探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」（貫井徳郎著）第5＆6回配信分（4月18＆19日配信）ネタバレ批評（レビュー）

探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」（貫井徳郎著）第5＆6回配信分（4月18＆19日配信）ネタバレ批評（レビュー）です！！

登場人物一覧：
あたし：主人公、拓馬の妻
拓馬：あたしの夫
三木：拓馬の友人
ミホ：あたしが拓馬の携帯で見つけた名前

推理投票は2011年4月19日から！！

下記のあらすじについては「携帯で配信する」との「番組の意義」を考えて、あくまで管理人版のあらすじに留めています。
正確な内容をお知りになりたい方は携帯サイトかミステリーメールよりご確認されることをオススメします。

＜第5＆6回配信分あらすじ＞

今回は端折り気味に行きます。
では、スタートォォォ！！

第5回あらすじ

「ミホ」を尾行した「あたし」。

計画的犯行よりも通り魔的犯行に見せかけた方が安全だと考えた「あたし」は、人気が無い事を確認すると包丁を手に「ミホ」の背中へと腰溜めにぶつかる。
狙い違わず「ミホ」の背にめりこむ包丁。

文字通り止めを刺すべく、仰向けの「ミホ」の心臓を上から貫く。
「あたし」の心は達成感に包まれた。

返り血はほとんど浴びていない。
凶器の包丁は量産品なのでそのまま残すことにした。
もちろん、指紋も残してはいない。
完璧だ！！

いきなり実行することになるとは思わなかったが、無事成功した。
「あたし」はホッとしつつ、帰途に就いた。

と……コートの袖に返り血が。
慌ててコートを脱ぐと折り畳んで隠す「あたし」。
他に返り血が付着していないか確認するが、幸い他にはないようだ……。
それにしても、お気に入りのコートだったが処分しなければならないだろう。
ちょっと、気が滅入る、トホホ……。

人目を気にしつつ帰宅。
包丁は現場に、コートはキッチン隅のゴミ袋に保管しておくことにした。
ゴミの日に出せばいいだろう……。

翌日、拓馬が青い顔で帰宅した。
知人が通り魔に襲われ命を落としたと言う。

「あたし」は「通り魔と言うからには女性が被害に！？」とそれとなく「ミホ」のことを聞いた。
拓馬は多少、驚きつつも頷くのだった……。


第6回あらすじ

「ミホ」は消えた。
これで拓馬と「あたし」の仲は守られた―――筈だった。
ところが、思わぬ展開が「あたし」を待っていたのである。

「あたし」はコートを処分しようとキッチンを覗き込み驚いた。
あのコートをしまったゴミ袋が見当たらないのだ。
拓馬に聞いたところ、意外な答えが返ってきた。

普段、滅多にゴミ出ししない拓馬がゴミ袋を処理したと言うのだ……。

呆気にとられる「あたし」に更なる追撃が。
拓馬から離婚を切り出されたのだ。

「あぁ、悪いけど俺、付き合っている人がいるから別れてくれ」

絶句する「あたし」に拓馬は「あたし」が「ミホ」を殺害したことまで上げ、離婚を迫る。
しかも、「あたし」が殺害した「ミホ」は拓馬の浮気相手では無いらしい……。

一体、あたしは何を間違ってしまったのだろうか？
何故、「あたし」の犯行は拓馬に見抜かれてしまったのか？
どうして、拓馬の浮気相手以外の人物を殺害することになったのか？

一体、何故……！？　あらすじ了。


では、ここから【管理人の推理】です。

第4回配信ネタバレ批評（レビュー）にて、サプライズ展開で「女装した拓馬が被害者になるのでは？」と予測しましたが、あっさりと否定されてしまいました……トホホ。

とはいえ、本筋で2回、3回から述べている「あたしは日本人では無い、その為に漢字が苦手で三木とミホを勘違いした」との推理は未だ健在です（根拠については過去記事を読むか、後述するのでそちらを）。
こちらは不動の推理……の筈、たぶん。

で、公式では既に推理投票が開始されています。

この「殺人は難しい」で問われているのは、「あたしの犯したミスはなにか？」と「その理由」。
問題文第6回を読むと、一見、「拓馬があたしの犯行を見抜いた理由」が問われている様に思いますが、これはおそらく「あたしの犯したミスにより拓馬が結果的に犯行に気付いた」ものと考えられるので解答すべきは次のようになると思われます。

・「あたしの犯したミスはなにか？」

「漢字の苦手なあたしが、字の似た三木とミホを取り違え、ミホを殺害した」

つまり、拓馬の浮気相手は本来「三木」であったと考えられます。
「三木」は友達ですが、男性であるとは作中で明記されていません。
女友達の可能性があります。

・「ミスを犯した理由」

「作中でたびたび描写されたようにあたしは英語を母語としており、日本語に馴染みが薄かったため」

根拠は次の通り。

�@「あたしは漢字が苦手」（第1回）
�A「あたしが本棚に積まれた自身の本の背表紙を読むときに首を傾げた」（第1回）
�B「あたしは字幕が苦手、吹き替えが好き」（第2回）
�C「クロスワードが苦手、ナンプレが得意」（第2回）
�D「地図が読めない」（第3回）
�E「スマートフォンは英字入力」（第3回）

これらはそれぞれ。

�@「漢字が苦手」＝そのまま。漢字が読めない。
�A「あたしの本の背表紙を読むときに首を傾げた」のは「それが横文字表記の本だった（英語）」から。
�B「字幕が苦手、吹き替えが好き」＝漢字が苦手なので字幕が読めない。音として日本語は分かるので吹き替えが好き。
�C「クロスワードが苦手、ナンプレが得意」も、日本語に詳しくないのでクロスワードが苦手。ナンプレは数字なので得意。
�D「地図が読めない」＝漢字で記された地図が読めない。
�E「スマートフォンは英字入力」＝英語に親しみがある。

となると考えられます。

つまり、「あたし」は日本語を話すことは出来るが、読み書きは苦手なのだ。

ここから、主人公「あたし」は日本人ではなく、日系人かそれに近い外国籍の人物となる。
あるいは、帰国子女でもイイかもしれない。

ただし、主人公が名前ではなく「あたし」の一人称であることを考えると、外国設定の方がありそうか？
「あたし」の一人称なのは外国名を隠す為ではないか。

どちらにしろ、映像化されることも考慮に入れると、「あたし」は日系人かアジア系の設定となるだろう……と思っていましたが断定するのは危険かも。
あくまで、英語を母語としている程度に留めるのが良いかもしれない。

で、この設定を受けると具体的なミスの内容も明らかに。

「あたし」は日本語を話すことは出来るが、読み書きは苦手……だとすると、携帯の「ミホ」の表記が怪しくなってくる。

ここで拓馬の友人・三木に注目。

「三木」と「ミホ」……字が似ていませんか？

つまり、「あたし」が浮気相手だと思っている「ミホ」は拓馬の友人「三木」の勘違いの可能性が高いのだ。

これは公式の登場人物一覧に「三木」と「ミホ」が表記されていないことも傍証となりそう。
併記しちゃうと明らかなので。

それもこれも、「あたし」が「日本人では無く、漢字が苦手」なために起こったミスだったのだとの結末になるのではないでしょうか。

ただし、これが答えだと第2回時点で分かってしまうものであり、残りの3〜6回がミスリードでしかなくなっちゃうんだよなぁ……。
これが悩む……しかし、他の伏線らしきポイントは推理に繋がらない……。

う〜〜〜ん、ギリギリまで悩みそうな予感。
早く、答えが知りたい！！

そんな解答編は4月21日（木）22時より放送予定！！
見逃すなかれ！！

◆「殺人は難しい」前回までの批評（レビュー）はこちら。
・探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」第1回配信分（4月14日配信）ネタバレ批評（レビュー）

・【推理完了！？】探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」（貫井徳郎著）第2回配信分（4月15日配信）ネタバレ批評（レビュー）

・探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」（貫井徳郎著）第3回配信分（4月16日配信）ネタバレ批評（レビュー）

・探偵Ｘからの挑戦状！「殺人は難しい」（貫井徳郎著）第4回配信分（4月17日配信）ネタバレ批評（レビュー）

ちなみに、参考までに「殺人は難しい」の公式ＨＰ上のあらすじとその作者・貫井先生のデータをまとめてみたので推理の手掛かりにどうぞ！！

＜「殺人は難しい」あらすじ＞

「あたし」（内田亜希子）は、理想的な夫・拓馬（永岡佑）と結婚できたことを心から喜んでいた。ところが、いつしか、その拓馬が浮気をしているのではないかという疑惑が心に芽生え、ついには押さえがたいまでに膨らんでいった。
そしてある日、拓馬の携帯電話の中に、決定的証拠とも言える女の名前を発見する。狂気にかられた「あたし」は、女の居場所をつきとめて、そして・・・。
今回は、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のように、殺人犯の側から事件が描かれる“倒敍ミステリー”。証拠を残さず、完璧に行われたかに見える殺人。しかし、犯人が犯した一つの「ミス」で、事件は意外な展開を見せる。あなたは果たして、名探偵のように、犯人の「ミス」を見抜き、事件の真相に迫ることができるだろうか？

（ＮＨＫさん公式ＨＰより）

＜貫井先生データ＞

個人的な感想だと割と叙述を多用される方。
本作品にも意外なトリックが潜んでいるかもしれない。
時系列や「あたし」との人称などにも注目すべきか。
さらに、貫井先生と言えば「ななつのこ」で知られる加納朋子先生の旦那様でもあります。
そんな貫井先生の傾向と対策は下記過去記事からどうぞ。

【貫井徳郎先生関連過去記事】
・「乱反射」（貫井徳郎著、朝日新聞出版刊）ネタバレ書評（レビュー）

・「慟哭」（貫井徳郎著、東京創元社刊）ネタバレ書評（レビュー）

・「光と影の誘惑」（貫井徳郎著、東京創元社刊）ネタバレ書評（レビュー）


◆関連外部リンク（外部サイトに繋がります）
・「探偵Ｘからの挑戦状！」公式ＨＰ（ＮＨＫさん）
http://www.nhk.or.jp/tanteix/

◆関連過去記事
【「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3情報】
・「探偵Ｘからの挑戦状！」が3度帰って来る！！シーズン３放送決定！！出題者には北村薫先生、貫井徳郎先生、米澤穂信先生と豪華作家陣の名が

・「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3続報！！

・【続報】「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3、担当回＆シナリオタイトル＆出演者判明！！

・【最終報】「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3、シナリオ内容が明らかに！！そこにはサプライズが……。

・「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3、放送延期！！

・【速報】延期されていた「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン3が2011年4月21日より放送決定か！？

・【続報】「探偵Xからの挑戦状！創刊準備スペシャル」が「ＮＨＫワールド　プレミアム」にて2011年4月14日（木）に放送決定！！

・【確定報】「探偵Ｘからの挑戦状！シーズン3」放送は2011年4月21日から。14日にはスペシャル版がスタート！！

【貫井徳郎先生関連過去記事】
・「乱反射」（貫井徳郎著、朝日新聞出版刊）ネタバレ書評（レビュー）

・「慟哭」（貫井徳郎著、東京創元社刊）ネタバレ書評（レビュー）

・「光と影の誘惑」（貫井徳郎著、東京創元社刊）ネタバレ書評（レビュー）

【北村薫先生関連過去記事】
・「冬のオペラ」（北村薫著、角川書店刊）ネタバレ書評（レビュー）

【米澤穂信先生関連過去記事】
・書評（レビュー）対象著作一覧
当ブログにてネタバレ書評（レビュー）した作品のまとめです。

【「探偵Ｘからの挑戦状！」シーズン2ネタバレ批評（レビュー）】
・探偵Ｘからの挑戦状！　メゾン・カサブランカ（解決編）　ネタバレ

・探偵Ｘからの挑戦状！「殺人トーナメント」本放送（11月5日）感想

・探偵Ｘ「殺人トーナメント」最終解答への道！！

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Comments

おおっ、外国人！！
なるほど、そっか、すごい、それは気がつかなかったです。

犯行がなぜばれたのかは、すぐにわかりました、ふっふっふ。

多分、三木とスマートフォンとコートの三つが決め手だと思います。

Posted by 誰か at 2011年04月20日 02:43

１つ抜けてることがあるかと思います。
拓馬が妻の犯行に気付いたのは、日本語に不自由であれば、通り魔の被害者は女性が多いってことをあたしが知ってるはずがない。それか「通り魔」という言葉の意味が分かるのがおかしい。ってことだと思われます。

Posted by 上坊 at 2011年04月20日 18:16

さて・・・

拓馬は、大学の友人が殺されたと聞かされれば、真っ先に三木のことを思い浮かべると予想していたのに、女の人が殺されたと答えたから、これがあたしのミスです。

あたしのスマートフォンには、一生懸命登録した美穂の住所が残っていたのだと思います。それをこっそりのぞいて犯人だと確信し、ゴミ袋のコートを発見したのだと思います。

たぶん、コートは隠し持っていますね。
そして、さされるのではないかなと思います。

Posted by 誰か at 2011年04月21日 21:53

コメントありがとうございます(^o^)／。
レスが遅くなりましたが、管理人の“俺”です！！

Re：誰かさん

うおっ、2度もコメント頂いてた！！
レスが遅くなって申し訳ありません(T_T)/。

うむむ……そこも気になる点ですね。
現実的でかなり細部を突いた推理のように感じます。

Re：上坊さん

「通り魔」ですね。
確かにその点も気になります……。
伏線のひとつに数え上げられても良さそうな感じです。

こうなると、解答編が途中で放送中止になってしまったので結末が分からないのが悔やまれますね。
ドラマの解答編がどのような結末を迎える予定だったのか気になります。

なんでも、再放送予定があるそうなのでそちらをチェックしなければ……です！！

Posted by 俺 at 2011年04月22日 00:04