2011年11月03日

水曜ミステリー9「松本清張3週連続スペシャル 張込み〜平凡な幸福を壊す殺人者!美しい人妻の秘められた過去!密会現場で刑事が最後に見た真実(3週連続松本清張特別企画“張込み” 強盗殺人犯追う刑事逃亡の果てに昔の女は家族を捨てるか?)」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

水曜ミステリー9「松本清張3週連続スペシャル 張込み〜平凡な幸福を壊す殺人者!美しい人妻の秘められた過去!密会現場で刑事が最後に見た真実(3週連続松本清張特別企画“張込み” 強盗殺人犯追う刑事逃亡の果てに昔の女は家族を捨てるか?)」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

<あらすじ>

東京のとある豪邸で、強盗殺人事件が発生した。間もなく現場付近の防犯カメラから、二人の男の犯行であることが判明。そのうちの一人、山田に前科があったことから、ほどなくして山田は逮捕される。しかし、山田は強盗については認めたものの、殺人については否認。被害者を殺害したのは共犯者の石井久一(忍成修吾)という男であることを供述する。
捜査にあたっている警視庁捜査一課の刑事・柚木(小泉孝太郎)たちは、やがて山田から石井が「昔の女に会いたい」と時々口にしていたとの情報を得る。他の刑事たちは特に気にも留めずにいたが、柚木だけは石井が元恋人の元にやって来るのではないかと思い、独自にその女性の行方を調べ始める。
石井がかつて交際していたのは、甲府にある紳士服量販店で店長を勤めていたさわ子(若村麻由美)、40歳。2人は石井がスーツを買いに行った際に知り合い交際に発展していた。しかし、石井は3年前に突然さわ子の前から失踪。その後、さわ子は長野県松本市で電器店を経営する横川仙太郎(塩見三省)と結婚し、現在は横川と横川の3人の子供と共に松本市内で暮らしていた。捜査にあたる中で、石井は必ずさわ子のもとへ現れる、そう踏んだ柚木は上司に自ら願い出て、一週間という期限付きのもと一人張込みを開始する。
しかし、さわ子は横川や子供たちと共に幸せそうに暮らしており、全く動きがないまま3日が経過する。さわ子の暮らしぶりを一人見張りながら、次第に焦り始める柚木。ところが、やがてさわ子の様子に変化が現れ始め…。果たして、石井はさわ子の前に現れるのか…!?
(水曜ミステリー9公式HPより)


では、続きから(一部、重複アリ)……。

さわ子を見張り続ける柚木。
さわ子が石井と接触する―――その確信も揺らぎ始めた頃、それは起こった。

祭りの当日、さわ子の携帯に何者かから連絡が入る。
途端に挙動不審になるさわ子。
遂には、祭りに興じる家族を残してバスで何処かへと消えてしまう。

石井に違いない!!
さわ子を追った柚木はとある旅館へと辿り着く。

そこにさわ子は居た、そして石井も。
2人の姿を確認した柚木だが、さわ子の石井への気持ちを察した柚木は2人にひとときの逢瀬の時間を与える。

駆け付けた捜査員相手にも時間を稼ぐ柚木。
しかし、やがて限界は訪れた。

突入する捜査員たち。
引き離されたさわ子は、必死に石井の名を呼ぶ。

石井はその場で逮捕され、さわ子も事情聴取を受けることになった。

「祭りに間に合うかしら……」
座り込んだままのさわ子は虚ろに口にする。

そんなさわ子の姿に柚木は事情聴取を後日にするよう計らう。

家族のもとへと戻ったさわ子。
だが、子供たちはさわ子に冷たい。
肩身の狭いさわ子だったが、夫・仙太郎だけはさわ子を許す。

その夜、さわ子はこれまでの生活を苦痛に感じていたことを仙太郎に明かす。
しかし、仙太郎はそんなさわ子をそれでも許すのだった……。

翌日、仙太郎が仕事から自宅に戻ると―――さわ子の姿が消えていた。
机の上にはさわ子のものと思われる書き置きがひとつ。

そこには、妻を亡くした仙太郎と石井を失ったさわ子は寂しさから一時の気の迷いで生活を共にしたのであり、愛情は無かったと記されていた。
そして最後には、それでも生活が続いたのは仙太郎の努力によるものだったと結ばれていたのである。

立ち尽くす仙太郎。

柚木はさわ子が行方をくらましたと聞き、人の心はままならないと口にする。

その頃、当のさわ子は長距離バスの車中の人となっていた―――エンド。

<感想>

「水曜ミステリー9」3週連続松本清張特別企画の第1弾。
松本清張先生原作「張込み」のドラマ化です。

<「張込み」あらすじ>

推理小説の第1集。殺人犯を張込み中の刑事の眼に映った平凡な主婦の秘められた過去と、刑事の主婦に対する思いやりを描いて、著者の推理小説の出発点と目される「張込み」。判決が確定した者に対しては、後に不利な事実が出ても裁判のやり直しはしない“一事不再理”という刑法の条文にヒントを得た「一年半待て」。ほかに「声」「鬼畜」「カルネアデスの舟板」など、全8編を収録する。
(新潮社公式HPより)


モチーフとして扱いやすいのか、映画の他にも何度となくドラマ化されています。
調べてみたところ、ドラマとしては今回で12回目のドラマ化となるようです。

さて、そんなドラマ版の感想を!!

“バス”が重要なキーワードになっていましたね。

まず、仙太郎とさわ子の出会いのきっかけ。
そして、さわ子が石井と会うべく用いた手段。
最後に、さわ子が仙太郎のもとから去る為に必要とした物。

要所要所で“バス”が登場しました。
道行を同じくするひとつの共同体を表現していた“それ”。
仙太郎とさわ子の乗ったバスは同じ目的地に向っていた筈ですが、下車する場所が違ったということでしょう。

仙太郎は子供たちの母親を求め、さわ子は愛する男性を求めた。
この違いが最終的な結論に繋がったのでしょうか。

仙太郎が常にさわ子を許そうとしたのも、このミスマッチを本能的に察していたからなのかもしれません。
だから、許すことで家族であろうとした……ある意味、縛り付けてしまったのかも。
その意味で遠慮があり、本当の家族になれてはいなかったのかなぁ……。

本日の「相棒」3話「晩夏」も、男女の仲についてだっただけにいろいろ考えさせられました……。

2011年11月9日追記

水曜ミステリー9「松本清張3週連続スペシャル 鉢植を買う女〜愛したから殺した!?金に執着する女2人の戦い!死体が語る消えた3000万と花壇の謎(3週連続松本清張特別企画“鉢植を買う女” 愛する殺人…優雅な暮らしの金貸し女が愛欲に溺れたとき、不幸は始まった)」(11月9日放送)ネタバレ批評(レビュー)追加しました。リンクよりどうぞ!!

2011年11月16日追記

水曜ミステリー9「松本清張企画最終章 聞かなかった場所〜謎に満ちた夫の急死!燃える山鹿灯籠が暴く愛人との密会…女性官僚が堕ちた獣道(3週連続松本清張特別企画“聞かなかった場所” 夫に愛人が?女性官僚が堕ちた罠…俳句に隠された密会の屋敷)」(11月16日放送)ネタバレ批評(レビュー)追加しました。リンクよりどうぞ!!

<キャスト>

横川さわ子:若村麻由美
柚木哲平:小泉孝太郎
石井久一:忍成修吾
下岡有作:渡辺いっけい
高橋洋二:六平直政
井上広:田山涼成
児玉梨奈:上原美佐
横川仙太郎:塩見三省 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより転載)


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