<あらすじ>
京都南署の鑑識官・円城寺りつ子(田中美里)は、上司の志賀主任(小林稔侍)と共に京都で300年の歴史を誇る華道“一条流”の花展(かてん)会場を訪れた。最近、一条流を習いはじめた後輩の常磐康介(長谷川朝晴)に誘われたのだ。
実は、一条流の家元は3カ月前に急死しており、この花展の作品によって次の家元が決まるという、一条流にとっては大事な花展だった。
その次期家元候補は、3人…。義和の未亡人であり、会員の信頼も厚い一条貴和子(池上季実子)、家元の母親、静子の姪・薫(八木小緒里)、一条流出身のフラワーデザイナーの日向理恵(伊藤裕子)だ。
3人が生けた花は、それぞれの持ち味や特徴がよく出ているものだったが、現在、理事長として一条流を牛耳る静子は理恵の作品がことのほか気に入った様子で、貴和子の作品などは一瞥しただけで前を通り過ぎてしまった。
翌朝早く、りつ子のもとにホテルの客室で変死体が発見されたという連絡が入る。急いで現場に向かったところ、なんと一条流の家元候補のひとり、薫が青いバラを浮かべた浴槽の中で絶命していた。手首には刃物による傷があり、直接の死因は出血死だったが、その傷の状態から、りつ子は自殺ではなく他殺と考える。
一条流の花展は現場のホテル内の会場で開催されており、花の手入れのため、関係者全員がホテルに宿泊していた。刑事課の大山主任(東幹久)らは、やはり跡目争いがからんだ殺人だとにらむ。
まもなく、室内に残された指紋から同じ家元候補の理恵のアシスタント・相沢宏樹(古澤蓮)が容疑者として浮上。しかし、そのアリバイが証明され、理恵もまた容疑者リストから外される。
そんな中、薫が生前、「自分が家元を継承したら一条家から出ていってもらう」と貴和子に宣告していたことが明らかになり、大山らは貴和子に疑惑の目を向ける。
だが、りつ子にとって最も不思議な点は、なぜ薫は青いバラが浮かぶ浴槽で殺害されたのか、ということだった。青いバラは着色料を使用して作られた、特殊なものだった。被害者が着色した花を浮かべて入浴したのではなく、犯人が殺害後、浴槽にバラ浮かべたのだろうか…!? でもなぜそんなことを…!?
その謎が解けぬうち、今度は一条流に出入りする生花店社長・西田圭吾(四方堂亘)が他殺死体で発見され、事件は混迷の度合いを深めていく…!
(土曜ワイド劇場公式HPより)
では、続きから(一部、あらすじと重複あり)……
なぜ薫は青いバラが浮かぶ浴槽で殺害されたのか?
りつ子は犯人が何か色が出るものを浴槽に落としたことを隠す為に色が染み出る青いバラを浮かべたと推理する。
矢先、一条流と取引のある西田生花店の社長・西田が殺害される。
西田の足には何かで引っ掻いたような傷が残されていた……。
同じ頃、西田の妻・綾乃が一条流へと乗り込んでいた。
綾乃の息子・疾風は、西田の実子ではなく家元である義和の隠し子だと主張したのだ。
これを受け、静子は喜和子がすべての事件の犯人であると罵ると、疾風こそ家元に相応しいと支持にまわる。
捜査陣も喜和子こそが犯人ではないかと疑っていた。
りつ子は喜和子の無罪を信じ、それを立証しようと動き出す。
西田の服から殺虫剤、靴から園芸肥料が検出。
さらに、足の引っ掻き傷がバラのものであり、上着の袖から月下美人の花粉が検出される。
ここからりつ子は、西田がバラ栽培場で殺害されたと推測する。
その頃、一条流では綾乃が影響力を増していた。
静子の支持を受けた綾乃は強引にすべてを手に入れて行く。
一方、りつ子はバラ栽培場で血痕を発見。
西田殺害現場を断定する。
りつ子たちは、死体発見現場と殺害現場が離れていることから、死体を車で運んだ筈と考えた。
そこで喜和子、理恵、綾乃の3人の車を調べることに。
だが、目に見える証拠は出て来ない……。
りつ子たちが焦り始めたそのとき、綾乃宅で月下美人を発見。
続いて、薫の浴槽の水から、藍染めに使われるタデ科の植物に含まれる「インディカン」が検出。
しかも、ある人物の車から月下美人の花粉も見つかっていた。
玉木刑事課長は犯人を突き止めたとして関係者を呼び出す。
集められた静子、喜和子、理恵、綾乃の前でりつ子が捜査の結果を明かしていく。
犯人は2つのミスを犯していた。
西田は殺害される直前に、自宅にあった月下美人に触れていた。
そこで袖に花粉がつき、犯人が西田の死体を車で運んだ際に車内に花粉を落とした。
薫殺害時、犯人は藍染めの品を誤って浴槽に落とした。
そこで誤魔化す為に青いバラを浮かべた。
これらから導き出される犯人の名は―――理恵だった。
理恵の車から月下美人の花粉が検出。
そして、薫の浴槽に落としたものは理恵が身に着けていた藍染めのストールだったのだ。
理恵は薫に馬鹿にされたことで逆上。
薫の飲み物に睡眠薬を投じ、眠らせると浴槽で手首を切り自殺に見せかけ殺害した。
だが、この際に思わぬ抵抗に遭いストールを落としてしまった。
そこで、青いバラを浴槽に浮かべ誤魔化した。
ところが、出入りするところを西田に目撃されてしまった。
そこで、西田を口封じに殺害したのだった。
25年前、幼かった理恵は一条流の敷地に立ち入り無断で花を摘んでしまった。
そこを薫に発見され、騒ぎになった。
その際に静子に拾われ、弟子となっていた。
だが、ずっと憤懣遣る方ないものが溜まっていたのである。
一条家の人間でない限り、どんなに実力があっても肝心のところで評価されない。
そこで、理恵は世襲ではなく実力で家元になれるように改革しようとしていたのである。
喜和子は疾風が義和の子供だと以前から知っていた。
そこで、ずっと疾風を見守り続けていたらしい。
このことを知った静子は、疾風が後継者として一人前になるまで喜和子に家元を任せることにする。
こうして事件は解決。
事件を通じてりつ子は華道に目覚めたが、志賀は「人には向き不向きがあるんだけどなぁ」1人心に思うのであった―――エンド。
<感想>
「京都南署鑑識ファイル」シリーズ6作目。
前作が2010年11月6日の放送だったので、ほぼ10カ月ぶりの新作となりました。
前作(5作目)のネタバレ批評(レビュー)はこちら。
・土曜ワイド劇場「京都南署鑑識ファイル 狙われた映画女優〜連続殺人の罠!!圧迫痕花粉、掌紋…科学捜査が暴く真犯人の秘密」(11月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さて、今回の感想は。
今回、かなり良いのではないでしょうか。
少なくとも前回よりは完成度が高い印象。
謎も興味深かったし、犯人を特定する証拠とも連動していました。
無理などんでん返しも無かったし、物証も上手く物語中で消化出来ていました。
無駄なミスリード要員も居なかったし、高評価です。
まぁ、視聴者の推理の入り込む余地が無いのが難点ですが……。
それも、このシリーズらしいと言えばらしいのでアリです。
ただ、静子のラストでの豹変ぶりは凄かったですね。
人間変わっとるがな……。
<キャスト>
円城寺りつ子:田中美里
志賀隆造:小林稔侍
大山主任:東 幹久
玉木刑事課長:黒田福美
常盤康介:長谷川朝晴
久坂竜子:茅島成美
一条貴和子:池上季実子
日向理恵:伊藤裕子
桂木彩乃:宮本真希
一条静子:赤座美代子
一条 薫:八木小緒里 ほか
(敬称略、順不同、公式HPより)
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こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!
同じ感想を持って頂けて嬉しいです!!
本作は、管理人的にラストも含めてシリーズ屈指の完成度との印象です(^O^)/!!