<あらすじ>
木工の工房を営む岡田岩児(武田鉄矢)の元にある日、仮出所を迎えた一人の受刑者・佐伯康之(橋爪遼)が刑務官の橋本(石倉三郎)に連れられてやってくる。岡田は元刑事だったが、犯罪を犯し刑に服した弟が出所後、更生の道を歩み出した半ばで自殺してしまったという悲しい過去を持っていた。そのため自分が営む工房では積極的に元受刑者を雇用し、罪を犯した人間の更生への手助けをしているのだった。岡田の工房では既に徳重豊(大沢樹生)、石垣譲(相島一之)、里井美樹(中園友乃)の三人が従業員として働いていたが、三人とも皆それぞれ罪を犯した過去を背負っていた。そんな岡田工房に佐伯という新たなメンバーが加わった矢先のある日、工房に美術鑑定士の藤川弘子(麻生祐未)という女が突然、訪ねて来る。弘子はとある古美術商から殺人罪で服役中の弟・和弘が手掛けた作品を岡田工房が取り扱っていると聞き出し、弟の作品を追い求めて訪ねてきたのだ。
ところが、弘子は工房にいる徳重の姿を目にすると突然態度を激高させる。何故なら弘子が溺愛していた弟が殺人を犯す原因を作ったのが詐欺行為を働いていた徳重だったからだ。徳重自身も詐欺罪で服役し既に刑期を終えていたが、徳重はせめてもの罪滅ぼしとして、刑務所の中で作品を作り続けている和弘の作品が世の中に出るよう取り計らっていたのだ。だが、弘子は徳重のせいで殺人を犯した弟がまだ服役中であるのに、徳重が先に人生のやり直しをしているのは許せないと激怒し、今度は自分が徳重を殺すと言い放って立ち去ってしまう。
その夜、岩児は気落ちする徳重を慰めるのだが、翌朝、徳重がいつもお参りしていた神社の階段下で死んでいるとの連絡を警察から受け、現場に駆けつけた岩児は愕然となる。工房の面々は弘子が係わっているのではといきり立つが、岩児は独自に調べ始めるが……。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
徳重の過去の詐欺行為は、美術評論家と結託することで、芸術家志望の若者たちに「売れるようにしてやる」と声をかけ金品や肉体関係を迫るとのものだった。
和弘の場合は、弘子に「和弘を売り込んでやる」と話を持ちかけ評論家に肉体関係を斡旋していた。
事を知った和弘は怒り狂うと、当の評論家を殺害、徳重の足を負傷させたのだった。
こうして、和弘は殺人罪、徳重は詐欺罪でそれぞれ罪に服した。
その後、自身の罪を反省した徳重は岩児のもとで和弘への罪滅ぼしをすべく和弘作の蒔絵を広めようとしていた。
その矢先の転落死だったのである。
事故死との見解が大勢を占める中で、岩児たちは徳重が殺害されたと考える。
事件について調べ始める岩児たち。
だが、転落死以降、岩児たちには世間の風当たりが強くなり苦境に立たされるようになっていく。
精神的に追い詰められていく岩児たち。
そこへ新たな事実が判明。
徳重が別れた妻に仕送りしていたことが分かったのだ。
徳重の元妻を訪ねた岩児。
元妻は徳重の死を知った途端、態度を急変させる。
その姿に何かあると考えた岩児だが……。
直後、橋本から「徳重を殺害したのはスーツに白いスニーカーの女との情報が入った」と知らされる岩児。
それは徳重殺害当日の弘子の服装だった。
この情報で徳重の転落死は殺人事件に転換。
弘子の事務所から徳重の血に染まったスニーカーが発見されたことで、弘子は容疑者として拘束されてしまう。
岩児は、その人間観察の力で弘子の無実を確信していた。
今度は弘子の無実を立証すべく調べ始める。
そこで浮上したのは、和弘の元婚約者・木津慶子だった……。
慶子は和弘が罪に服した後に別の相手と結婚していた。
徳重の殺害現場に残された靴跡が、弘子愛用のスニーカーと異なっていたことから、同じ白いスニーカーであっても別の物だったと突き止めた岩児。
つまり、偽のスニーカーを置くことが出来る人物。
最近になって弘子を訪ねた者の中に犯人が居る!!
岩児から事情を聞かされた弘子だが犯人を庇う。
実は、弘子が拘束される少し前に慶子が訪ねて来ていたのだ。
犯人は慶子だった。
頑なに犯人を明かさない弘子に岩児は「人を殺してしまった犯人は罪を償わない限り苦しみ続ける」と説得する。
だが、弘子は慶子の名前を明かさない。
ついに慶子の元へと辿り着いた岩児。
慶子の結婚生活は既に破綻しており、慶子は夫の元を離れ1人暮らしをしていた。
慶子と対峙した岩児は彼女を犯人と指摘する。
慶子はずっと和弘を待つつもりだった。
だが、「和弘も待たれるのは辛いだろうから」と弘子は慶子に結婚相手を紹介し結婚させていた。
しかし、慶子は結婚してからもずっと和弘を想い続けていたのだ。
そもそも、弘子が騙されなければ和弘が殺人を犯すこともなく、慶子は和弘と結婚していた筈だった。
それでも我慢していた慶子だが、弘子が自分の気持ちを全く理解していないと知り逆上。
弘子を憎むことに。
しかも、徳重の所在も判明したことで慶子は徳重を殺害し弘子に罪を擦りつけることを画策。
実行に移したのだった。
岩児は徳重の最後の感情を代弁。
徳重は慶子に突き落とされる直前、慶子の腕を握り締めていた。
そこから反撃も可能だったが、自身の罪深さを知り敢えてされるがままに突き落とされたのだった。
これを聞かされた慶子は号泣、罪を認める。
徳重の元妻が態度を急変させたのは徳重の死を知り、犯人が弘子だと考え談判しに行く為だった。
彼女は徳重を愛していたのである。
こうして、徳重の遺骨は家族のもとへと帰っていく。
弘子は自由になるが、慶子を追い詰めたと反省する。
そこへ、橋本から連絡が。
慌てて駆けつけた弘子に手渡されたのは、和弘が作った蒔絵。
「和弘は本当に反省するために弘子と会おうとしないのだ」と語る岩児。
「もうすぐ、弟さんに会える」と弘子を励ますのだった―――エンド。
<感想>
武田鉄也さんによる新シリーズです。
人情物でしたね。
ミステリ的には特にありません。
全体の感想としては、抜群というほどではないですが、結構、良かった気がします。
充分、続編を期待できる作品だと思いました。
アリです。
ちなみに「3年b組金八先生」の大森巡査役でお馴染みの鈴木正幸さんも靴屋の店員役で出演されていましたね。
登場場面も金八先生と大森巡査のオマージュっぽくて、あのシーンでは和みました。
それにしても麻生祐未さん、最近はエキセントリックな役ばかりですね……。
特に、今回の弘子は弟を想う姉というよりは、ちょっと情緒不安定な人のように見えました。
すぐに誰彼かまわず「殺してやる」とか口にしないで、もっと殺意を内に秘めるぐらいの方が良かった気がします。
まぁ、真犯人ではないわけですが……。
<キャスト>
岡田岩児:武田鉄矢
○
藤川弘子:麻生 祐未
○
木津慶子:高橋かおり
○
冨永 悟:山崎銀之丞
石垣 譲:相島一之
熊田冴子:築山万有美
里井美樹:中園友乃
佐伯康之:橋爪 遼
靴屋の店員:鈴木正幸
藤川和弘:桑原和生
○
徳重 豊:大沢樹生
○
橋本秀次郎:石倉三郎 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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