<あらすじ>
不正献金疑惑をもたれた代議士秘書・中島誠一(中島久之)の弁護を担当した高見沢響子(市原悦子)は、中島が態度を翻したことからマスコミに叩かれ、弁護士バッジをはずして姿を消した。助手の久松啓子(あめくみちこ)は響子の身を案じ、捜索願を出して行方を追っていた。
響子はある漁村にいた。ふとしたことから、小さな書店の店主・津田健三(平泉成)と知り合い、響子は店番をしながら居候することに。ある詩集が欲しいと佐藤市郎(米倉斉加年)から電話で注文が入り、響子がアパートに届けると、別の家で暮している市郎の孫・藤代弥生(京野ことみ)が息子の翔(佐藤瑠生亮)を連れて現れた。弥生は認知症の市郎が本を注文するはずがないと響子を追い返す。響子は津田から藤代家に関する妙な噂を聞く。近所の人は弥生と一緒に暮しているはずの家族を長年見たことがなく、家族が生きているのかも不明だというのだ。市郎は半年ほど前に、突然、弥生が現れて自分の孫だと名乗ったと響子に打ち明け、身に覚えのないことで恐ろしく、認知症のふりをしているのだとほのめかす。市郎と弥生は本当に祖父と孫なのか。年金を不正に受け取るために弥生が市郎を利用しているのではないかと、響子は疑問を抱く。
一方、やっと響子の居場所を突き止めた助手の久松が、漁村に現れる。久松の協力を得て、響子は藤代家の真相に迫るが、疑惑も膨んでゆく。佐藤市郎が、実は藤代家の当主・藤代市郎だと判明する。藤代市郎には妻、菊子(白川和子)との間に豪(50代・近童弐吉、20代・入江賢)という息子がおり、豪の娘が弥生であることも明らかになった。実は市郎は三十年近く前に家庭内暴力を繰り返す豪を殺そうとしたが果たせず家を出たという。それから長い時が経ち、市郎は佐藤と名字を変えて、我が家に近いアパートで暮すようになった。しかし、市郎はついに帰宅することができなかった。その間、菊子と豪そして弥生はどうしていたのだろうか。
やがて、介護士派遣の記録から本当の弥生は難病を患い、寝たきりだったことが判明する。では、市郎に「孫だ」と名乗った女性は誰なのか。市郎は響子に自宅に花が咲いている夢を見ることがあると、寂しそうに語る。この言葉をヒントに、響子は市郎とともに藤代家を訪れる。荒れ果てた庭と家屋。二人は家の中で驚きと悲しみの事実を発見する…。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
孫を名乗る弥生とその息子・翔の2人と共に暮らす市郎。
だが、市郎は弥生が本当の孫ではないのではないかと疑っていた。
そんな市郎の息子・豪は、パチンコ店の売上を持ち逃げし指名手配されていた……。
弥生について調べ始める響子。
久松の力も借りてある事実を突き止める。
弥生を名乗る女性の正体は酒井麻里子という介護士だった。
麻里子は寝たきりだった本物の弥生の担当をしていたらしい。
弥生の病状からすれば、病死していても不思議ではないらしいが……。
弥生の死亡届けは公式に提出されていない。
このことから、本物の弥生の死体は藤代家のどこかに埋められていると考えた響子。
麻里子の眼を盗み、市郎と共に藤代家に侵入することに。
菊子も既に亡く、待つ人の居ない家へと戻ると決めた市郎。
そんな市郎と共に藤代家へと立ち入った響子は、そこで地下に安置された本物の弥生の遺体を発見する。
警察も駆け付け大騒ぎに。
そんな中、正体のばれた麻里子は「豪を殺した」と告白。
そのまま、逮捕されてしまう。
ここにきて市郎は翔が豪の息子、つまり、自身の孫であると頑なに信じ始めるが……。
市郎の年金の入った通帳が無くなっていたことが判明。
これについて麻里子も覚えがないと主張。
なんでもこれまでの生活費は菊子から貰ったお金を充てていたと供述しているらしい。
担当刑事が調べたところによると、最近になって新宿のATMから50万円が引き出されていた。
市郎は麻里子と豪が連絡を取り合っており、新宿で現金を引き出したのは豪ではないかと響子に訴える。
そこから、響子は市郎が豪、麻里子、翔と4人で暮らしたがっていることを悟る。
市郎の望みを達成する為、麻里子に真実を確認する響子。
麻里子によれば、6年前に弥生は病死。
死の間際に家族のことを麻里子に託していたらしい。
その後、菊子に頼まれたこともあり、弥生として藤代家で生活を始める麻里子。
そこへ豪が現れる。
豪は弥生を名乗る麻里子を乱暴し、遂には妊娠させてしまう。
妊娠した麻里子は菊子に相談。
事情を聞いた菊子は豪を殺害した上で子供を産むように麻里子に頼み込む。
麻里子は菊子の頼みを入れ、豪を海へと突き飛ばし殺害した―――と響子に語るが……。
響子は久松に調査させていた。
麻里子の主張する5年前の殺人。
だが、その桟橋からは水死体など発見されていなかった。
つまり、麻里子はそこだけ嘘を吐いているのだ。
麻里子は豪を殺害してなどいなかった。
翔が乱暴されて出来た子供だということを隠す為に豪を殺害したと嘘を吐いていたのだ。
響子に図星を突かれた麻里子は前言を翻し豪の生存を認める。
やがて、ATMで現金を引き出した男の顔写真から豪が生存していることが確認された。
市郎は麻里子に豪の行為を謝罪すると共に、孫を与えてくれたことを感謝すると口にするのだった。
この事件を経て響子は復帰を決意する。
外していた弁護士バッジを身につけると、新たなる戦いに身を投じるのだった―――エンド。
<感想>
「弁護士高見沢響子」シリーズ第11弾です。
前作は2009年10月19日に放送されているので、実に2年ぶりの新作となりました。
では、ドラマ版感想を。
あまりにエキセントリック過ぎる登場人物と展開でした。
このシリーズらしいと言えばそうですが、なかなか理解が追い付かない……。
特に麻里子が偽証した動機がよく分からない……。
息子の出生の秘密よりも、殺人犯の母を持たせる方がより辛いような気がするのですが、気のせいでしょうか?
さらに、響子に真意を見抜かれた途端に全面的に認めてしまうのはかなり急展開だったような……。
それと、今回の事件を通じて何故、響子が再度戦うと決めたのかもよく分からない。
救いを求める人が其処に居る以上、助けたいということでしょうか?
ただ、それについてはあまり触れられていなかったような……うむむ。
他にもいくつか理解の難しい点が……。
かなり視聴者に補完を強いる作品だったような気がします。
悪くはなかったけど、ともかく理解が難しかった……。
<キャスト>
高見沢響子(たかみざわきょうこ):市原悦子
○
久松啓子(ひさまつけいこ):あめくみちこ
○
佐藤市郎(さとういちろう):米倉斉加年
○
藤代弥生(ふじしろやよい):京野ことみ
藤代翔(ふじしろしょう):佐藤瑠生亮
○
津田健三(つだけんぞう):平泉成
○
藤代菊子(ふじしろきくこ):白川和子
藤代豪(ふじしろごう)[50代]:近童弐吉
藤代豪(ふじしろごう)[20代]:入江賢
○
中島誠一(なかじませいいち): 中島久之 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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