2011年05月10日

「ドッキリチューブ(『完全・犯罪』収録)」(小林泰三著、東京創元社刊)

「ドッキリチューブ(『完全・犯罪』収録)」(小林泰三著、東京創元社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

自らの発明品を用いてライバルの暗殺を目論んだマッドサイエンティストが嵌り込む、 恐るべき論理の陥穽を描いた表題作、本格ミステリ黄金期の巨匠J・D・カーの傑作『火刑法廷』に連なる壮絶な復讐譚「ロイス殺し」、名前をはじめあらゆるものを共有していた姉妹の愛憎劇「双生児」など、異様かつ意外な結末が待ち受ける、世にも奇妙な恐怖物語五編を収める。「最後の一行」がもたらす想像不能の驚きと恐怖。鬼才・小林泰三、本領発揮!

目次

「完全・犯罪」
「ロイス殺し」
「双生児」
「隠れ鬼」
「ドッキリチューブ」
(東京創元社公式HPより)


<感想>

収録作品「ドッキリチューブ」が「世にも奇妙な物語」にてドラマ化されると知り、原作を読んでおこうと読みました。
ちなみに、管理人が読む小林泰三先生の初作品となります。

感想としては、「ドッキリチューブ」については予測の範囲内を出ませんでしたね。
あんまりでした。
たぶん、「世にも奇妙な物語」ユーザーの方ならば結末は容易に想像がつくでしょう。

あらすじはこんな感じ。

「それと報せずドッキリを民間人に仕掛け、撮影した映像を動画サイトにアップすることで広告料収入を得る違法ギリギリの映像企画会社を営む主人公。ある日、スタッフにドッキリを仕掛けられて……」

今、頭に思い浮かべたことその通りが結末です。
テーマは「因果応報」かな?
詳しくは、この後のネタバレあらすじをどうぞ!!

どちらかと言えば、「ドッキリチューブ」よりは「完全・犯罪」や「ロイス殺し」の方が面白かった。
中でも「ロイス殺し」はJDカーの「火刑法廷」のアレだよね、たぶん。
伏線も捻ってたし、結構良かった。
読むのならばそちらの方が良さそう。

<ネタバレあらすじ>

それと報せずドッキリを民間人に仕掛け、撮影した映像を動画サイトにアップすることで広告料収入を得る違法ギリギリの映像企画会社を営む主人公。
毎回、ドッキリを仕掛けては、怒った民間人に「ドッキリなんだから許してよ」と到底理屈になっていない理屈を用い、煙に巻いては誤魔化していた。

そんな主人公が、ある日、スタッフにドッキリを仕掛けられる。

自身の贅沢の為にスタッフの給料を使い込んでしまった主人公。
「賃金が払えないから詐欺に遭ったと言い訳しよう」と考えていたところ、怒り狂ったスタッフに取り囲まれボコボコにされる。
内臓をこっ酷く痛めつけられた主人公は隙を突いて逃げ出すが、急ぐあまり階段を転がり落ち大怪我を負う。

痛みに苦しむ主人公に追いついたスタッフの手には「ドッキリ大成功」のプラカードが。
リンチされかけた主人公はこれを見て激怒。
「こんなのはドッキリじゃない!!」と言い捨てるが、スタッフは聞く耳を持たない。
「だって、ドッキリなのに……」と開き直る。

腹を立てた主人公はそのまま帰宅。
ところが、今度は自宅が燃やされていた。

「は……」

呆気にとられる主人公の目の前に、またも現われるスタッフ。
その手にはやはり「ドッキリ大成功」のプラカード。
スタッフが自宅に放火したことを悟った主人公は、「許さん!!」とスタッフを追いかけ回す。

遂にあるビルの屋上へ追い詰めた主人公。
そこへわらわらと他のスタッフが湧いて出る。
その手には次なるドッキリのシナリオらしきものが握られていた。

慌てて、ひったくると中身を確認する主人公。
それは保険証書の束だった。

「やだなぁ、ドッキリですよ。火災保険をかけてあるから大丈夫ですよ〜〜〜」

ニッコリ笑うスタッフ。
だが、このままでは保険金詐欺の犯罪になってしまう。
指摘するがスタッフたちは平気な顔。

「だって、火をつけたのは我々ですよ。大丈夫ですって。第一、ドッキリですし」

事あるごとにドッキリで誤魔化そうとするスタッフに苛立つ主人公。
そんな主人公の目に、他とは明らかに桁の違う保険証書が飛び込んで来る。
それは生命保険だった。

被保険者の名は主人公!?受取人にはスタッフの名が!!

「あ〜〜〜あ、見られちゃったか。最後のドッキリだったのに……」

ジリジリと輪を狭めるスタッフたち。
自分の身に何が起ころうとしているのか察し、いち早く逃げようとする主人公だが、スタッフは逃がしてくれない。
すぐに屋上の隅に追いやられてしまう。

「給料は絶対に払う。そうだ、これまでの倍払おう!!」

懐柔しようとする主人公だが……。

「あんたの財産状況はすでに調べ上げてるよ、無理だ」

冷たく言い放つスタッフ。

「放火で家を無くしたショックで飛び降り。そういうシナリオですんで宜しく」

スタッフに抱え上げられた主人公はそのまま空へと放り投げられる。
自由落下していく主人公、その目にスタッフの1人が掲げたプラカードが映る。

「ドッキリ大成功!!」

(あぁ、そうかドッキリか。じゃぁ、仕方ないかな……)

主人公の意識はそのまま闇へと落ちた―――エンド。

「ドッキリチューブ」が収録された「完全・犯罪」です!!
完全・犯罪



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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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