2011年06月03日

「ブルータスの心臓」(東野圭吾著、光文社刊)

「ブルータスの心臓」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。将来を嘱望される彼は、オーナーの末娘・星子の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を知り、困惑する。そんな矢先、星子の腹違いの兄・直樹から、同僚の橋本とともに、共同で康子を殺害する計画を打ち明けられ…。大阪・名古屋・東京を結ぶ完全犯罪殺人リレーがスタートした。傑作長編推理。
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

「ブルータスの心臓」……意味深長なタイトルです。

「ブルータス」と言えば、もちろん、あのブルータス。
彼に襲われたカエサルの「ブルータス、お前もか」の台詞で有名な裏切りの代名詞として知られる人物です。

で、本作ではラストのあのシーンを指したタイトルなんでしょうね。
カエサルがブルータスを信頼していたように、拓也もまた「ブルータス」に心を許していた。
その裏切り。

しかし、史実のブルータスと違い、拓也のブルータスは心を持たないロボットです。
コントローラーを握った人物の意思により右にも左にも動く。
まさにコントローラーを握る人物はブルータスの心臓です。
結果、心臓となった人物が「あの人」だった為に、拓也はブルータスに命を絶たれることとなった。
そんな感じのタイトルでしょうか?

ところが、拓也を殺害したあの人物はあの時点で、既に心が壊れています。
心の壊れた人間が、心を持たないロボットのコントロールを行い、唯一ロボットを愛した人間を手に掛ける……なんだか、とっても諧謔的ですね。

ミステリ部分を読むことはもちろん。
そういった部分に目を向けて読むのが本作の正しい読み方のような気がします。

さて、そんな「ブルータスの心臓」がドラマ化されるそうです。
詳細は下記よりどうぞ。
合わせて、同じくドラマ化される「11文字の殺人」&「回廊亭殺人事件」について原作ネタバレ書評(レビュー)もあります。

フジテレビにて、東野圭吾先生「11文字の殺人」&「ブルータスの心臓」&「回廊亭殺人事件」の3作がドラマ化!!

「11文字の殺人」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

「回廊亭殺人事件」(東野圭吾著、光文社刊)ネタバレ書評(レビュー)

果たして、実写化された「ブルータスの心臓」は如何に!?
気になりますね〜〜〜!!

2011年6月18日追記金曜プレステージ「東野圭吾・3週連続スペシャル第二弾!“ブルータスの心臓” 完全犯罪殺人リレー バトンは死体!大阪〜名古屋〜東京をつなぐトリックと殺意!悪女に翻弄されるエリート研究者の運命は!?」(6月17日放送)ネタバレ批評(レビュー)追加しました。
リンクよりどうぞ!!

<ネタバレあらすじ>

産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。
彼が心を許せるのは手がけたロボットのブルータスのみ。

やがて、野心家の彼は、オーナーの末娘・星子の婿養子候補になる。
これで拓也の将来は順風満帆かと思われた。
しかし、拓也の恋人・康子は妊娠していた。

そんな矢先、拓也は星子の腹違いの兄・直樹から同僚の橋本と共同で康子を殺害する計画を打ち明けられる。
実は康子は拓也以外に直樹や橋本ととも関係を持っており、誰が子供の父親か分からなかったのだ。

直樹の計画はこうだ。
3人のうち2人が大阪、名古屋へと出張する。
大阪担当が康子を殺害し、名古屋へ運ぶ。
名古屋担当に交代し名古屋担当が東京へ死体を運ぶ。
名古屋担当から死体を受け取った東京担当が死体を遺棄する。
そう、完全犯罪殺人リレーである。

結局、大阪には直樹、名古屋には拓也、東京を橋本がそれぞれ担当することに。
計画は完璧な筈だったが……拓也が運んだ死体は直樹の物だった。
直樹が殺害されたのだ。

こうして計画は頓挫したが、拓也は直樹殺害犯を捜しながら康子殺害を目論む。
矢先、橋本が直樹を騙って贈られた万年筆に仕掛けられた青酸により死亡。
この万年筆は拓也にも贈られており、犯人の狙いはあの計画に参加した者の抹殺と思われた。
つまり、直樹殺害犯が橋本を殺害し、拓也を狙っているのだ。
だが、それでも拓也は警察に保護を求めない―――星子の夫となり立身出世を果たすために。

康子は星子の父とも関係しており、子供の父親を選べるようにしていたことが判明。
康子のしたたかさに呆れ果てながらも感心した拓也は、隙を突き康子を殺害することに成功する。
残る懸案事項は直樹と橋本を殺した人物だ。
やがて、浮かび上がったのは意外な人物だった……。

犯人は同じ会社の悟郎だったのである。
実は恋敵を事故に見せかけて殺害していた悟郎。
それを直樹に知られた為に言いなりになっていた。

直樹は自身で康子に手を下すことを良しとしていなかった。
そこで、言いなりになる悟郎を利用しようとしたのだ。
その間に自身は完璧なアリバイを作っていた。
いざとなれば、拓也と橋本をも切り捨てる計画だったのだ。

しかし、そこを悟郎に逆に利用され殺されてしまった。
悟郎は拓也と橋本も計画に参加していたことを知り、2人の口封じを企んだのである。

悟郎の犯行に気付いた拓也は悟郎を呼び出す。
しかし、悟郎はロボットを製造する過程で心を病んでおり、拓也たちを殺さなければならないとの狂気に駆られていた。
こうして、悟郎は拓也を殺そうとする。
拓也は逆に悟郎を叩きのめすが……不意を突かれコントローラーを握る悟朗の手で、拓也の唯一の味方「ブルータス」に殺害されるのだった―――エンド。

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