2011年12月27日

「武士の家計簿」(2010年、日本)

「武士の家計簿」(2010年、日本)ネタバレ批評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

幕末から明治。激動の時代を智恵と愛で生き抜いたある家族がいた-
代々加賀藩の御算用者(経理係)である下級武士の猪山直之(堺雅人)は、稼業のそろばんの腕を磨き出世する。しかし、親戚つき合い、養育費、冠婚葬祭と、武士の慣習で出世のたびに出費が増え、いつしか家計は火の車。一家の窮地に直之は、“家計立て直し”を宣言。家財を売り払い、妻のお駒に支えられつつ、家族一丸となって倹約生活を実行していく。見栄や世間体を捨てても直之が守りたかったもの、そしてわが子に伝えようとした思いとは-。世間体や時流に惑わされることなく、つつましくも堅実に生きた猪山三世代にわたる親子の絆と家族愛を描いた物語。
(アマゾンドットコムさんより)


<ネタバレあらすじ>

では、続きから(一部、重複アリ)……

代々加賀藩の御算用者を勤める猪山家。

7代目である信之は藩主・斉泰の正室・溶姫の婚礼の準備役を命ぜられたことがあり、その際の手柄で扶持を増やしたことを誇りとしていた。

その息子である8代目・猪山直之。
彼は刀ではなく算盤を武器に、日々帳場という戦場を生き抜いていた。

そんなある日、領内で飢饉が発生。
藩からお救い米が配られることに。

ところが、直之は実際に支給されたものと帳簿上とに大きな差異があることに気付く。
何者かが本来配られるべき米を不正に流用していたのだ。

直之は上司に報告するが、上司自身もこの不正に関与しており、上申書は握りつぶされてしまう。
しかも、不正を追及しようとしたことにより地方への左遷を命じられる。

西永与三八の娘・駒を嫁にもらい、ようやく嫡子・直吉(後の成之)にも恵まれたばかりの出来事に直之は戸惑う。

そうこうしているうちに支給量に偽りがあることに気付いた領民が強訴を強行。
藩の首脳部も流用に気付き、関わった者たちが処分されることに。
その中には例の直之の上司も含まれていた。

その中で、直之は不正を追及しようとしていた姿勢が評価され、藩主の側仕えに大抜擢される。
こうして、順風満帆かと思われた直之だったが、直吉のお披露目をきっかけに猪山家自体の家計が逼迫していることを知る。
猪山家には借金があったのだ。

こうして、家政改革が行われることに。

まず、現在所有している品物をすべて現金に代えると、出来るだけ借金にあてる。
一括であるだけ払う見返りに、残額の支払いを利子無しにする腹積もりである。
この計画は当り、4割の返済に成功。

さらに日々の食事も節約し始める。
同時に、直吉に算盤と金の価値を教え始める。

数年後、信之が病死。
その晩、直吉は父を亡くしたにも関わらず算盤を弾き続ける直之に対し不満を覚える。

続いて、直之の祖母が死亡。
親しい者を続けて亡くした心労からか、直之の母・常も床に伏せた後に死亡してしまう。

この頃から、直之と直吉との間で考え方の違いから対立が始まる。
やがて、直吉が元服。
名を成之と改め、妻子をもうける。

同時に、時代は幕末へと遷り、幕府側と新政府側とで鎬を削っていた。
そんな時代にも関わらず、あくまでこれまで通りを貫く直之に反発した成之は家を飛び出す。
成之はそのまま新政府軍に参加。
大村益次郎に算盤の腕を買われ、補給係に抜擢される。

そのまま明治維新を迎えると、成之は新政府内で会計係として重宝され、海軍主計他大監など主要なポストに就くことになる。

数年後、加賀へと故郷に錦を飾った成之。
父・直之は年齢からくる衰えで病身となっていた。
直之を背負い、想い出の残る加賀の町を歩く2人。
直之と成之は和解することに。

やがて、直之も死亡。
その晩、成之は直之のように算盤を弾くのだった。

猪山家は加賀を引き払い、東京へと転居。
そこへ腰を据えるのだった―――エンド。

<感想>

淡々と日常シーンが続く映画です。
テーマがちょっと読み取りづらいかも。

とりあえず、管理人がテーマだと思ったものはこちら。
「親子3代を通じて、幕末から明治初期に生きた算盤侍の生き様」かなぁ。
あるいは「猪山直之の生涯を息子から見たもの」とも言えるか。

これが淡々と続くのですが、なかなか良かった。

直之は決して数字だけを見る冷たい人間じゃないんだよね。
むしろ、情に厚い人物。
それが、父の死の夜に算盤を弾いていたのが印象的だった。

「あまりに深い悲しみに、算盤を弾いて気を紛らわせている」のか?
それとも「やはり悲しみが深すぎて、日常作業である算盤を弾いていなければ落ち着かない状態」なのか?

最終的に成之も直之の死に際して同様のことを行っているので、あの時点で直之の考え方に理解を示したということになるのでしょう。

そこがグッときました。
そういえば、鯛の絵のシーンも良かったですね。

名作ほどではないですが、家族愛を描いた作品がお好きな方にはオススメです。

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ラベル:武士の家計簿
posted by 俺 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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