2011年06月27日

知人が「謎解きはディナーのあとで」でミステリにハマった!!では、次に奨めるべきミステリは?

「謎解きはディナーのあとで」が大人気です。
その影響で作者の東川篤哉先生の他の著作が脚光を浴び、注目を集めています。
ただ、「謎解きはディナーのあとで」では東川先生のそれまでの作品と毛色が違っていたのも事実。
一部には他に似たような作品を知りたいとの声も多いようです。

では、東川先生の作品以外で「謎解きはディナーのあとで」でミステリにハマった方にオススメすべき作品とは何でしょうか?

まずは「謎解きはディナーのあとで」の特徴をまとめてみましょう。

@ユーモアミステリである。
A個性的なキャラクターが登場する。
B読み易い。
Cサプライズが用意されている(ただし、ロジック重視)。

以上、次の4つの条件を満たしているものが同系統のオススメ作品と言えると思われます。

ユーモアミステリと言うと、このジャンルでは赤川次郎先生、天藤真先生などが思い浮かびますが、管理人は次の4作品をオススメしたいと思います。

◆「七回死んだ男」西澤保彦先生

<あらすじ>

同一人物が連続死!恐るべき殺人の環
殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎(ふちがみれいじろう)老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは!時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
(講談社公式HPより)


もう設定からしてユーモアとサプライズ以外の何物でもありません。
読み易さも確実。
主人公・久太郎を除くとキャラクター面でちょっと弱いかもと思われますが、それでも普通のミステリに比べれば充分に濃い。
かなりのオススメ。

難があるとすれば「謎解きはディナーのあとで」のような短編では無く長編であることか。
ちなみに本作が気に入ったならば、「チョーモンインシリーズ(神麻嗣子シリーズ)」もオススメ。
こちらはキャラクターも設定も凄い。
ただ、ロジックが些か超越し過ぎてて厳しいかも。

「七回死んだ男」(西澤保彦著、講談社刊)ネタバレ批評(レビュー)

◆「猫丸先輩の推測」倉知淳先生

<あらすじ>

本格ミステリの快感!童顔探偵がすべてを解決

『家 火災、至急連絡されたし。』夜な夜な届く不審な電報、花見の場所取りをする新入社員を次々襲う誘惑と試練、行方知れずの迷い猫……。平和だった毎日を突然かき乱す小さな「大事件」を、神出鬼没&ほのぼの系の名探偵・猫丸先輩が鋭い推理でずばり解決! これぞ本格ミステリの精粋といえる6編を収録。
(講談社公式HPより)


飄々とした自由人・猫丸先輩が主人公となるシリーズ作品の1つ。
短編集なので読み易く、キャラクターも立っている。
全体的にほのぼしており、解決がユーモアに直結しているものも多い。

全編で、「悩みの主が疑問に遭遇。猫丸がそれを解決」とパターン化されておりサプライズも多い。

◆「亜愛一郎の逃亡」泡坂妻夫先生

<あらすじ>

完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、背中に突き傷を負った男の死体が……。ネス湖の怪獣よろしく、北海道の湖に現われたという双頭の蛸を取材するために駆けつけた記者の目前で起こる殺人事件……等々、一見何気ない事件の陰に潜む作為を嗅ぎ取って真相を言い当てる亜愛一郎。シリーズ掉尾を飾る傑作。さらば名探偵! 解説=我孫子武丸
(東京創元社公式HPより)


探偵名鑑では一番最初に名前が載る(50音順で)であろう「亜愛一郎」シリーズの最終作です。
何故、シリーズ最終作かと言うと、ラストの亜愛一郎の正体が判明する短編が好きだから。
個人的な趣味です。

とはいえ、読み易さやロジック重視のサプライズは流石の域。
時代の関係でキャラクター性は些か弱いかもしれませんが、それでも十分に楽しめます。

難があるとすれば、ユーモアがちょっと弱い!?

◆「人形はこたつで推理する」我孫子武丸先生

<あらすじ>

異色の人形探偵が難事件を次々解決。
人形探偵が大活躍する青春ユーモアミステリー。
風変わりな腹話術師が操る人形の名は鞠小路鞠夫(まりこうじまりお)──彼って実は名探偵なのです!

鞠小路鞠夫──私が密かに思いを寄せる内気な腹話術師・朝永嘉夫(ともながよしお)が操る人形の名前です。出会ったのは幼稚園のクリスマス会。園で飼っている兎が死んだ事件を見事な推理で解決してくれました。そう、「彼」は実は頭脳明晰な名探偵だったのです。異色の人形探偵コンビが大活躍する青春ユーモア・ミステリー!
(講談社公式HPより)


キャラクター性は探偵が人形(実際は腹話術師ですが、独立した人格と呼べるぐらい)ということからもバッチリ。
ユーモアもたっぷり仕込まれており、サプライズもロジックもあり。
読み易さの面も合格点。
鞠夫と妹尾睦月のかけ合い、朝永との恋の行方も注目の1作です。
シリーズものなのもポイント高し。

難があるとすれば入手しづらいことか。
見かけたらチェックされることをオススメします。

以上、「謎解きはディナーのあとで」からミステリに興味を持たれた方に「ミステリ通信 創刊号」管理人が自信をもってオススメする4作品でした。

面白さは実証済みなので、是非読んでみてください。

「七回死んだ男 (講談社文庫)」です!!
七回死んだ男 (講談社文庫)





「猫丸先輩の推測 (講談社文庫)」です!!
猫丸先輩の推測 (講談社文庫)





「亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)」です!!
亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)





「人形はこたつで推理する (講談社文庫)」です!!
人形はこたつで推理する (講談社文庫)



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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせていただきます。しばらく前から毎日のように覗かせていただいておりますが、詳細なレビューは当方が読んだ本の備忘録として非常にありがたいです。
勝手ながら、今後もこのブログをずっと続けていただけることを切望いたします。

さて本題ですが、
「貴族探偵」「富豪刑事」
などいかがでしょうか。
Posted by おさる at 2011年06月27日 05:13
Re:おさるさん

コメントありがとうございます(^O^)/。
管理人の“俺”です!!

「貴族探偵」と「富豪刑事」ですね。
管理人もお薦めに入れるか悩みましたが敢えて外した2冊です。

理由は「謎解きはディナーのあとで」のネタバレ書評(レビュー)にも記載していますが、「貴族探偵」がロジック特化、「富豪刑事」がユーモア特化と判断した為です。

今回は記事中にもある通り4条件を重視し、バランス重視でいきました。

でも、本来なら「謎解きはディナーのあとで」と設定的に近いこの2冊も十分にお薦め出来る作品ですよね。
「続・『謎解きはディナーのあとで』に次いでお薦めすべき作品は?」の記事をまとめた際には是非、加えたいと思います(^O^)/。


励ましを頂けるとブログを続けていく上で意欲に繋がります。
今後もマイペースながら続けていく予定ですので宜しくお願いいたします!!
Posted by 俺 at 2011年06月28日 22:50
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