<あらすじ>
公証人の真山壱成(渡瀬恒彦)は、山梨県甲府市の公証役場に着任する。役場の書記は元気のよい米倉環(安達祐実)だ。
公証人から弁護士に転じた天野正直(蟹江敬三)に連れられて、真山は役場近くのワイナリーを訪ねる。ちょうど経営者の星峰志津加(国生さゆり)を囲み、ここで作られたワインの国際コンクール初入賞を祝っていた。地元の情報誌記者、新田圭介(布川敏和)から、有機農法で丹念に作られたワインだと聞き、真山は感心する。
ところが、ワイナリーのオーナーである志津加の兄、和也(池田政典)が現われ、ワイナリーを売却すると騒ぎ出したため、和やかな雰囲気が一転する。
実は、このワイナリーは和也と和也の叔母、平山聡子(松金よね子)が共同で所有している。しかし、聡子とその息子、翔太(窪塚俊介)そして志津加は売却には反対していることから、志津加は真山に相談をもちかける。
そんな矢先、畑に毒薬がまかれた。翔太は和也の嫌がらせに違いないと憤り、殴りかかる。そしてその翌日、和也が死体となって発見され、翔太が逮捕された。
警察は事件と事故の両面から捜査を進める一方で、真山は翔太の弁護を引き受けた天野から事件に深入りしないようたしなめられる。
しかし、和也を知る人から話を聞きまわると、和也が5年前に交通事故を起こしていたことが判明。真山は、今回の事件との関係を推理する…。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……。
真山は、ひょんなことから新田が元東洋新聞の記者だと知る。
翔太が毒薬ばら撒き犯人として和也を疑っていたと聞いた真山は、ワイナリーを売ろうとしていた和也がその価値を下げるように毒薬を撒くだろうかと疑問を抱く。
同時に、翔太が志津加に恋心を抱いていることも知る。
さらに、和也の婚約者から和也が過去に事故を起こしていたことも判明。
関連してヨットハーバーに情報を仕入れに行ったところ、そこで和也の人となりを聞くことに。
海ではヨットを、陸では車を愛好していたと言う和也。
事故のことを確認するが、聞かれた相手は言葉を濁すばかり。
結局、確実なことは分からず、その場を去ることに。
拘束された翔太が証拠不十分で釈放される。
翔太によれば、殺害当日に和也を捕まえ責めたらしい。
その最中に、志津加への想いをからかわれた翔太は和也を突き飛ばし、怪我をしたと言う。
もちろん、和也を殺してはいないと語る翔太。
殺害当日、ワイナリー前に不審なスクーターが停められていたことが判明。
真山はそのスクーターに乗っていた人物こそが和也殺害の犯人であると推理する。
調べた結果、スクーターの持ち主が新田だと分かる。
真山は新田を疑うが……志津加はスクーターの件は自分が許可したものだと主張する。
なんでも、受賞した有名ワインを入手したので新田にテイスティングしてもらおうとスクーターを置いていくようお願いしたらしいが……。
新田も志津加の言葉を認める。
さらに、売買条件を巡り和也が殺害されたに違いないと口にする。
和也の婚約者から「和也が最近は車を避けていた」ことを聞かされた真山は、再度、ヨットハーバーに話を聞きに向かう。
和也が車を運転しない理由は、過去の事故にあった。
5年前、車を運転中に事故を起こした和也はその際にある女性を巻き込んでいた。
女性は死亡し、和也は業務上過失致死で罪に問われていた。
聡子に事故の詳細を聞く真山。
被害者の女性は世田谷に住んでいたらしい。
被害者が東洋新聞の記者であり、結婚直前だったことが判明。
真山は、新田との繋がりを思い浮かべる……。
畑に毒薬を散布した人物と和也を殺害した人物は同一であると考える真山だが、見込んだ人物が犯人である証拠はない。
そこで、事実実験を行うことに。
新田を呼び出した真山はワインのテイスティングを依頼する。
「これは初めての味です、飲んだことがない!!」と、一口飲んで褒め称える新田。
ところが、このワインこそが志津加がテイスティングを依頼したと証言した一本だった。
真山にその事実を告げられた新田は激しく動揺。
そんな新田に真山は、翔太が犯人の靴跡を発見したと教える。
一方、翔太は志津加にも同じ情報を教えていた。
深夜、こっそりと自宅を抜け出す志津加。
志津加の目的は靴跡を消すことだった。
そこへ現れた真山は、志津加が新田を庇っていると指摘する。
そこへ、真山の後方から現れた新田が真相を明かす。
畑に毒薬を撒いたのは新田だった。
そこを和也に目撃され、呼び出された新田は和也を殺害したのだ。
5年前に和也が起こした事故の被害者・長谷川美穂子の婚約者は新田だった。
新田にとって和也は婚約者の仇だったのだ。
和也は飲酒運転を隠すために、午後11時に起こした事故をその3時間後、翌日の午前2時に通報していたのだ。
美穂子はあと1時間早ければ助かっていた筈だった―――それを知った新田は和也に復讐を誓う。
新聞社を辞めて、ワイナリーに近付いた新田は機会を窺い復讐を果たした。
正当な復讐だったと主張する新田。
そんな新田に「新聞記者として真相を追究し世間に是非を問えば良かったのだ」と諭す真山。
そこへ現れた天野は新田に自首を奨める。
弁護も引き受けると言う。
残されたのは志津加の犯人隠匿罪だが、それも故意では無く過失だったと見逃すことに。
こうして事件は解決した―――エンド。
<感想>
「世直し公務員 ザ・公証人」シリーズ9作目。
前回は2009年6月29日の放送なので、約2年ぶりになるようです。
では、ドラマの感想から。
真山と天野のみ引き継ぎで、他の設定が変更になりました。
これまでの勤務先・武蔵府中公証役場から山梨県甲府市公証役場に舞台が変わり、それに伴い事務員がピンクの電話の竹内都子さんから安達祐実さんにバトンタッチされました。
しかも、天野が公証人から弁護士に。
かなりの変更ですね。
「これなら新シリーズでも良いのでは?」と考えてしまいますが……。
ドラマの内容的には―――
犯人が誰かには悩まなくても済むドラマでしたね。
志津加が新田を庇っていることは誰の目にも明らかだったでしょう。
もっとも、このドラマの本質は「フーダニット」にはないようですが……。
かと言って、テーマが何かと問われても答えられない……。
テーマあるのか、コレ?
強いて言えば、公証人シリーズのリブートぐらいだけど……それもなぁ。
環は事件に関わらず解決のヒントも出さず、完全なマスコットになっちゃってるし……。
場所を変えた意味があるのかどうか。
やっぱり、今のキャストで別の新シリーズ立ち上げた方がいいような気が……。
犯人の動機的には以前に視たこれを思い出しました。
・月曜ゴールデン「警視庁南平班〜七人の刑事〜3 古都伝説殺人事件!!日光・金沢で起こる不可解な悲劇の連鎖…東照宮の猿が四百年見続けた涙の真実!?失われた指が誘う死のルート!」(5月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)
ってか、これも「月曜ゴールデン」だ。
しかも、1月前の放送。
似た話をこんな短期間でやるのはどうかなぁ……。
今回、新シリーズへのプロローグ的な話だったと理解してもモヤモヤするなぁ……。
<キャスト>
真山 壱成(まやま いっせい):渡瀬恒彦
○
天野 正直(あまの まさなお):蟹江敬三
○
米倉 環(よねくら たまき):安達祐実
○
星峰 志津加(ほしみね しづか):国生さゆり
○
星峰 和也(ほしみね かずや):池田政典
新田 圭介(にった けいすけ):布川敏和
○
平山 聡子(ひらやま さとこ):松金よね子
平山 翔太(ひらやま しょうた):窪塚俊介 ほか
(公式HPより、敬称略)
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