2011年10月07日

第30回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品「ボクら星屑のダンス(サスペンスドラマSP ボクら星屑のダンス 身代金100億の誘拐ダメ男と少女が警察に無謀な挑戦!亡き娘と別れた妻と夢みた約束壊れた家族の復活は!?横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作)」(10月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)

第30回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作品「ボクら星屑のダンス(サスペンスドラマSP ボクら星屑のダンス 身代金100億の誘拐ダメ男と少女が警察に無謀な挑戦!亡き娘と別れた妻と夢みた約束壊れた家族の復活は!?横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作)」(10月6日放送)ネタバレ批評(レビュー)です。

<あらすじ>

夜の浜名湖。浅井久平(高橋克実)は妻である美佐子(若村麻由美)に最期のメールを送っていた。自殺をして、その保険金で借金を返済しようとしていたのだ。ところがその矢先、久平は小さな子どもが同じように自殺を図ろうとしているのを見つける。子どもの名は、ヒカリ(宮武 祭)。まだ10歳の少女だった。
ヒカリは、国立最先端科学研究所から逃げてきていた。研究所はノーベル化学賞の最有力候補といわれる相模原博士がいることで有名。
ヒカリの言葉を裏付けるように、既に警察による大規模な捜査が始まっていたが、久平は捜査の目をかいくぐり、浜松市内でリサイクル業を営んでいる浮田藤治郎(螢 雪次朗)と山崎義男(浅利陽介)のもとへヒカリを連れて行き、匿うことにする。そんな久平に、ヒカリはある計画を持ちかける。それは、借金に苦しむ久平のために偽装誘拐事件を画策し、身代金として10億円を要求するというものだった!
その頃、国立最先端科学研究所では、消えたヒカリの行方を追って内閣官房危機管理審議官の江藤(西村雅彦)を筆頭に、警察庁特殊事件捜査室室長・木田敦子(片瀬那奈)、刑事の早川(水上剣星)、岩城(大谷亮介)らが加わり捜査本部が設置されていた。早速、ロシアのスパイとして研究所に潜入していた坂谷隆盛(デビット伊東)の犯行ではないかとの説が浮上するが、江藤はとにかくヒカリを無事に連れ戻すことだけを考えるよう命じ、ヒカリに関する情報は一切明かそうとしなかった。
ヒカリはネットオークションに自分自身を出品するという方法で、身代金の要求を開始した。
それに対し審議官・江藤は100億円で入札することを指示。100億円という大金を出すことで、運搬方法などを難しくし、犯人を追い詰めようという計算だった。
果たして、ヒカリは無事偽装誘拐事件を成功させることができるのか?そして、ヒカリに隠された秘密とは?
(テレビ東京公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……

地球環境の改善策を提示した相模原教授。
このままいけば、ノーベル賞受賞も間違いないとされていたが……。

ヒカリと触れ合い続ける久平。
久平との交流を通じてヒカリは少しずつ明るさを取り戻していく。

ヒカリの味方だった坂谷隆盛の協力もあり、ヒカリの計画は実行に移されるのだった。
ヒカリは自身の身柄をオークションに提示する。
100億円の入札を引き出す。

一方、ヒカリの居なくなった研究所では、ある事実が明らかになっていた。
ヒカリは広岡と安西の2人が作ったデザインベイビーだった。
ヒカリは遺伝子工学の粋を集めた人工の天才だったのである。
この事実を知ったヒカリの世話係・唯は「ヒカリは物ではない」と主張。
人として扱うよう周囲に訴えていた。
そのうちに、所長たちも唯の主張を認めるようになる。

そして、さらなるヒカリの秘密が明らかに。
正体不明の相模原教授、その正体こそヒカリだった。
ヒカリは自身が成果を挙げてしまうことで、自身に続く第2、第3のデザインベイビーが作りだされてしまうことを恐れていたのだ。
だが、久平から説得されたヒカリは前向きに生きることを考える。

100億円の身代金の受け渡しが行われることに。
小分けにされた100億円が運び出されて行く。
目的地は石塚商会。

その社長を名乗る男こそ久平だった。
久平たちはそこで小分けにされている100億円を段ボール箱へと詰め直す。
100憶円は詰め直されて、石塚商会を出発。

今度は宅配業者へと運び込まれる。
そこで段ボールごとに各地へと宅配される100億円。
配達先は各地の施設。
90憶円は寄付金としてそのまま収納。
残った10億円分の段ボール箱が研究所へと戻って来る。

だが、その中身からは10億円分が消えていた。
石塚商会の段階で久平たちが10億円分だけ段ボールをすり替えていたのだ。

こうして、10億円を手に入れた久平たち。
だが、ヒカリの表情は浮かない。
なぜなら、唯がヒカリにメッセージを残していたからだった。

唯はヒカリに人間らしく生きる為に久平たちと共に逃げるように促していた。
ヒカリは唯の言葉の中に自身の向き合うべき人と場所の存在に気付く。

こうしてヒカリは研究所へと戻ることに。
ヒカリとの交流を通じて自分を見詰め直した久平は妻・美佐子のもとへと向かうのだった―――エンド。

<感想>

原作は「第30回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞」受賞作。
過去記事にてネタバレ書評(レビュー)ありますね。
興味のある方はどうぞ!!

『ボクら星屑のダンス』(佐倉淳一著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

なお、第30回の大賞受賞作は『お台場アイランドベイビー』でした。
詳しくはこちらの過去記事をどうぞ。

第30回横溝正史ミステリ大賞発表!!受賞作は「お台場アイランドベイビー」に!!

では、ドラマ版の感想を!!

なかなか良かったですね。
原作では久平とヒカリ2人に焦点が当てられていましたが、ドラマ版では久平がよりクローズアップされていたように感じられました。
ただ、その分だけヒカリ側の物語が中途半端のように感じられてしまったのは惜しかったかもしれません。

とはいえ、本作のミステリ部分の肝ともいえる身代金受け渡しシーンは緊迫感があり良かったと思います。
ただ、あのトリックはやっぱり活字向きかなぁ……。

う〜〜〜ん、良い点と悪い点が半分ずつくらいか。
でも、原作を読んで映像で視てみたいと思っていただけに実現したことは良かったと思います。

そうそう、本作を視聴して天藤真先生の『大誘拐』を思い出された方も多いのでは?
構図的にも似てますね。

@狂言誘拐である。
A大きな意味で被害者はいない(本当はいるけど……)。
B犯人は逃げることなく、前向きに新たな人生を歩む。
C身代金の受け渡しにトリックが用いられている。
Dハートフルな物語展開。

『大誘拐』に興味のある方は本記事下部にあるアマゾンさんのリンクをチェック!!

<キャスト>

高橋克実 
宮武祭 
片瀬那奈 
岩村麻由美 
村川絵梨 
水上剣星 
デビット伊東 
本田博太郎 
橋爪功 
西村雅彦 ほか
(@nifty tv番組表より、敬称略)


◆「横溝正史ミステリ大賞」関連過去記事

・第28回「テレビ東京賞」受賞作
第28回横溝正史ミステリ大賞 テレビ東京賞受賞作「テネシー・ワルツ」(望月武著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

・第29回「横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞」受賞作
「雪冤」(大門剛明著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

・第31回「横溝正史ミステリ大賞」受賞作
『消失グラデーション』(長沢樹著、角川書店刊)ネタバレ書評(レビュー)

「第31回横溝正史ミステリ大賞」受賞の眼鏡もじゅ先生が読売新聞さんにてインタビューに応じられました。

「第31回横溝正史ミステリ大賞」決定!!大賞は眼鏡もじゅ先生「リストカット/グラデーション」に!!

第30回横溝正史ミステリ大賞発表!!受賞作は「お台場アイランドベイビー」に!!

【横溝正史大賞テレビ東京賞受賞作ドラマ化関連】
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