2011年04月22日

探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)本放送(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)

探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)本放送(4月21日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

果たして、管理人の推理は正解だったのでしょうか?
あ、そろそろ番組がスタートします。
確認することにしましょう。

◆オープニング

刃物を持った何者かに追われる夢で目覚めた江戸川蘭子。
もちろん、寝覚めは最悪である。
起きたものの、刺激に乏しい生活に退屈していた彼女に一通のメールが届く。

差出人は「探偵X」となっていた。

そのメールに導かれるように「探偵X」の屋敷へ赴いた蘭子。
屋敷の主人・探偵Xによれば、「これから蘭子に3つの難事件に挑戦してもらう」と言う。

蘭子の名前に御大・江戸川乱歩と通じる物を感じた探偵Xは、早速第1問として貫井徳郎著「殺人は難しい」を持ち出して来る。
退屈しのぎにちょうどいいと考えた蘭子はこの挑戦に応じるのだった……。

◆「殺人は難しい」ドラマ本編スタート

登場人物一覧:
あたし:主人公、拓馬の妻
拓馬:あたしの夫
三木:拓馬の友人
ミホ:あたしが拓馬の携帯で見つけた名前

<「殺人は難しい」あらすじ>

「あたし」(内田亜希子)は、理想的な夫・拓馬(永岡佑)と結婚できたことを心から喜んでいた。ところが、いつしか、その拓馬が浮気をしているのではないかという疑惑が心に芽生え、ついには押さえがたいまでに膨らんでいった。
そしてある日、拓馬の携帯電話の中に、決定的証拠とも言える女の名前を発見する。狂気にかられた「あたし」は、女の居場所をつきとめて、そして・・・。
今回は、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のように、殺人犯の側から事件が描かれる“倒敍ミステリー”。証拠を残さず、完璧に行われたかに見える殺人。しかし、犯人が犯した一つの「ミス」で、事件は意外な展開を見せる。あなたは果たして、名探偵のように、犯人の「ミス」を見抜き、事件の真相に迫ることができるだろうか?
(NHKさん公式HPより)


詳細なあらすじについては各配信回ネタバレ批評(レビュー)を参照のこと。

・「あたし」は夫・拓馬の浮気を疑う。
探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」第1回配信分(4月14日配信)ネタバレ批評(レビュー)

・「あたし」は拓馬の携帯に「ミホ」の文字を見出す。
【推理完了!?】探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)第2回配信分(4月15日配信)ネタバレ批評(レビュー)

・「あたし」は「ミホ」の住所を調べる。
探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)第3回配信分(4月16日配信)ネタバレ批評(レビュー)

・「あたし」は殺意を胸に「ミホ」の住所へと向かう。
探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)第4回配信分(4月17日配信)ネタバレ批評(レビュー)

・「あたし」は「ミホ」を殺害するも、拓馬に見抜かれ離婚を切り出されてしまう。
しかも、殺害した「ミホ」は拓馬の浮気相手では無かった……。
探偵Xからの挑戦状!「殺人は難しい」(貫井徳郎著)第5&6回配信分(4月18&19日配信)ネタバレ批評(レビュー)

「あたし」は殺害する相手を間違えてしまった。
一体、どこで間違えてしまったのだろう……。

◆貫井徳郎先生のコメント
「伏線が張ってあるので其処をしっかり追うこと」

◆探偵X&蘭子パート

蘭子の推理「ミホは双子。殺害されたミホはその片方」
探偵X「全然違う。伏線を追わなければならない」

応募総数は9236人とのこと。

◆解決編

「あたし」が殺したのは「ミホ」で間違いない。
しかし……何故、「ミホ」は拓馬の浮気相手ではないのか?

拓馬によれば、「ミホ」は元彼女。
「あたし」が確認した着信履歴の文字は「三木」だったのだ。

初期も初期。
大前提となる「浮気相手を突き止める段階」で間違えていたのだ。

そもそも何故、こんなミスを犯したか?
それは……「あたし」が漢字の読めない帰国子女だからだった!!

伏線は次の通り。

「韓国ドラマは吹き替えしか見ない」=「字幕が苦手」
「血液型の性格判断を理解しない」=「外国文化のもとで育った」
「拓馬の本が難しい」=「漢字が読めない」
「自分の本を読むとき、首を傾げる」=「タイトルが横文字(英字表記)」
「ナンバープレイスばかり解く」=「クロスワードが苦手」
「スマートフォンに頼る」=「地図が読めない」
「夫のフォントはストラップで分かる通り女子高生っぽい」=「読み難い」

この伏線を追うことで真相は看破できたはずだ!!(by探偵X)

注:尚、2011年4月21日22時37分、千葉県に大きな地震があり放送は途中で中止されている。後日、再放送される予定らしい

放送が中断された「殺人は難しい」の本放送は、4月28日(木)00:15〜01:03(水曜深夜)に再放送決定。
いよいよ、あの結末をこの目で確認できそうです。
現在挑戦中の「ビスケット」だけでなく、こちらもお忘れなく。

2011年4月28日追記

4月28日深夜、再放送が行われました。
あわせて、携帯配信版の解決編も公開されました。

携帯配信版の解決編によれば―――

伏線はドラマ版解決編通り(血液型診断のくだりは除く)。
これらの伏線により「三木」を「ミホ」と読み間違えた「あたし」は拓馬の元彼女「ミホ」を刺殺。
それを拓馬に知られ、「あたし」が犯人であることを黙っている代わりに離婚を了承せざるを得なくなる。
ちなみに拓馬の浮気相手は「三木」ではない別の誰か。もちろん、女性。
この浮気相手からの連絡はその都度、履歴を削除していたとのこと。
最後には、平然と浮気相手と遊びに行く拓馬と、それを見送り書店へと出向く「あたし」の姿が。
書店へと出向いた「あたし」の目的は「日本語の練習帳」を購入することである―――解決編了。

解答応募者は9236人。
うち完全解答者は830人。

完全解答の要件は次の通り。

@「あたし」のミスが「三木」と「ミホ」の勘違いであること。

Aさらに、解決編にて放送された「あたし」が帰国子女である理由から複数を挙げたもの。

以上の条件を満たしているものを完全解答とする。

完全解答者は830人ということで、携帯サイトに掲載された完全解答者の名簿は16ページに。
ひょっとして、過去最高!?
なんとか、管理人も完全解答者に名を連ねました。
でもこれ、ア行の人はいいけど、50音順で後方にいけばいくほど捜しにくい……。
50音順の索引ページがあれば、便利なんだけどなぁ……。

ちなみに、解答時のアンケート結果は「自信は無いけど解答した」が圧倒的に票を集めました。

一方、ドラマ版の解決編にて意外な結末が明らかに。
なんと、すべて拓馬の策略だったとのこと。
つまり、「あたし」と離婚する為に罠を張り、「あたし」が殺人をおかすよう誘導したことになります。
もちろん、これはドラマ版オリジナルの設定。
この結末には賛否両論ありそうです。

ここまで追記部分


◆感想

ルパン三世の次元役で知られる小林清志さんがナレーションを担当されていました!!
管理人的には「ガンダム0083」のデラーズ役でも有名な方、この時点で盛り上がりました。

さらに、韓国ドラマが「春のワルツ」でしたね。
四季シリーズ来たか……やるな。

なにより、ドラマ終盤でよもやの中止に……これには驚きました。
状況が状況だけに致し方ないところではありますが、残念です。
気になる方には、再放送予定があるそうなので注意を!!

では、ドラマの感想を。
幾つか携帯配信とドラマとで差異がありましたね。

@三木が三木ケンイチなる男性であることが序盤で明かされる。
Aクロスワードのくだりがほぼ割愛(「あたし」がナンバープレイスを解いているシーンのみ)。
Bアパートの部屋番号で悩むくだりが割愛。
C殺人現場からの帰宅シーンが割愛。
D「ミホ」の本名が「山岸ミホ」であることが明かされる。
E血液型診断のシーンが追加。

他にもいろいろありました。
全体的な印象ではミスリード部分が大幅にカットされていたかな。
これ、携帯配信を真剣に読んだ人は怒りそうな編集だ……。

まず、携帯配信で明かされていなかった三木の性別があっさり判明。
これは、納得いかないなぁ……。
管理人はそこを伏線のひとつと解釈していただけに、携帯配信でも明かすべきだと思う。

他には、前述した通りミスリードとして用意されていた部屋番号やコート辺りがばっさりカットされてた。
ドラマパートを分かり易くする為の工夫なんだろけど、ちと苦しいか……。

そして、追加するのならば「血液型診断」は止めた方が良かったなぁ。
「血液型診断を信じない」から「外国文化」で育ったとは言い切れないような……。
これを認めると、「リアリストは皆、外国文化で育っている」ことになりそうだ。

さらに、解答編の伏線のみをもって「あたし」を帰国子女のみに限定するのはちょっと厳しいのでは?
各回批評(レビュー)の通り、容姿が日本人に近いアジア系の外国人でも通りそうな気もするが……。
要は漢字に弱ければいいんだし……。
自説を誇示するワケでは無いけど、ここらが不満かなぁ……。

とはいえ、許容範囲ではあります。
管理人でさえ、結構イイ所まで迫れたのは伏線がきちんとあった証拠かと。
その点はこれまでのものよりも良かった。

う〜〜〜ん、でもこのモヤモヤは何だろう。
なんとも、腑に落ちない感じ。

小説の方は全体的に手堅かったような気はする。
ただ、ドラマパートとの乖離が大きかった。
どちらが基準なんだろう……。

それと、小説自体が実は3回配信分までで推理可能なこともまずかった。
伏線は前半部分に集中。
結果として、ドラマ部分でもそこだけがクローズアップされることに。
ある意味、ミスリードと伏線の配分に問題があったのかもしれない。

この形式だけに明示する情報量が難しいんだろうなぁ……と感じました。

明日からは北村薫先生「ビスケット」が配信開始。
北村薫先生と言えば「日常の謎」が特徴の作家さん。
さらにその作品を読みこなすにはある程度の素養が必要とされる作風。
これは知識量が問われそう……かな?

「ビスケット」のあらすじはこちら。

<あらすじ>

ミステリー作家の姫宮あゆみ(水野美紀)は、ある大学が主催する「ミステリー作家トークショー」に招かれた。トークの相手は、その大学の客員教授で、本国アメリカで有名なミステリーの賞にも輝いたジャック・トリリン氏。日本通で知られる、イケメンのアメリカ人である。ところが、トークショー当日、トリリン氏は何者かに殺されてしまう。現場に、謎のメッセージを残したまま。
姫宮あゆみは、かつてその記録係をつとめていた本物の「名探偵」、巫(かんなぎ)弓彦(山口祐一郎)に、SOSの電話を掛ける。…
この作品は、北村薫の名作「冬のオペラ」(1993)の、18年ぶりの続編として書かれた。その意味では、北村ファン垂涎の作品であり、“文学的事件”でもある。ただし、そんな事情を抜きしても、孤高の「名探偵」巫弓彦の推理に、多くの視聴者が驚嘆の声を上げるに違いない。
(NHKさん公式HPより)


ご覧の通り「冬のオペラ」の正統続編です。
巫弓彦が遂に実写化ですよ。

「冬のオペラ」をご存知ない方は下記のネタバレ批評(レビュー)から予習してみるのもアリかも。

【北村薫先生関連過去記事】
「冬のオペラ」(北村薫著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

さぁて、明日からも挑戦するぞ〜〜〜!!

◆「殺人は難しい」にチャレンジして作者の貫井先生に興味を持たれた方はこちらをどうぞ。
著作等過去記事です。

<貫井先生データ>

個人的な感想だと割と叙述を多用される方。
本作品にも意外なトリックが潜んでいるかもしれない。
時系列や「あたし」との人称などにも注目すべきか。
さらに、貫井先生と言えば「ななつのこ」で知られる加納朋子先生の旦那様でもあります。
そんな貫井先生の傾向と対策は下記過去記事からどうぞ。

【貫井徳郎先生関連過去記事】
「乱反射」(貫井徳郎著、朝日新聞出版刊)ネタバレ書評(レビュー)

「慟哭」(貫井徳郎著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「光と影の誘惑」(貫井徳郎著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)

◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・「探偵Xからの挑戦状!」公式HP(NHKさん)
http://www.nhk.or.jp/tanteix/

◆関連過去記事
【「探偵Xからの挑戦状!」シーズン3情報】
「探偵Xからの挑戦状!」が3度帰って来る!!シーズン3放送決定!!出題者には北村薫先生、貫井徳郎先生、米澤穂信先生と豪華作家陣の名が

「探偵Xからの挑戦状!」シーズン3続報!!

【続報】「探偵Xからの挑戦状!」シーズン3、担当回&シナリオタイトル&出演者判明!!

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【確定報】「探偵Xからの挑戦状!シーズン3」放送は2011年4月21日から。14日にはスペシャル版がスタート!!

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【北村薫先生関連過去記事】
「冬のオペラ」(北村薫著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

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posted by 俺 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 探偵Xからの挑戦状! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまた来ました!w

放送、途中で切れて残念でしたね。。まぁ仕方ないことですけど;

やっぱり三木をミホって読み間違えた、ってのが答えでヨカッタんですね〜

最終的に、なぜ旦那に殺人がバレたんですか??ここをハッキリ知りたかったのですが・・・。
再放送を見れば分かりますかね?
Posted by MiSaki at 2011年04月22日 03:19
地震にビビって最後みれませんでしたが、
犯人の「あたし」が町内?のくじかなんかで
コーヒーがあったったこと言って、
Knock on wood(木製の机をたたく)して
いたように思いました。
アメリカ人がラッキーなときにする仕草だから、帰国子女かな?と思いました。
Posted by 鈴木 at 2011年04月22日 20:30
コメントありがとうございます(^o^)/。
管理人の“俺”です!!

Re:MiSakiさん

拓馬が何故、あたしの犯行に気付いたかは気になりますね。
やっぱり、再放送待ちかなぁ……。

Re:鈴木さん

ああっ、言われてみればそんなシーンありましたね。
なるほど、ドラマ版ではフォローしていたんですね。

こうなると、携帯配信版の方でも手掛かりが欲しかったかなぁ。

事情が事情だから仕方がないとは言え、本放送が途中で中止されちゃったのはやっぱり残念ですね。
次回は何事もないといいなぁ……。


Posted by 俺 at 2011年04月22日 23:17
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