ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまっていたのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが・・・・・・。大人気道警シリーズ第四弾、待望の文庫化。(解説・西上心太)
(角川春樹事務所公式HPより)
<感想>
月曜ゴールデンにてドラマ化されるとのことで読んでみました。
佐々木譲先生「道警シリーズ」の4作目です。
「道警シリーズ」には他に、「笑う警官」、「警察庁から来た男」、「警官の紋章」の3冊(シリーズ刊行順)があります。
「笑う警官」は映画化もされているので記憶に新しい方もいるのではないでしょうか?
ちなみに佐々木譲先生は「廃墟に乞う」(文芸春秋社刊)で第142回直木賞を受賞された実力派。
その著作「警官の血」も、既にドラマ化されていますね。
・速報!!第142回「直木賞」&「芥川賞」発表される!!
どこかで作品に触れられている方も多いかも……。
で、本作の感想。
あくまで、個人的な感想と前置きした上で。
思ったより楽しめませんでした。
文章のボリュームに比して内容が薄い気が……。
それと格闘シーンの文章が入り組んでいて読みづらい。
その割に格闘シーンの結末はあっさりしてる。
全体的にもっさりしているけど、中身はあっさりしている感じかなぁ?
他のシリーズ作品も同じような感じなら管理人には合わないかも……。
でも、内容自体は悪くない筈なので、あらすじを読んで興味を持たれた方は手にとってみては如何でしょうか?
<ネタバレあらすじ>
神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生。
犯人の一人に鎌田光也の名が挙がる。
生活安全課の小島百合巡査は鎌田の名に覚えがあった。
一年前、村瀬香里のストーカーをしていた鎌田。
香里のアパートに不法侵入したところを百合に現行犯逮捕されていたのだ。
その後、鎌田は脱走し指名手配されたまま一年が経っていた……。
事件は過去の物となろうとしていた……が、一体の白骨死体が見つかると共に甦ることとなった。
よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届いたのだ。
このメールを受けて、百合は再び香里の護衛につくことに。
よさこいに向けて練習に励む香里たち。
裏方の和枝も協力を惜しまない。
香里の携帯への脅迫メールは続き、文面は少しずつ過激なモノへと変貌。
百合を含め警戒心を強める面々。
さなか、鎌田が逮捕される。
鎌田は脅迫メールを送った覚えはないと言うが……。
一方、事件が解決しほっと胸を撫で下ろす百合。
和枝と共に観覧車に乗るが、そこでふと違和感に気付く。
そう、犯人の狙いは香里ではなく百合ではなかったか?
百合に見せつける為に香里を通じてメールを送り続けた人物が居たとしたら……。
目の前の人物を見据える百合。
和枝は薄く笑っていた。
脅迫メールの犯人は和枝だった。
和枝は過去に夫のDV被害に困り果て警察に駆け込んだ。
当時、よさこいで生じた迷子の対応に忙しかった百合は碌に相手も出来なかった。
結果、百合を頼れなくなった和枝は、1人で夫から逃げることに。
だが、夫に追いつかれた和枝は身を守る為に夫を殺害してしまった。
こっそりと死体を処理した和枝だったが、最近になって夫の白骨死体が見つかってしまう。
何もかもに絶望した和枝は、百合が相談に乗ってくれなかったことこそが全ての原因と考え、百合を殺害しようと決める。
だが、百合に近付くのは容易ではない。
そこで香里を通じて百合へとメッセージを送り続けたのだ。
そして今、和枝は百合を殺害しようとしている。
ナイフを取り出す和枝。
和枝の身の上に同情する百合だったが、咄嗟に和枝を取り押さえることに。
こうして、事件は解決したのだった―――エンド。
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