<11話あらすじ>
前回に続き、今回もどこか元気のない車教授。
何か考え事をしているようだ。
そんな教授に声をかけた愛理。
すると教授は何かに気付いたかのように愛理を見詰める。
ややあって、車は自分に兄がいることを愛理に告白。
兄の名は車路永というらしいが、その兄が7年ぶりに車に会いに来るので良ければ同席しないかと誘う。
車によれば路永もシャーロッキアンらしい。
車の兄の名が「マイクロフト」に因んだものではなかったことにガッカリする愛理だったが、彼もまたシャーロッキアンと聞いて喜んで了承することに。
約束当日、車に連れられて路永と会った愛理。
路永は車と違い冴えない小太りの中年、兄弟といえど余りの違いに愛理は驚く。
しかも、「ホームズ」について話してみたところ、ホームズの兄・マイクロフトすら知らない全くの素人だった。
よくよく確かめると「ホームズ譚」を読んだことすらないらしい。
ここで激怒する車。
車は「また金を借りに来たのか!!」と一喝するや路永を追い出す。
かなり荒れた車の様子に怯える愛理。
車は愛理に驚かせたことを謝罪。
なんでも、路永は昔から夢のような儲け話に目が無く、7年前も投資話に乗せられ車たち親族にも迷惑をかけたことがあり、以降連絡を取れなくなっていたと言う。
1年ほど前にも連絡があったが無視していたところ、再び連絡を寄越したらしい。
路永からは、家族も持ちシャーロッキアンになったと聞かされており、人間が変わったのかと期待して会いに来てみたが、やはり以前のままだったと言う。
「それが証拠にシャーロッキアンになったと言いながらホームズ譚を読んでいなかった、大方金を借りに来たのだろう」と憤りを隠さない。
それから数日後、車兄弟のことをぼんやり考えていた愛理だったが、車教授の語った「1年ほど前にも連絡があった」との言葉を思い出し路永を訪ねる。
路永は警戒しながら愛理を迎え入れる。
そこには路永の妻と子供がいた。
愛理は路永が1年前に車に連絡を入れたワケを尋ねる。
答えは愛理の想像していた通りだった。
1年前―――それは車教授が愛妻を亡くした年。
それを人伝に聞いた路永は、車の性格から妻の後を追い自殺を考えるのではないかと不安になり変な考えを持たないよう電話を入れたのだった。
「昔は酷かったけど、これでも心を入れ替えたんだよ」と笑う路永。
やはり、この人は弟のことを想っていた―――胸が熱くなる愛理に路永は続ける。
「弟の為に東京中の道を覚えてやるんだ」と。
それを聞いて、「最後の事件」で御者となりホームズとワトスンを運んだマイクロフトのエピソードを思い出す愛理。
そんな愛理に「最近になって弟が元気になったのは、あんたのおかげかもしれない」と感謝する路永。
流石にこれには照れるしかない愛理だった。
路永宅を辞去した愛理。
暫く行くと見知った顔が見えて来る―――車だ!!
慌てて隠れた愛理の前を車は路永宅の住所が記されたと思われるメモとお土産の寿司折を手に進んで行く。
その姿に微笑む愛理。
車の目的地は路永の家だろう。
そこまで考えたとき、愛理のお腹が「ぐうっ」と鳴った―――12話に続く。
<感想>
再開2話目は兄弟の物語でした。
マイクロフトとシャーロックのホームズ兄弟になぞらえて、車兄弟の絆が描かれます。
多少、描写が弱い気がしないでもないけど、及第点でしょう。
最近の車教授は愛理に頼りっぱなしですね。
休載前は車教授が愛理をひっぱる感じでしたが、再開後は愛理が車教授をフォローしている感じか。
今後もこの路線で進むんでしょうかね。
個人的には休載前の「車が年長者として愛理を導く親娘みたいな話」が好きだったんですが。
今のも悪くはありませんが、また、そういったエピソードも見られるといいなぁ。
今回の話ですが、ラストシーンの後で、車が兄を訪ねたら既に愛理が来ていたことを聞かされるのでしょうね。
そのときの車の驚きを知りたいなぁ。
それも、次回以降に明らかになるのかな?
気になりますね。
それにしても、愛理。
マイクロフトから「黒太」はないだろう……。
センスが凄いぞ……。
何より、それが一番驚きでした。
車教授と愛理の関係はどうなるのか……12話に要注目!!
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◆関連過去記事
・各話批評(レビュー)に繋がる過去記事リンクはこちらから。
「シャーロッキアン!」(池田邦彦著、漫画アクション連載)1から9話までまとめ&遂にコミックス1巻発売さる!!
・双葉社刊「漫画アクション」連載「シャーロッキアン!」第10話「ハドスン夫人とターナー夫人」ネタバレ批評(レビュー)
エラリイ・クイーンが「ジェィムズ・フィリモア氏の失踪」に挑んだ「シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))」です!!
シャーロック・ホームズの災難 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2‐38))
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