2011年06月26日

土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介 函館〜横浜・同窓会不倫殺人!ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶネイルの傷とバターの謎!!」(6月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介 函館〜横浜・同窓会不倫殺人!ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶネイルの傷とバターの謎!!」(6月25日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

片岡悠介(寺島進)は、未解決事件の継続捜査を行う警視庁捜査一課の刑事。バツイチで、現在は元中学校教師で口うるさい母・美知恵(吉行和子)と二人暮らしだ。
片岡の高校の同級生でもある西青梅署長・手塚高志(杉本哲太)から、再捜査を依頼する電話が入った。今回、改めて捜査に当たってほしいのは、15年前、銀座の高級クラブのホステス・末次茜(坂口真紀)が殺害された事件だという。
15年前の2月20日、茜の死体は郊外の資材置き場で見つかった。遺体は死後3〜4日経過しており、死因は、硬度の高いもので頭部を殴られたことによる頭蓋骨陥没。凶器が見つからず、争った形跡もないことから、どこか別の場所で殺されて運ばれたものと思われた。
異性関係が派手だった茜に恨みを抱く人間は多かった。最も疑いが濃厚だったのは、同棲していた売れない画家・水島大樹だった。水島は事件当時、肝臓を患って入院中だったが、事情聴取で刑事が病院に向かうと、すでに逃亡した後だった。水島は人付き合いが皆無で、写真も入手できなかった。

悠介は、“全国警察官将棋名人戦”決勝大会の大事な対局で対戦した女性刑事・奥村澪(原沙知絵)や、西青梅署刑事の浅野直樹(金子貴俊)とともに再捜査を開始。遺体の映像を確認したところ、茜の手の爪に奇妙な傷がついていることを見つけて不審に思う。
また悠介は、犯行が2月17日と断定されていた点にも疑問を抱く。断定された根拠は、17日夜、死体遺棄現場の近くに不審な車がとめられていたという目撃証言が7件もあったためだった。
だが、片岡悠介はただひとり、18日の深夜に不審な車を見たという大学生の証言に注目する。また、茜の部屋に残されていた水島の指紋が意外な人物と一致する。つい先日殺害されたばかりのホストクラブ店長・シモン直人(村田充)だった。
その殺人事件は、警視庁捜査一課刑事・榎本香織(南果歩)が担当しており、香織は事件の背後に“ビスクドール(アンティーク人形)”が絡んでいると考えていた。悠介はかつて“ビスクドール”を所有していたという人形作家・小暮ちとせ(山本陽子)を訪ねるべく、函館に飛ぶが…!?
(土曜ワイド劇場公式HPより)


では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……

香織が担当しているシモン直人殺害事件について興味深い情報を聞く悠介。
なんでも、シモン直人殺害現場から「でんぷん、ビート糖、バター、水飴の混合物」が発見されたらしい。
しかも、それは部屋から外へと点々と続いていたと言う。
これは何を意味するのか?

一方、悠介が携わったのは15年前の茜殺害事件。
当時の捜査本部は、不審車を見たという多くの目撃情報から17日の犯行と判断。
茜と同棲し、事件直後に行方をくらました画家・水島に容疑が向いていたらしい。

当初こそ、当時の捜査本部と同じく17日の目撃情報に注目した悠介だったが、18日にもたった1人だけ目撃情報があると知り一変。
澪たちはこの目撃者が酔っ払っていたことから軽視するが、悠介は目撃者の証言が「ネズミ型風船につられて振り返ったところ不審車両を目撃した」との理路整然としたものだったことを重要視したのだ。

やがて、18日にネズミ型風船をイベントで飛ばしたことが判明し、証言の信憑性が確保される。
茜殺害は17日ではなく、18日だった。

この新事実に澪は亡き父を思い出す。

当時、この捜査に加わり、直後に病気で不慮の死を遂げた澪の父。
その最後の言葉は「18」だった。
澪の父は「犯行日が18日であること」に気付いていたのだ。
父の無念を思い涙する澪。
しかも、澪の父によれば、当時の捜査には本庁からも圧力がかかっていたらしいが……。

その頃、香織は例の混合物が綿あめの原材料であると知る。
しかも、混合物自体が小さな点状に付着していたことから、犯人がステッキまたは杖を持っていたのではないかと推理する。
さらに、シモン直人の部屋にあったビスクドールの本に興味を持った香織は、悠介の母・美知恵から「シャルロット」について聞かされる。

こちらは悠介。
茜の交友関係を追ったところ、幼馴染の飯倉里沙子という友人が浮上。
その夫・飯倉英司は悠介の来訪に危機感を抱くが……。

水島の指紋が殺害されたシモン直人のものと一致。
シモン直人の正体は消えた画家・水島だったのだ。

茜と水島双方を知るホストクラブのオーナー・真由美から新たな情報が飛び込んでくる。
茜はとある男に酷い目に遭わされて以降、偶然出会った水島に依存していたらしい。
ところが、茜が殺害された為に行き場を失った水島を匿っていたのだった。
しかも、茜が大物代議士・大田黒の愛人をしていたことも判明する。
だが、当の大田黒は既に死去していた……もちろん、シモン直人殺害犯ではありえない。

水島が描いた絵の中に「ビスクドール」を見つける悠介。
それこそ、美知恵が香織に語って聞かせた世界でたった2体しかないとされる「シャルロット」だった。
この2体には腰にシリアルナンバーが刻印されており、姉である「シャルロット1」は英国に、妹である「シャルロット2」は日本にあるとのことだった。
「シャルロット2」はとある彫刻家が日本に持ち込み、現在は人形作家・小暮ちとせの所蔵だと言う。

ちとせの作ったレプリカを見た悠介は、レプリカが本物と同じ黒い靴ではなく赤い靴を履いていたことに疑問を持ち、ちとせのもとへと向かう。

ちとせのもと訪ねた悠介は「シャルロット2」が既にちとせの手許を離れたことを知る。
ちとせの両親が肺炎を患ったちとせに薬であるストレプトマイシンを与えることと引き換えに、貿易商に譲ったとのことだった。

「シャルロット2」のレプリカを手に幸せそうに語るちとせ。
ここで悠介は、「シャルロット2」のレプリカが何故、赤い靴なのか尋ねる。
ちとせによれば、「赤い靴」の逸話に出てくる「きみちゃん」に擬えてのことらしいが……。
その最中、ちとせの爪に茜と同じ奇妙な傷があることに気付く。
しかも、ちとせは木彫りの杖を持っていた。

早速、ちとせの杖を調べる悠介だったが、綿あめの成分は検出されない。
シモン直人殺害はちとせの犯行ではないのか?
澪は「シャルロット2」を巡り、茜と水島が殺害されたと推測するが……。

18日の目撃者の証言にあった不審車両の持ち主が判明。
持ち主は大田黒と繋がりのある藤堂商事だった。
しかし、大田黒には茜の殺害された17、18日ともに完璧なアリバイがある。
殺害できたとは思えない。
だとすればなぜ、大田黒は捜査本部に圧力をかける必要があったのか?
悠介は思い悩む……。

直後、茜の本当の愛人が大田黒ではなく当時その末席秘書だった飯倉英司と判明。
しかも、ちとせの両親から「シャルロット2」を手に入れた貿易商・相馬の娘が飯倉里沙子と分かる。

澪は里沙子が所持していた「シャルロット2」を英司が無断で茜に贈ったのではと推理。
それを取り戻す為に茜を殺害したと考える。
大田黒はそれを隠ぺいする為に圧力をかけたとの結論である。

これに悠介は慎重論を唱えるが、澪はあくまで自説を主張。
こうして事情聴取を受けた飯倉英司は取り調べの末、茜殺害を認める。

その頃、香織の言葉から茜とちとせの爪の傷の秘密に思い至った悠介は澪を連れ再びちとせのもとへと向かうことに。

そこでは、ちとせと里沙子が対峙していた。
「シャルロット2」に亡き母の想い出を重ねていた里沙子は、ちとせの持つ「シャルロット2」を奪おうとしていた。
そう、レプリカとされた「シャルロット2」は本物だった。

過去、茜は里沙子の大切にしていた「シャルロット2」の足を破壊した。
その報復に里沙子の父は当時下請けだった茜の父の会社を潰した。
結果、茜の父は死亡してしまう。

茜は里沙子を恨んだ。

大人となり里沙子への復讐を企んだ茜は、里沙子の夫を奪おうと思いつく。
親友として里沙子に近付くと、飯倉英司に接近、不倫関係になった。
さらに里沙子にダメージを与える為に英司を通じて「シャルロット2」を奪った。

里沙子は「シャルロット2」を取り返す為に茜を殺害するが、肝心の「シャルロット2」は水島が所持していた。

15年後、シモン直人こと水島が「シャルロット2」の価値に気付き、里沙子の存在に行き当たる。
茜殺害も里沙子の犯行であると考えた水島は脅迫するが、逆に「シャルロット2」を奪おうとした里沙子に殺害されてしまったのだ……。

ここで、里沙子に人差し指を見せるよう求める悠介。
里沙子の指には、ちとせや茜と同じ傷が残されていた―――。

この傷は、本物の「シャルロット2」の靴の留め金を留める際に誰しもが受ける傷だった……。
里沙子が「シャルロット2」に触れた証拠である。

他に証拠がないと切り抜けようとする里沙子。
だが、悠介に抜かりはなかった。

里沙子のインタビュー記事に載っていたデザートのレシピが「でんぷん、ビート糖、バター、水飴の混合物」であったこと。
里沙子がシモン直人殺害時に腰を痛めて松葉杖をついていたこと。
その松葉杖からも例の混合物が検出されたこと。

これらの証拠に追い詰められた里沙子は茜殺害とシモン直人殺害を認める。

英司は妻が自白したことを知らされると、妻を庇う為に偽証したことを認め「妻は自分よりもシャルロットを愛していたんです……」と項垂れる。

里沙子が連行され、残された悠介とちさと。
里沙子はシモン直人殺害後、その部屋から「シャルロット2」を回収。
修復の為にその道の第一人者であるちさとに依頼していたのだ。
その後、ちさとは本物であることを隠す為にレプリカと偽っていた。
里沙子が逮捕されたことで「シャルロット2」を手に入れたちさとは会心の笑みを浮かべる……。

こうして事件は解決。
澪の父の無念を晴らした悠介は澪に見送られながらその場を去るのだった―――エンド。

<感想>

「再捜査刑事・片岡悠介」の第2弾、「再捜査刑事」もシリーズ化されました。
前作は2010年3月13日に放送されているので、実に1年3カ月ぶりの続編となります。
シリーズ1作目についてはネタバレ批評(レビュー)ありますね。

土曜ワイド劇場「再捜査刑事・片岡悠介 時効まであと10日!東京〜山形天童、2つの迷宮入り事件を結ぶ15年前の殺人免許証」(3月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、第2弾の感想を。

シナリオ上の努力は分かるが、かなり厳しいかなぁ……微妙と言うよりは面白くない。

まず、分かりにくい。
最初から見るよりもラスト30分から見始めた方が良く分かるのは致命的。
それくらい無駄なミスリードが多過ぎて混乱する。

特に、割と尺をとっていた「犯行日が17日か18日か」の問題が物語のメインとなるかと思われたが、関係ないのには驚いた……。
てっきり犯人選定に関わるものと思ってた。

それと、情報量が多い割に結論に繋がらず、空回りしていたのもマイナス。
例えば、「茜の愛人が大田黒→実は、愛人は英司だった!!」とか。
これが、誰かの証言をヒントに大田黒ではなく英司であることを突き止めたのならアリだが、澪の報告ひとつで済ませたのはダメだと思う。
しかも、澪に「真由美の勘違いだったんですよ」と言わせたのはどうか。
少なくとも、誰の情報で英司が茜の愛人だと判明したのかは明確にすべきだった。

他にも真相に繋がる重要な情報がすべて報告だけで済まされていたのも苦しい。
事実の羅列では「あらすじ」と変わらずドラマを視る意味がなくなる。

それと、実は……と後出しするのならば伏線を張るべき。
犯人である里沙子に関連して後出しが多過ぎたのもマズイと思う。

全体的にドラマを視たと言うには不完全、プロットだけを視たとの感がある。
もう少し物語性を足すべき。
これらは「ネタバレあらすじ」を読んで頂ければ分かるかと。

折角、シリーズ化したので次回に期待。

<キャスト>

片岡悠介:寺島 進
榎本香織:南 果歩
奥村 澪:原沙知絵
浅野直樹:金子貴俊
手塚高志:杉本哲太
片岡美知恵:吉行和子
飯倉里沙子:田中美奈子
飯倉英司:神保悟志
沼田真由美:萩尾みどり
小暮ちとせ:山本陽子 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)


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