのではないかと考え始める。
加藤はクレームの悩みをツイッターで呟いていた。
生きていた柳本がそのツイッターを見て標的を決めたのではと考えたのだ。

そんな中、志穂が何者かに拉致される。

志穂の危機を知った袴田は、ハイヒールの箱を仕掛けた人物が柳本だとするならば冴子宅に柳本が訪れていた筈だと考え指紋を調査する。
結果、冴子宅に残された吸殻から柳本の指紋が検出される。

冴子によれば、その煙草を吸ったのは社長の植草だった。
植草こそが整形し声まで変えた柳本だったのだ。
早速、植草の行方を追う袴田たち。

その頃、当の植草はクルーザー内に志穂を拘束し今にも殺害しようとしていた。
これまでの犯行もすべて植草の仕業だった。

植草こと柳本は加藤を信奉していた。
12年前、その加藤を悩ませるクレーマーを憎んだ柳本は密かに殺害してしまう。
しかし、袴田たちにばれたために逃亡。
その後、逃亡先の海外で本物の植草と出会い火事に乗じて死亡した植草と入替った。
加藤のことを心配していた柳本はこれを利用し帰国。
植草として転職斡旋会社「トップアシスト」を運営しつつ加藤を見守ったのだ。
現に女子大生殺害事件の検問の際にも、植草の前には加藤の車があった。
さらに、加藤が常連のバーのオーナーも植草だったのだ。
植草は加藤をずっとストーキングしていた!!

そこで、加藤のツイッターから加藤を悩ませるクレーマーの存在を知り、排除を決意。
植草として転職の話を持ち掛け接触し、隙を見て殺害していたのだ。

被害者が口を塞がれていたのは、加藤を煩わせたその口を塞ぐ為。
ハイヒールを履かせたのは、死後もクレームの原因となった外反母趾で苦しめばいいと考えた為だった。

今まさに植草に殺害されかける志穂。
そこへ、袴田が駆け付ける。
植草の携帯電話の電波を追跡し、居場所を発見したのだ。

何故か出航していなかったクルーザーに、次々と乗り込んで来る捜査員。
こうして、植草こと柳本は逮捕され事件は解決した。

数日後、袴田は自分が過去の事件できちんと柳本を逮捕出来ていればこんな事件は起きなかったと後悔する。
柳本が信奉していた加藤自身は、柳本の所為で多大な迷惑を被っており柳本を恨んでいたらしい。
利己的な献身で尽くす柳本の加藤への愛は、どこまでも不毛だったのだ。

いつになくしおらしい袴田に転職を薦める志穂。
志穂の憎まれ口に減らず口で対抗する袴田。
その顔は先ほどとは打って変わって笑顔に溢れていた―――エンド。

<感想>
土曜ワイド劇場「おとり捜査官北見志穂」シリーズ15作目。
前作「おとり捜査官北見志穂 獄中女に間違われた女刑事!」より実に8カ月ぶりの最新作となる。

土曜ワイド劇場「おとり捜査官北見志穂 獄中女に間違われた女刑事!銀行襲撃犯が殺される理由…消えた拳銃と2300万の謎」(8月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ドラマ本編はほぼいつもの通りだったので、不満はありません。

ひとつ気にかかったのは、志穂を殺害し海に沈めようとしていた筈の柳本のクルーザーが何故か接岸していたこと(普通、人を沈めようとするのならば沖合でしょう)ですが、このシリーズでは不思議と許せます。

まぁ、そんなこんなで結構楽しめました。
割と安定感のあるシリーズです。
15本目は伊達じゃない!!

ちなみにドラマ原作は「神狩り」で知られる山田正紀先生の「女囮捜査官(おとり捜査官)」シリーズ。
シリーズは「女囮捜査官 1 触覚」などのように「タイトル+五感」となっておりシリーズはきちんと5冊(触角、視覚、聴覚、嗅覚、味覚)発行されている。
もし仮に原作で次があるとすれば(ないだろうが)、「女囮捜査官 第6感(直感)」となるのだろうか?
あるいは「女囮捜査官 共感覚」かも……。

◆関連過去記事
・「共感覚」といえば思い浮かぶのはこれらの作品。
「臨床真理」(柚月裕子著、宝島社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「キョウカンカク」(天祢涼著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)

<キャスト>
北見志穂:松下由樹
袴田刑事:蟹江敬三
加藤正俊:榎木孝明
植草竜司:鶴見辰吾
矢口冴子:須藤理彩
坂井江津子:秋本奈緒美
井原主任:小木茂光
三上 勉:半田健人
佳代:赤座美代子
佐竹則子:長谷部香苗
江崎康一郎:草野康太
鈴木修造:沼田 爆
吉川弥生:大竹一重
小野寺奈美:杵鞭麻衣 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


「神狩り」で知られる山田正紀先生の「おとり捜査官 1 触覚 (朝日文庫)」です!!
おとり捜査官 1 触覚 (朝日文庫)





◆「おとり捜査官」シリーズ関連書籍です!!


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