<あらすじ>
終電車の車内で男が刺殺された。すぐさま亀井定男(古谷一行)と現場へ向かう十津川省三(高嶋政伸)。被害者は商事会社の社員・坂西宏(山中アラヲ)。真面目で仕事第一、恨まれる理由などなかったが、経理担当重役の木戸和夫(渡辺裕之)、顧問弁護士の宇佐美隆利(国広富之)らから、被害者の坂西が社内の不正経理の疑いを発見、極秘で調査をしていたと聞く。不正経理の疑いがあったのは経理部長でギャンブル好きという田村晋太郎(宮川一朗太)。不正経理が明るみになることを恐れ、犯行の疑いがある田村は無断欠勤をしていた。十津川らは田村の行方を追った。
捜査が難航する中、今度は目撃者の女性・堀本美也子(黒沢あすか)が殺され、さらに田村も遺書を残して自殺をしてしまう。しかし、これで事件のけりを付けようとする平塚八重子(山村紅葉)に、十津川はなぜか納得できないでいた。奇妙な謎と心憎い結末。迷宮入り寸前の事件を見事解決できるのか!?
(金曜プレステージ公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
遺書を残し自殺したと思われた田村の遺体は出て来ない。
十津川は田村が既に殺害されているのではと考える。
さらに、これまで犯人の動機を重視し過ぎていたのでは……と反省。
犯人の狙いは2人目の被害者・美也子だったと推理する十津川。
坂西は、たまたま美也子と同じ終電車に乗っていた為に殺害されたのだ。
すべては美也子が坂西殺害犯を目撃したことにより殺されたと偽装する為だ。
こうして、捜査方針を美也子中心に切り替えることに。
美也子の通帳から、安藤と川瀬という謎の人物からの振り込みを発見。
それは3年前から毎月1日に振り込まれており、ただ1回、安藤から川瀬名義に代わった最初だけ8日に振り込まれていた。
美也子の関係者から安藤と古野が浮上。
だが、安藤には美也子を殺害する動機がない。
一方の古野誠二に痴漢の過去があることが判明。
古野宅を訪ねたところ、表札は「新山」となっていた。
住人に尋ねたところ、古野と離婚した妻が娘と2人で生活していた。
3年前の痴漢事件について話を聞く十津川たち。
被害者の名前は熊井成美、古野はあくまで否定したが目撃者が現れたために有罪になっていた。
目撃者は美也子だった―――。
第一容疑者として古野がマークされる。
ところが、古野は犯行を否定。
一方、銀行に確認したところ、謎の人物が安藤から不正に口座を購入し美也子に現金を振り込んでいたことが分かる。
しかし、安藤の不正が銀行側に発覚したために口座を停止された犯人が川瀬の口座を入手するのに手間取ったので8日になったのだ。
謎の振り込みも、古野の痴漢事件も3年前に起こっている!!
気付いた十津川は古野から直接3年前の事情を聞くことにする。
古野が語ったところによると―――3年前、何者かが熊井に痴漢している現場を目撃。
痴漢の手を押さえようとしたところ、間違われて犯人にされてしまったらしい。
十津川は、3年前の本物の痴漢が美也子に脅迫されていたと推測。
美也子は真犯人から金を脅すために「古野が犯人だ」と偽証したのだ。
田村の遺体が発見される。
遺体から、外れ車券(競輪)を見つけた十津川は、美也子もまた同じものを持っていたことを思い出す。
競輪場の映像を確認したところ、田村が美也子の死ぬ原因となった毒入りペットボトルを手にしている映像を発見。
それを謎の封筒と一緒に美也子に手渡すシーンもばっちり映っていた。
ところが、映像を見る限りどうも田村に殺意はない様子。
十津川は田村は振り込みの代わりに現金受け渡しを依頼されていたに過ぎないと看破する。
田村の遺書に不審を覚える十津川。
「また、会おう」との文言が引っ掛かったのだ。
十津川はこれは遺書ではなく、田村が妻にあてたメッセージだと考える。
ふと、田村の妻が所持していた携帯を思い出す十津川。
早速、確認したところ妻自身に覚えのないマイクロSDカードを発見する。
翌日、とある駅構内。
電車を待つ木戸の背後に歩み寄る男の影が……。
男の手が木戸の背中へと伸びる。
その手は木戸をプラットホームから押し出そうとしていた。
まさにその直前、十津川の手が男の手を掴む。
十津川が掴んだ手の主は弁護士の宇佐美だった……。
3年前の痴漢の真犯人だった宇佐美。
美也子から脅迫を受け、耐えきれなくなり殺害を思い立つ。
坂西とも顔見知りだった宇佐美は終電車に乗るようにコントロールした。
もちろん、坂西が殺害されることにより田村に容疑が向くことを計算していた。
その上で、田村を利用し美也子を殺害。
最後に田村を口封じに殺害したのだ。
さらに、痴漢の真犯人であることを知る木戸をも殺害しようとした。
「話にならない」と笑って逃げようとする宇佐美だったが、田村の残したマイクロSDカードが決め手となった。
田村は偽装自殺を奨める宇佐美の言葉をすべて録音し、妻に預けていた。
宇佐美は偽装に協力するふりをして遺書を書かせると田村を殺害したのだ。
それでもあくまで逃げようとする宇佐美に対し、十津川は宇佐美の弁護士バッジを毟り取る。
古野を陥れた宇佐美への怒りの顕れであった。
しかし、宇佐美は動じない。
そこへ八重子が逮捕状を手にやって来る。
こうして、宇佐美は逮捕された。
木戸も横領の罪で逮捕される。
こうして事件は解決。
夕陽の中で、物思いに耽る十津川と亀井であった―――エンド。
<感想>
フジテレビ版「十津川警部」こと「十津川刑事の肖像」シリーズ4作目。
シリーズ前作までの批評(レビュー)はこちら。
【金曜プレステージ版の十津川シリーズはこちら】
・金曜プレステージ 西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像3 危険な判決「許されざる復讐心…容疑者への憎悪が生む第2の殺人…ナイフに刻まれたギリシャ語が示す真犯人の殺意」(10月15日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・金曜プレステージ 西村京太郎サスペンス十津川刑事の肖像2「都民1300万人を誘拐した…都知事への脅迫電話で始まる連続殺人事件…死体に隠された秘密とは?愛と憎しみの復讐劇」(6月4日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さて、シリーズ4作目の原作は西村京太郎先生の「十津川刑事の肖像 第二の標的」(徳間文庫)。
原作には短編5本が収録されておりドラマはそのうち「第二の標的」を扱っている。
あらすじはこんな感じ。
<あらすじ>
この人を見つけて下さい。見つけた方に百万円を差し上げます―顔写真と体の特徴だけでその男を探し出せ、という企画が「週刊ジャパン」に載った。たまたまその記事を読んだ小田雄太郎と松木順子は、二人が同棲するアパート近くのマンションにその男がいたことを思い出し、その男の部屋を訪ねるが、そこで発見したのは、男の刺殺体だった…!?刑事時代の若き十津川がとりくんだ五つの事件。傑作推理。
(アマゾンドットコムさんより)
では、ドラマ版感想を。
推理に無理があるかなぁ……。
普通は田村の遺体が出なかったら生きていると考えるだろうに、なぜ、自殺ではなく殺害されたと思うのか?
動機を重視し過ぎではと反省するシーンで、「2番目の被害者こそが犯人の狙いだったんだ!!」も「其処に行くかなぁ……」という感じか、動機のない殺人ならば他にも「交換殺人」とかもあるだろうに……。
かなり、作為的かつ無理がある展開のような……。
やっぱり、本作は複数の事件を無理矢理繋ぎ合せた印象を受けるんだよなぁ。
しかも、それを水増ししている―――今回は特にそう感じた。
ラストも宇佐美で引っ張るのかと思いきや、あっさり逮捕されちゃうし……う〜〜〜ん。
悪くはないけど、良くもないかなぁ……。
さて、来週は本作と同じく西村京太郎先生の「警部補・佐々木丈太郎」シリーズ2作目が放送。
・金曜プレステージ 西村京太郎スペシャル警部補・佐々木丈太郎「告白〜狙われた小学校…次々殺される育児放棄の親達!容疑者は女教師、生徒が目撃者崩壊した教室で何が」(8月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
上記のシリーズ続編ですね。
興味のある方は前作を予習して挑みましょう!!
<キャスト>
十津川省三:高嶋政伸
宇佐美隆利:国広富之
平塚八重子:山村紅葉
田村晋太郎:宮川一朗太
木戸和夫:渡辺裕之
新山春江:大島さと子
田村絵里子:山田キヌヲ
堀本美也子:黒沢あすか
古野清司:甲本雅裕
亀井定男:古谷一行 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
◆関連過去記事
【月曜ゴールデン版の十津川シリーズはこちら】
・月曜ゴールデン「十津川警部シリーズ44 特急ソニック殺人事件〜十年目の真実〜・DVDは殺人指令か?北九州の連続殺人に隠された驚愕の事実は」(4月11日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【土曜ワイド劇場版の十津川シリーズはこちら】
・土曜ワイド劇場「西村京太郎トラベルミステリー 伊豆の海に消えた女(西村京太郎スペシャル 伊豆の海に消えた女特急踊り子160分間の殺意!遺書と指紋の罠十津川警部vs謎の5人の美女)」(10月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「西村京太郎スペシャル 山形新幹線・つばさ111号の殺人!謎の駅に途中下車のトリック十津川警部vs黒い帽子の女…」(2月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・土曜ワイド劇場「西村京太郎サスペンス(西村京太郎トラベルミステリー55) 寝台特急カシオペア殺人事件・函館駅6分停車の罠!走る密室で妻が誘拐され消えた…十津川警部に謎の挑戦状!!」(11月27日放送)ネタバレ批評(レビュー)
【原作者・西村京太郎先生関連記事】
・関連するドラマはこちら。
土曜ワイド劇場「西村京太郎サスペンス鉄道捜査官 伊勢鉄道引き返せない単線列車からの脱出トリック!!2000万円の絵馬が連続殺人の謎を解く」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)
・関連するその他の事柄はこちら。
西村京太郎先生が選ぶ自身のベスト3作品とは?
「湯河原文学賞」作品募集!!(審査員をされてます)
「第二回麻雀トライアスロン 雀豪決定戦」に綾辻行人先生&西村京太郎先生が参加!!
【関連する記事】
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管理人の“俺”です(^O^)/。
ああっ……ホントだ間違っている!!
恥ずかしい……早速、訂正させて頂きます。
ご指摘、ありがとうございます。
助かりました!!