2011年09月17日

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ41 佐渡伝説殺人事件 鬼伝説に隠蔽された遍路殺し!地獄からの手紙復讐告げる数え唄の謎同級生を襲う死の連鎖恩讐の彼方から蘇った“願”に込めた親子の業は?」(9月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ41 佐渡伝説殺人事件 鬼伝説に隠蔽された遍路殺し!地獄からの手紙復讐告げる数え唄の謎同級生を襲う死の連鎖恩讐の彼方から蘇った“願”に込めた親子の業は?」(9月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

ルポライターの浅見光彦(中村俊介)は石地蔵群や地蔵尊の原稿が山河舎出版の塚原為男編集長(安藤彰則)に認められ、食事をごちそうになった。深夜、飲みすぎてしまった浅見が千鳥足で歩いていると、路上に男が倒れている。浅見が倒れている男に近づくと、背後から布を押し付けられ、異質なにおいが鼻と口を覆い、浅見の意識が遠のいていく。
「起きろ!」という声に混濁した意識を回復した浅見は、刑事や警察官に囲まれていた。路上に倒れていた男は撲殺死体となっており、浅見の右手は石を持っており、赤い血のりが付着していた。
死亡した男性は駒津良雄(及川いぞう)という人物で、明和商事の常務取締役だった。取調室の浅見を駒津の妻の百合子(服部妙子)がマジックミラー越しに見るが、浅見のことは知らないという。
浅見が警察庁刑事局長の浅見陽一郎(榎木孝明)の弟だと判明し、陽一郎の計らいで、浅見は捜査協力者という形で、事件と関わることになった。
刑事の小堀(片桐竜次)と現場に立ち会った浅見は、背後から浅見に近づいた人物の顔は見ていないが、足元のハイヒールが見えたと打ち明ける。浅見が通りかかったのは深夜2時で、駒津の死亡推定時刻は10時から12時、深夜で人通りが少ないとはいえ、2時間も発見されずにいたのだ。そして、駒津の所持していた手帳には「願」と書かれた四つ折りの紙片がはさまれていた。
浅見は駒津の娘の彩子(原幹恵)と良雄の遺体が発見された栄町に行き、生花を手向ける。浅見が良雄の持っていた「願」と書かれた紙のことを話すと、彩子は先月の初めから一週間ごとに「願」と一文字書かれた葉書が良雄の元に届いていたことを打ち明ける。良雄は何かを恐れている様子だったという。
浅見が駒津家で、四通の「願」と書かれた葉書を百合子から見せてもらっている時、良雄と大学時代の同級生の東都大学の三輪昭二教授(中丸新将)の遺体が佐渡島で発見されたと連絡が入る。実は、三輪の元にも「願」と書かれた葉書が届いていた。民俗学が専門で、各地の伝承文化を研究する三輪は葉書をかばんに入れて佐渡島に向かったようだ。
浅見は事件の真相を探るため、彩子と共に佐渡島に向かう。
(金曜プレステージ公式HPより)


では、続きから……(一部、重複あり)。

佐渡に「願」という地名があることが判明。
そこで、40年前に子連れの女巡礼が死んでいたことが分かる。
残された子供―――少女は施設に引き取られていた。

当時の第一発見者が東都大生と聞いた浅見は、駒津と三輪こそがその学生ではないかと考える。

少女の行方を追った浅見は少女の名前が林道子であることを突き止める。
しかも、道子の現住所は駒津の殺害現場のすぐ近くだった。

殺された駒津と三輪が月刊「シリウス」に同窓生として記事に掲載されていたことが判明。
記事に掲載された同窓生は全部で4人。
駒津と三輪以外にも、40年前の発見者はもう2人いたのだ。
その2人こそ、衆議院議員・谷田部と帽子屋店主・村岡だった。

「シリウス」の出版元である山河出版に確認したところ、道子が駒津たちの住所を尋ねていたことを突き止める。

道子の母の死に何か秘密があるのでは―――浅見は道子に直接問い質す。
当時はまだ幼かった道子の記憶によれば、目撃者の筈の学生4人が倒れた女性の前で囲むように相談していたと言う。
その女性こそは道子の母だった。

大人になった道子は母の死に疑問を抱き、調べていたらしいが……。

残った2人のうち、村岡に事情を訊く浅見。
村岡はすべてを明かす。
40年前、道子の母は谷田部に乱暴されそうになり倒れた拍子に死亡してしまったのだ。

駒津の常務への出世も谷田部の力だと知った浅見は過去の事件が今回の殺人事件の動機ではと推理する。

一方、小堀は道子こそが駒津殺害の犯人ではと疑うが……。

道子が引き取られた林家は駒津の縁者だったことが分かる。
駒津は残された道子のことを考え、育てて貰うように依頼していたらしい。

浅見は道子が恩人である駒津を殺害したとは考えにくいと判断。
むしろ、秘密を知っている人間の口封じを企んだとして谷田部を疑う。
だが、谷田部には完璧なアリバイがあった。

そんな中、谷田部と山河出版の編集長・塚原に意外な接点が浮かぶ。
過去、塚原は谷田部の番記者だったと言うのだ。

浅見は塚原に今回の事件について打ち明ける。
その上で、告発しようとしていることを教えるが……。

この際に、塚原が「願」の地名を地元の住民しか知らない名前で呼んだことに疑念を抱く浅見。
調べたところ、塚原が「願」にある民宿の息子であると明らかになる。
塚原の祖先は佐渡の金鉱夫だったらしい。

しかも、三輪が殺害された当日に塚原が佐渡に偽名で滞在していたことも判明。
浅見は塚原が谷田部に依頼され殺人を実行したのではないかと考える。

谷田部に揺さぶりをかける浅見。
その夜、浅見の前に現れたのは塚原だった。
やはり、塚原は谷田部の指示で動いていたのである。

塚原は真相を語り始める。

駒津は40年前の事件で谷田部を脅迫していた。
応じていた谷田部だが、際限なくエスカレートしていく駒津の要求に疲れ果てていく。
やがて、谷田部は塚原から提案され駒津殺害を命令。
塚原は浅見に罪を着せるべく工作する。

だが、浅見の容疑はあっさり晴れてしまう。
こうして、あてが外れた塚原。
そんな彼に、さらに想定外の事態が。

三輪が駒津の死に疑問を抱き、谷田部に疑問の眼を向けたのだ。
そこで、塚原は三輪も殺害したのだった。

全てを語り終えた塚原は浅見を襲うが、待機していた小堀たちに逮捕される。
次いで谷田部も逮捕された。

後日、彩子に礼を伝えるべく現れた道子。
実は駒津が谷田部を脅迫して得た金は、道子の為のものだった。
そして、道子自身も駒津の行動を知っていたのである。

意外な父の一面を知った彩子。
だが、それは決して不快なものではなかった―――エンド。

<感想>

原作は内田康夫先生「佐渡伝説殺人事件」(角川書店、徳間書店刊)。
角川書店版が1987年、徳間書店版が1997年に刊行されています。

原作「佐渡伝説殺人事件」あらすじは―――

徳間書店版あらすじ:商事会社役員、駒津良雄のもとに『願』の一字が書かれた奇妙なはがきが毎週届くようになって、四通目。間もなく駒津は殺害された。娘の彩子が父の親友三輪昭二にはがきのことを告げると動揺をみせた。その三輪も佐渡で死体で発見される。父と『願』の関係を探るべく佐渡に向かった彩子は、賽の河原で花束を捧げる女性をみかけた。彩子は浅見光彦に相談する。浅見は、父の遺体の第一発見者だったのだ…。

角川書店版あらすじ:梅雨の訪れと共に駒津家に届けられる奇妙な葉書。裏には筆書きでただ一文字『願』と書かれていた。4通目の葉書が配達されたあと、56歳になる駒津は何者かに殺された。一方、大学時代の親友4人組の1人三輪も同じ葉書を送られた後、佐渡で死体となって発見された。佐渡の「願」という地名に由来する奇妙な連続殺人。「願の少女」の正体は?事件の根は30数年前に佐渡で起った出来事に!警視庁幹部を兄に持つ、魅惑のキャラクター、浅見光彦が大活躍する本格伝奇推理。
(アマゾンドットコムさんより)


これのドラマ版にして、フジテレビ版浅見光彦シリーズ41弾が本作。
前作(第40弾)が2011年5月6、7日に放送されているので、実に4カ月ぶりの新作となります。
前作(第40弾)や、これまでのネタバレ批評(レビュー)が幾つかありますね。
興味のある方はどうぞ!!

【浅見光彦シリーズ(フジテレビ版)】
金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ第36弾 鐘」(1月8日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ「浅見光彦シリーズ37・長崎殺人事件『肥前路島原・長崎〜父の殺人容疑の陰に悲恋の過去現場に残された短刀と蝶々夫人のロザリオに秘められた驚愕の真実とは?』」(4月30日放送)ネタバレ批評(レビュー)

金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ38最新作・十三の冥府「呪われた津軽王朝〜古代史の謎を追う者は殺される!?20年前の産婦人科で何が起きた?連続殺人事件のカギは子守歌」(9月24日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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金曜プレステージ「内田康夫作家30周年2夜連続浅見光彦第1夜!!シリーズ第40弾『棄霊島』 廃墟に消えた連続殺人の謎〜誰かが血塗られた遺産を狙う呪われた一族の憎悪と殺意!浅見を狙う8人の女とは」(5月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

土曜プレミアム「内田康夫作家30周年2夜連続浅見光彦第2夜!!シリーズ第40弾『棄霊島』 父娘と娘孫・三代に渡る出生の秘密時代を超えて暴かれる驚愕の真相!事件の鍵を握る天才ピアニスト哀しみの鎮魂歌が軍艦島に響き渡る」(5月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

ちなみにTBS版浅見光彦はこちら。

【浅見光彦シリーズ(TBS版)】
月曜ゴールデン 内田康夫作家30周年 浅見光彦シリーズ29「菊池伝説殺人事件〜火の国熊本で出会った謎の美女と名門一族を襲う連続殺人!一門の掟と哀しき恋・光彦が見た血塗られた記憶」(2月7日放送)ネタバレ批評(レビュー)

では、ドラマの感想を。

ナレーションで物語を進めてしまう箇所が、これまでのシリーズに比べても多くみられました。
確かにナレーション部分を映像で表現するとクドくなってしまいそうですが、あっさりそれで済まされてしまったのは少し寂しく感じました。

それと内容もこれまでに比べると特に軽かった感じ。
塚原が佐渡出身であることがそれほど重要だったと思えないことも……どうにも微妙です。

正直、首を傾げる出来でした。
次回作に期待です。

内田康夫先生と言えば、2011年9月30日まで「北区内田康夫ミステリー文学賞」が作品募集中。
詳細は下の過去記事よりどうぞ。

「第10回北区内田康夫ミステリー文学賞」作品募集中!!

さらに浅見光彦シリーズを2012年に完結する旨を宣言されています。
こちらの動向も注目です。

内田康夫先生から浅見光彦シリーズ完結宣言が!!「最後の事件」は2012年に!!

<キャスト>

中村俊介
原 幹恵
長谷川真弓
片桐竜次
小倉一郎
中丸新将
安藤彰則
大門正明
榎木孝明
野際陽子 ほか
(公式HPより、順不同、敬称略)


◆関連過去記事
あなたに内田康夫先生の本に登場する権利を上げよう!!by大日本印刷&角川書店

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【内田康夫先生著作関連記事】
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【その他関連過去記事】
2010年6月12日、世田谷部文学館にて内田康夫先生講演会開催!!

・2010年5月30日まで開催されていました「ミステリーウォーク2010『記憶の中の公園』」についての記事です。
浅見光彦の住む町で推理に挑戦!?

2011年3月5日「小説舞台を巡る“名探偵★浅見光彦ワールド!横浜ミステリーWalk”」開催!!

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