2012年03月29日

『レベル7』(宮部みゆき著、新潮社刊)

『レベル7』(宮部みゆき著、新潮社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

レベル7まで行ったら戻れない。どんでん返しの連続が怒濤の如く読者を襲う。サスペンスの最高峰!

レベル7まで行ったら戻れない――謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。
(新潮社公式HPより)


<感想>

う〜〜〜ん、最初のサスペンステイストがそんなに必要となっていない感じかなぁ。
確かに物語には絡んでいるんだけど、別にメインになくても物語としては成立しそう。
あくまで、テイスト(風味)程度に留まっているような……。
何処へ向かっているのかを不明瞭にする意味では成功してるんだけどなぁ。

展開のツイストとされる部分も、幾分、無理を感じる箇所もあり、個人的には納得し難い。
特徴は失われるだろうが、ミステリとしてのみ成立させた方が個人的には好みかも。

というわけで、ネタバレあらすじはかな〜〜〜り改変しています。
ほぼ別物とお思い下さい。初期状態や、明恵の目についてなども端折っています。
本書に興味をお持ちの方は、下記のネタバレあらすじよりも、実際に『レベル7』を読まれることをオススメします。

<ネタバレあらすじ>

登場人物一覧:
祐司:明恵と同じく孝に家族を殺害された人物。
明恵:祐司と同じく孝に家族を殺害された人物。
猛蔵:孝の父親、町の有力者。
孝:祐司と明恵の家族の仇とされる人物。
三枝:祐司たちに協力する謎の人物。

祐司と明恵とそれぞれの家族は、ある地方都市の開発に乗り出したことで都市を牛耳る猛蔵と対立していた。
そんなある日、祐司と明恵の留守中に家族が皆殺しにされてしまう。
犯行は猛蔵の息子・孝によるものと思われた。
当の孝は海へと飛び込んだらしいが、遺体は見つからなかった。

遺体が見つからない以上、孝は生きており猛蔵が庇っているのではないか?
そう考えた祐司と明恵は孝に対し復讐を決意する。

そんな2人に近付く人物が居た。
三枝という男性である。
三枝の協力で孝の居場所を突き止めた祐司たちは遂に復讐を決行する。

三枝に貰った拳銃で孝を射殺する祐司、そこには猛蔵も居た。

猛蔵は「息子を庇いきれない」と語り、祐司の行動を支持するが……。
ふと浮かべた猛蔵の笑いに気付いた明恵により、意外な真相が判明する。

余裕を持ってすべてを語り始める猛蔵。

実は、祐司と明恵の家族を殺害したのは猛蔵だった。
町が開発されることで自身の制御下を離れることを恐れた猛蔵は邪魔者の排除を決意。
これを知った孝は凶行を止めるべく、祐司と明恵の家族に連絡を取っていたが、猛蔵の方が上手だった為に祐司と明恵の家族は殺害されてしまう。
しかも、かねがね反発していた孝を嫌っていた猛蔵は孝を殺害し海へと捨てた。

だが、早期に発見される筈だった孝の死体が消えてしまう。
焦った猛蔵に孝を保護したと三枝から連絡が入る。
猛蔵は三枝と取引を行うことに。

そこで、今度こそ孝を殺害するべく、三枝を介して祐司と明恵を利用したのだ。
狙いを果たした猛蔵は祐司と明恵を殺害しようとするが、そのとき、死んだ筈の孝が起き上がる。
その人物は孝ではなかった。
孝のふりをした別の若者だったのだ。

実は、三枝もその若者も猛蔵の被害者だった。
過去、猛蔵が経営するホテルの不始末で家族を失っていた。
今回の大芝居を通じて、猛蔵自身に罪を認めさせることが目的だったのである。

思わぬ三枝の裏切りを知った猛蔵はその場を逃走し、誤ってベランダから転落死する。

こうして、猛蔵の悪行は暴かれた。
祐司と明恵は失われた過去を取り戻し、2人で未来へと進むのだった―――エンド。

・ドラマ版のネタバレ批評(レビュー)追加しました。

月曜ゴールデン「TBSスペシャルドラマ企画 宮部みゆき・4週連続“極上”ミステリー 最終夜 レベル7〜宮部作品最大の謎−記憶を奪われた男の決死の逃亡!!極限の中で愛した女は無情にも自らが殺した被害者の娘…!?裏切りと衝撃の最期」(5月28日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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「レベル7(セブン) (新潮文庫)」です!!
レベル7(セブン) (新潮文庫)



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