<あらすじ>
作者が文章的に仕掛けた、読者の認識の錯誤を利用し、読後の衝撃を大きくする、“叙述トリック”というテクニック。アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』を筆頭に、探偵小説において何度となく使われてきたこのテクニックに焦点をあて、探偵小説における叙述トリックの必然性を描きだす。「本格ミステリ評論」を題材に行なった巽昌章、法月綸太郎との公開鼎談も収録した、十年にわたって雑誌連載し、三十回分ずつ単行本化されてきた評論の掉尾を飾る一冊。
(東京創元社公式HPより)
お分かりの通りテーマは叙述トリック。
男性だと思ったら女性だったり、時系列が前後していたり、登場キャラクターが全員人ではなかったりと、物語の可能性を広げているアレです。
反面、このトリックだと分かってしまえば面白さが減少してしまうものも多い両刃の剣です。
もちろん、再読に耐えうるものもありますが、このトリックを使用した作品の総数に比して限られて来る印象。
この叙述トリックを、小説に評論にと舞台を選ばない活躍を示す笠井潔先生が分析する……贅沢な本です。
しかも、叙述の例としてタイトルを上げるとそれだけでネタバレになります。
それをどう分析していくのか……興味が尽きません。
これは要注目でしょう!!
「探偵小説と叙述トリック ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?」は2011年4月28日、東京創元社さんより発売予定。
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