<あらすじ>
北海道警察が一年で最も忙しくなるイベント「よさこいソーラン祭り」が近づいたある日、大通署生活安全課の小島百合(財前直見)は児童虐待の疑いがあるという通報を受け、部下のサキ(松本莉緒)とともに捜査令状も持たずにその家に乗り込んだ。そして、躾だと言い張る若い親に平手打ちを見舞う。署に戻った百合は、課長の長沼(高田純次)に呼び出された。事なかれ主義の長沼は波風を立てるなと懇願するが、百合は意に介さない。
数日後、道警本部捜査一課の佐伯(鈴木一真)が百合を訪ねてきた。指名手配中の鎌田(村田充)が、神奈川で現金輸送車を襲ったという。鎌田は殺人や村瀬茜(黒川智花)へのストーカー行為などの罪で百合に逮捕されたが、取調べ中に逃走した凶悪犯だ。佐伯は百合への報復を心配するが、当の百合は自分よりも茜の身を案じる。茜は開催を明日に控えた「よさこいソーラン祭り」に出場するダンスチームの一員として、体育館で練習に励んでいるという。
体育館を訪ねた百合は、和江(菊池麻衣子)という女性に声をかけられた。彼女は以前、夫のDVを訴え署に駆け込んできた女性だ。現在は茜が所属するチームの裏方としてがんばっているという。和江の元気そうな姿に百合は安心する。そして茜に鎌田の件を伝えた時、彼女の携帯電話に鎌田から復讐を予告するメールが!
急ぎ捜査本部に駆け込んだ百合は、茜が祭りに参加することを止めさせると話す。しかし、道警本部捜査一課長の堀江(山田純大)は、茜を囮にして鎌田を逮捕する作戦を提案・強行しようとする。この作戦が止められないと悟った百合は、長沼課長に休暇届けを叩きつけ、個人的に茜を守ろうと決意。しかし茜は、作戦を聞いてもなお祭りに参加するという。苦慮した百合は、無理を承知でチームへの参加を直訴する。一日でダンスを覚え、当日はチームの和を乱すことなく踊りながら茜を警護しなければならない。
百合の長い休日が始まった…。
(月曜ゴールデン公式HPより)
では、続きから……(一部、重複あり)。
身許不明の白骨死体が発見された。
佐伯は鎌田の現金輸送車襲撃事件と並行して捜査することに。
矢先、現金輸送車を襲った鎌田の共犯とみられる棚橋が死体で発見される。
鎌田との仲間割れかと思われたが……。
佐伯の捜査により、棚橋が鎌田を裏切り北海道に現金を送っていたことが判明。
“かごめ運輸”という運送会社を使ったそれ。
到着日が翌日であると知った佐伯は、先回りして現金を奪回することに成功する。
一方、百合は踊り続けていた。
茜への脅迫メールは苛烈さを増していくばかりだが……。
佐伯は“かごめ運輸”を介して金を受け取りに来る筈の鎌田を警戒。
運送会社の社員に変装した佐伯により鎌田は逮捕される。
こうして、茜への警護は解除された。
「よさこいソーラン祭り」優勝は茜のチーム。
鎌田が逮捕されたこともあり、祝勝会へと参加することにした百合。
逮捕された鎌田は棚橋殺害を認めるが、茜脅迫は否定する。
白骨死体の身元が判明。
桑原祐太という焼き肉店経営者だった。
桑原には行方の知れない妻・幸子が居るらしいが……。
和江こそ幸子ではないかと考えた百合は、和江を追う。
和江は茜と共にリフトで山頂へと向かっていた。
何故か現場まではタクシーで、現場からは走って山頂へと向かう百合。
和江は茜を展望台から突き落とそうとするが……そこへ百合が駆け付ける。
百合に妨害された和江はあっさり殺意を認める。
やはり、和江は桑原幸子だったのだ。
DV夫から逃げ出し、百合に助けを求めた和江。
だが、百合は迷子の対応に追われ和江を助けられなかった。
結局、和江は夫に捕まってしまう。
命の危険を感じた和江は夫を殺害、死体を森に埋めた。
逃亡生活を始めた和江は茜が百合に助けられたことを知る。
自分は助けなかったくせに……茜と百合への怒りを募らせた和江は鎌田を騙り脅迫メールを送ったのだ。
和江は茜にナイフを突き付ける。
百合は自身もDV被害者であることを明かし、和江を説得する。
説得された和江は茜が妬ましかったと謝罪し許しを請う。
そんな和江を茜は許すのだった。
こうして事件は本当に解決した。
百合は今日も生活安全課で仕事に励むのだった―――エンド。
<感想>
佐々木譲先生原作『巡査の休日』のドラマ化です。
ドラマ原作『巡査の休日』については過去にネタバレ書評(レビュー)ありますね。
・『巡査の休日』(佐々木譲著、角川春樹事務所刊)ネタバレ書評(レビュー)
原作『巡査の休日』とは―――
<あらすじ>
神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまっていたのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが・・・・・・。大人気道警シリーズ第四弾、待望の文庫化。(解説・西上心太)
(角川春樹事務所公式HPより)
お分かりの通り、原作ではシリーズ4作目のドラマ化となります。
「道警シリーズ」には他に、「笑う警官」、「警察庁から来た男」、「警官の紋章」の3冊(シリーズ刊行順)があります。
「笑う警官」は映画化もされているので記憶に新しい方もいるのではないでしょうか?
ちなみに佐々木譲先生は「廃墟に乞う」(文芸春秋社刊)で第142回直木賞を受賞された実力派。
その著作「警官の血」も、既にドラマ化されていますね。
・速報!!第142回「直木賞」&「芥川賞」発表される!!
では、ドラマ版感想を。
原作が原作だけに仕方ないのですが、微妙でした……中身が薄い。
この薄さについてはネタバレあらすじを見て貰えれば分かるかと。
そして、主人公があまり主人公していないドラマでしたね。
事件解決よりも旗を持ってた印象が強い。
ちなみに、大筋は原作通りの筈なのですが、かなりイメージ違いますね。
特にラストあたりがかなり改変されていたような……。
観覧車での百合と和江の決闘が、何故か展望台での茜を交えての説得劇に。
あれで諦めるぐらいなら初めから和江は脅迫しないでしょう。
この点はまだ原作の方が上でしたね。
佐伯と百合の関係もかなり改変しちゃうしなぁ……。
全体的に明るく元気なのは良いのですが、コレはどうなのか?
かなり、微妙でした。
<キャスト>
小島百合(こじまゆり):財前直見
佐伯宏一(さえきこういち):鈴木一真
佐藤和枝(さとうかずえ):菊池麻衣子
大塚サキ(おおつかさき):松本莉緒
村瀬茜(むらせあかね):黒川智花
堀江昭(ほりえあきら):山田純大
岩崎裕美子(いわさきゆみこ):葉山レイコ
渡辺秀明(わたなべひであき):松田悟志
長沼行男(ながぬまゆきお):高田純次 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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