ネタバレあります!!注意!!
<あらすじ>
成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有主演で全国ロードショー!
「青春小説の躍動と、復讐劇の鼓動。読み手を揺さぶる傑作」(島田荘司氏)と
絶賛された第1回福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作の映画化タイアップ版登場!
特別書き下ろし短編「ムーンウォーク」を収録。
(原書房公式HPより)
<感想>
「少女たちの羅針盤」映画化を記念して出版された「新装版」です。
特別書き下ろしとして中学時代の瑠美とバタの出会いを描いた短編「ムーンウォーク」が収録されました。
というわけで、短編「ムーンウォーク」のネタバレ書評(レビュー)をやっていこうと思います。
読んでみての感想は、「少女たちの羅針盤」のボーナストラックだけあって本編を読んだ後の破壊力が凄い。
やっぱり上手いなぁ……。
「少女たちの羅針盤」を読まれた方は「ムーンウォーク」にも目を通して欲しい!!
そう思うぐらいイイです。
◆関連過去記事
・「少女たちの羅針盤」本編のネタバレ書評(レビュー)です。
「少女たちの羅針盤」(水生大海著、原書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「少女たちの羅針盤」続編のネタバレ書評(レビュー)です。
「かいぶつのまち」(水生大海著、原書房刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「少女たちの羅針盤」映画化から公開までの流れをまとめました。
映画「少女たちの羅針盤」公開までの軌跡
<ネタバレあらすじ>
中学3年のバタ。
ある日、不思議な少女と出会う。
少女はそのテンションの高さに驚くバタにもお構いなしにバタへと近付いてくる。
強引な少女にバタは何処か惹かれるものを感じるのだった。
そんな少女の名は瑠美。
彼女はとある悩みを抱えていた。
ストーカーらしき人物からメールが送られてくるらしい。
バタは瑠美と出会ったこの数日間を振り返る。
バタは橘中学に通っていた。
橘はエスカレーター式の学校なので大学入試までは受験戦争とは無縁である。
だからといって塾に通わないわけにはいかない。
塾にはバタと気の合わない級友たちが居た。
そこへ、瑠美がやって来た。
バタは瑠美と顔見知りだった。
街でいきなり話しかけられ、一方的に友達にされたのだ。
確か瑠美は橘中学の生徒では無い筈と記憶を探るバタ。
そんなバタに瑠美は体験入学だと言う。
早速、授業を受ける瑠美。
しかし、瑠美は授業中に生徒から軽んじられる講師を見かねて生徒を一喝するとその場を去ってしまう。
瑠美に対し反撥を抱く反面、自分の気持ちに率直な瑠美に憧れを感じるバタ。
連絡先も交わさない関係……このまま、会わない筈だった。
ところが数日後、バタはまたも瑠美と出会う。
瑠美は舞台人になることが夢らしく、1人演劇の練習を行っていた。
窓に向け手を振り、笑い、キスする素振りを見せる瑠美。
バタは夢に向かって進む瑠美に興味を持つようになる。
その矢先だった、冒頭のストーカーメール事件を瑠美に相談されたのは。
流石にそこまで親しくは無いだろうと困惑するバタだが、困っている瑠美をそのままにはしておけず協力することに。
バタには誰が犯人か目星がついていたのだ。
数日後、またも瑠美にストーカーからメールが届く。
その瞬間、瑠美やストーカーが居る部屋を明かりが照らし出す。
ストーカーは瑠美のすぐそばに居た。
そして、それを囲む様なバタと塾の事務員たち。
そう、犯人は瑠美がフォローをいれた講師だった。
彼は授業中に瑠美に助けられたことと、瑠美が演劇の練習をしている姿を見て自分に気があると思い込んでいた。
瑠美が練習していた内容は何か?
窓に向け手を振り、笑い、キスするような表情……その姿を窓の向こう側を通りがかった講師が見かけ自分に向けたものと勘違いしてしまったのだ。
講師は体験入学の際に記載された瑠美の個人情報を盗み見てメールを送っていた。
バタはストーカー現場を講師以外の塾関係者に目撃させることで事件の早期解決を図った。
この狙いは図に当たり、講師は免職される。
バタは瑠美を救ったのである。
こうして、事件は終わった。
しかし、バタは瑠美の連絡先を未だ知らない。
ただ、面倒くさい娘を助けたとしか思わなかった。
もちろん、瑠美が後のバタに多大な影響を与える相手であることも知る由は無かった。
(また、どこかで会うこともあるでしょ。
そういえば、あの娘は橘高を受験するって言ってたっけ……)
バタはうっすら思うのだった―――エンド。
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