2011年12月02日

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年、日本)

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

ぼくは、あの年の夏、母の育った古い屋敷で一週間だけ過ごした
そこでぼくは、母の言っていた小人の少女に出会った―
人間に見られてはいけない それが床下の小人たちの掟だった

とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。
その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。
アリエッティの一家は、屋敷の床上に住むふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。
借りぐらしの小人たち。
そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。
人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない。
それが床下の小人たちの掟だったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。
「おまえは、家族を危険にさらしているんだぞ」
アリエッティは、父に反発する。
「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」
アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいて行く。
アリエッティの家族に大きな事件が迫っていた。
―人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか!?
(アマゾンドットコムさんより)


では、続きから……

ポッドと共に“借り”に出たアリエッティ。
ところが、翔に姿を見られ慌てていたこともあり借りた角砂糖を落としてしまう。

翌朝、角砂糖に気付いた翔は小人にそれをプレゼントする。
一度失ったものであり、貰う理由もないアリエッティはそれを受け取らない。

しかし、どうしても人間への興味が尽きないアリエッティは危険を知りながら翔へと近付いて行く。
少しずつ、種族の壁を越え翔との距離を縮めていくアリエッティ。

一方、翔に見られたことで引っ越しも視野に入れたポッドは屋外へと足を伸ばす。
ある日、怪我をしたポッドを連れて小人のスピラーがやって来る。
ポッドが怪我をして動けないところをスピラーが助けたらしい。
外界にも同族が生きていると知ったポッドは引っ越しに踏み切ることを決める。
スピラーは年の近い異性であるアリエッティを痛く気に入った様子。

引っ越しが間近に迫った頃、ホミリーがお手伝いのハルに捕まってしまう。
ハルは幼児期に小人を見ていたが大人に信じて貰えず悔しい思いをしており、これを機に自分の言葉が正しいことを証明しようとホミリーを小瓶に押し込める。

ホミリーが捕らえられたことを知ったアリエッティは翔の協力を得て、ホミリーを救出する。
ハルは周囲に小人の存在を訴えるものの、肝心のホミリーが居なかった為に相手にされない。

しかし、これにより危機が迫っていると確信したポッドはスピラーの協力で引っ越しを強行する。

アリエッティが去って行くことを察した翔は彼女を追いかける。
翔を警戒するスピラーだが、アリエッティは彼を信じる。

以前と違い対等な立場でアリエッティにプレゼントを渡す翔。
彼女の無事を祈りつつ、出発を見送るのだった。

見送られたアリエッティたちは新天地を目指し、やかんの船で川を下って行く―――エンド。

<感想>

英国の児童文学作家であるメアリー・ノートンが書いたファンタジー小説『床下の小人たち』が原作。
『床下の小人たち』は「小人の冒険シリーズ」の1つ。
シリーズには他に『野に出た小人たち』、『川をくだる小人たち』、『空をとぶ小人たち』、『小人たちの新しい家』がある。

シリーズを通しての設定は本作『借りぐらしのアリエッティ』劇中でも活かされており、劇中でクロック家の娘が猫に食べられたと語られているが、『野に出た小人たち』で生存が明らかになっていたりシリーズ間の関連は強い。
シリーズに興味のある方は本記事下部に5冊セットのアマゾンさんへのリンクを用意したので是非どうぞ!!

というわけで、まずシリーズ全体を俯瞰して『床下の小人たち』だけを映像化したのには少し疑問がある。
シリーズ間の関連が強いだけにシリーズを通じて映像化した方が良かった気がする。
その意味で、原作『床下の小人たち』と『借りぐらしのアリエッティ』は別物と捉えた方が良いかもしれない。
『借りぐらしのアリエッティ』はどちらかといえば、いぬいとみこ先生の『木かげの家の小人たち』に近いらしい。

その上で、本作の感想を。

ラストは良かったですね。
ネガティブ思考だった翔がポジティブに前を向いて生きて行くことを決める姿にはジンときました。
そして、異種族であるアリエッティと翔が互いに認め合うシーンも良かった。
本作は小人の生態に触れる映画ではなく、少年少女の成長物語としていつものテーマが貫かれています。

ただ、全体的には何かが不足している印象か。
幾分、説明不足の感が拭えないのがその原因かも。

ハルの小人への執着の理由なども調べないと分からないし、いろいろ言葉が足りない気がする。
もっと、説明的なシーンを増やしても良かったかもしれない。

もっとも、説明が多過ぎても想像力でストーリーを補う余地がなくなるのでコレが適度なバランスなのかもしれないが。
適度かどうか……その判断は視聴者自身によるのだろう。

管理人としてはベストではないがベターといったところか。

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