2011年09月07日

「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)

「狼と兎のゲーム(第1回)」(我孫子武丸著、講談社メフィスト連載)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

●新連載!! 今野敏 「宇宙海兵隊ギガース6」

●我孫子武丸 「狼と兎のゲーム」

<特集>
新世代メフィスト賞作家競作「名探偵」
望月守宮/赤星香一郎/白河三兎/天祢涼/丸山天寿

<短期集中連載>
今野敏/あさのあつこ

<読切小説>
赤城毅/木原浩勝/福田栄一/麻見和史/深水黎一郎/西尾維新/望月守宮/赤星香一郎/白河三兎/天祢涼/丸山天寿

<連載小説>
我孫子武丸/二階堂黎人/綾辻行人/有栖川有栖/円堂都司昭/喜国雅彦/石黒正数

<巻末>
座談会
(アマゾンドットコムさんより)


<感想>

我孫子武丸先生の新連載です。

読んでみましたが、火種と導火線がイッパイですね。
誰が殺害されてもおかしくない状況。

中でも注目はプロローグで逃げ続ける智樹とコスモの状態。
どうして、2人は逃げ続けているのか?

考えられるのは2人が誰かを殺害してしまったからか。
だとすれば、コスモの父が被害者となるのか?
タイトルが「狼と兎のゲーム」だけに意味深ですね。

そして、もう1つ気になるのが、コスモの担任である女性教師の描写。
本筋に関わって来ることはほぼ間違いないでしょう。

かなり、センセーショナルな描写が多かった第1回。
果たして次回の展開は如何に!?

<ネタバレあらすじ>

小学生の智樹は同級生のコスモと共に逃げ回っていた。
何に追われているのか……それは分からないが、智樹が追われる原因はコスモにあるらしい。
しかし、智樹はコスモも被害者なのだと考えていた―――。

智樹とコスモが逃げ出す前へと時間は遡る。
智樹とコスモは同級生、だが、コスモは同級生の間ではすこぶる評判が悪かった。
なぜなら、すぐに暴力を振るうからだ。
その為に、友人と呼べるのは智樹しかいなかった。
ただ1人、智樹だけはコスモが暴力を振るう理由を知っていたので、どうしても嫌いになれなかった。

コスモにはガイアという名の弟がいる。
そのガイアがある日、ガタガタと震えだした。
それは、智樹がコスモの家へ遊びに行った時のこと。
その場に居たのは智樹、コスモ、ガイアの3人とコスモたちの母だった。
どこにでもある風景の筈だった……あいつが帰宅するまでは。

その日に限ってそいつが早々と帰宅した。
途端、ガイアが肩を抱いて怯え出し、それをコスモが庇った。
コスモたちの母はそいつに呼び出されると部屋の外へ消えた。
暫くすると悲鳴が聞こえ、智樹がおそるおそる覗きこむとそいつが暴力を振るっていた。
後で知ったことだが、そいつがコスモとガイアの父親だった。

それからすぐにコスモたちの母は家を出たらしい。
直後、残されたコスモとガイアに生傷が絶えなくなった。
智樹とコスモの担任である女性教師はコスモを心配したものの、コスモは柔道の練習で怪我をしたと苦しい言い訳を繰り返していた。
やがて、コスモは本当に柔道の練習を始めた。
いつか、父親を倒す為らしい。

ある日の帰り道、智樹とコスモは派出所の前で凍りついた。
それもその筈、その派出所にはコスモたちの父親が居たからだ。
それも制服を身に着けて。

そう、コスモたちの父親は警察官だったのである―――1話了。

【我孫子武丸先生関連過去記事】
・[速水三兄妹シリーズ]
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◆我孫子武丸先生のその他の作品はこちら。


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