2011年11月02日

「相棒season10(ten)」第3話「晩夏」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season10(ten)」第3話「晩夏」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season10(ten)」第3話「晩夏」(11月2日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

相棒1


<ネタバレあらすじ>

着物姿の女性が医師の前に座っている。
医師から余命半年の告知を受ける女性。
だが、女性に動揺はない。
医師が驚くほど冷静に受け止めているようだが……。

その日、杉下右京(水谷豊)は病院に居た。
どこかで診察を受ける予定らしい。
何故か気乗りしない様子の右京だったが……逃げる口実を捜していたところに、置き忘れられたらしい日傘が目に留まる。
公衆電話の横にぽつんと置き忘れられた日傘。
その持ち主を捜して院外へと飛び出した右京は着物姿の女性を見つけ、声をかける。
女性の名は高塔織絵(三田佳子)、歌人であり告知を受けた女性その人であった。

翌朝、特命係にて。
右京、神戸(及川光博)と共に角田が居た。

「早めに抜いたほうがいいと思うよ」角田が右京を見やる。
珍しく露骨に嫌な顔をする右京。
右京は定期健診で親知らずを見つけたらしい。
その対処の為に病院に居たのだ―――結局、逃げ出したのだが。
痛いところを突かれたといった様子の右京に電話がかかって来る。

電話の主は、昨日の高塔織絵。
なんでも「文箱の二重底から毒物が入った見知らぬ青い小瓶が見つかった」と言う。
文箱は40年以上前、織絵が結婚を約束した相手・桐野孝雄(岩瀬亮)が持っていた物。
桐野は服毒自殺していた。
毒物は桐野が自殺に使用したものなのか?

桐野は機械部品工場の工員。
高塔の両親は2人の交際に反対。
反発した2人は下宿を借り同棲生活に入っていた。
その矢先の桐野の死である。

桐野の死について、第一発見者は桐野の工場の仲間たち。
毒の入ったコーヒーカップは窓の桟に置かれ、指紋も桐野の物しか検出されなかったと言う。
当日、高塔は留守にしており、同じ短歌の会に所属する人間ならばそれを知っていたらしいが……。

小瓶を調べようとする神戸だが、高塔によれば当の小瓶は処分してしまったらしい。

「毒の小瓶の謎を解いて欲しい」と依頼する高塔。
右京は「桐野を殺害した犯人」ではなく「小瓶の謎」に拘る高塔に興味を抱く。

桐野の当時の知り合いから話を聞く神戸。
もしかして、高塔を巡る争いでは―――と推理する神戸だが、会のメンバー全員が高塔に好意を抱いていた。
唯一例外は、桐野が当時所属し今も高塔が属している「うつわの会」の主催者・浅沼のみらしいが……。

その頃、浅沼に当時を尋ねる右京。
浅沼は桐野の作った歌からその人柄を感じて欲しいと右京に奨める。
高塔についても非常に意欲的で魅力のある女性と語る。
高塔が次の歌会のテーマに“背”はどうかと持ちかけてきたことを挙げ、まだまだこれからの人物だと結論付ける浅沼。

浅沼の助言を受けて、桐野が40年前に作った短歌を読み直した右京。
桐野が優しく、高塔が心配性だったとそこから読み解く。

高塔はなぜ、犯人ではなく青い小瓶に拘るのか?
右京の問いに高塔は「自殺ではなく他殺ならば嬉しい」と答える。

高塔が桐野の死を知ると倒れてしまい通夜と葬儀を欠席したとの情報を神戸が入手。
右京は注目するが……。

40年前の担当刑事を資料から捜し当てた神戸。
深い山奥に分け入り、事件について話を聞くことに。

一方、右京は高塔が自身の死期を知りながら動じない人間性であるにも関わらず、桐野の葬儀を欠席した理由を知る。
当時、高塔は桐野の子供を妊娠していたが、桐野の死を知り流産していた。
その為に、動くことが出来ず欠席してしまったのだ……。

右京は高塔の人生には2人の男が居ると告げる。
1人は桐野、そしてもう1人は浅沼。
桐野は高塔の恋の相手。
浅沼は高塔の才能を開花させるために尽力した師匠である。
高塔は「私の人生に関わった男性は2人だけでは無い」とあしらうが……。

神戸により、担当刑事・山上から桐野の死亡当日は誰も出入りがなかったことが判明。

「後ろめたき〜〜〜」と「咳止まぬ我の背さする妻〜〜〜」。
桐野の歌を読んだ右京は「小瓶の謎が解けた」と呟く。

事件当夜、桐野は1人だった。
だが、自殺では無い。

右京は犯人をXと仮定。
Xは高塔が留守にしていることを知った上で、桐野に接触。
コーヒーに入れて飲めば疲れがとれるらしいと嘘を吐き、青い小瓶を渡した。
桐野はXから青い小瓶を貰うと、帰宅後に早速試した。
残りについては文箱の底に隠した。
自身が疲れていることを高塔に知られないようにする為である。
心配をかけないようにとの配慮だった。
しかし、桐野は青い小瓶を隠した後にコーヒーを口にし死亡してしまう。

これが右京の推理のすべてであった。
伝え聞いた高塔は何故か「納得した」と会心の笑みを浮かべるが……。
高塔の意図が掴めず困惑する右京。

翌日、右京は神戸との会話をきっかけに病院での日傘を思い出し高塔の真意を悟る。
慌てて、浅沼宅へと向かうことに。

同時刻、浅沼の姿は高塔の自宅にあった。
浅沼を招待した高塔は、コーヒーと共に青い小瓶の薬を奨める。
「これ、疲れがとれるそうですよ」
そんな高塔に、浅沼は疑う素振りひとつ見せず、小瓶の中身をコーヒーに注ぐと飲み干してしまう。

その頃、浅沼宅を訪れた右京たちはそこで浅沼の遺書を発見。
そこには40年前の罪を償うべく死を選ぶと記されていた。

驚き慌てた右京は高塔宅へ。
しかし、時既に遅くそこは事件現場となっていた。

屋内へと駆け込む神戸。
そこには放心状態で座り込んだ浅沼の姿があった。
そう―――死亡したのは高塔だったのだ。

米沢によれば、高塔は透明な小瓶を手に死亡していた。
その中身を口にして死亡していたらしい。
つまり、自殺である。
青い小瓶の中身は無害なものにすり替えられていたのだ。

高塔による復讐を覚悟していた浅沼。
「何故、高塔が自殺してしまったのか」理由も分からず混乱していた。

40年前、桐野を殺害したのは浅沼だった。
浅沼は高塔の才能を卑俗な結婚生活に埋もれさすのは惜しく桐野を殺害したと自供。
しかし、右京は浅沼の真の動機が高塔への恋心にあったと指摘。
自分の気持ちを偽り続けて来た浅沼だったが、遂に認めることに。

高塔を愛していた浅沼は桐野を殺害。
しかし、高塔に告白することで関係が壊れることを恐れた浅沼は40年もの長きにわたり師弟関係を続けて来たのだった。

浅沼の正直な気持ちを確認した右京は浅沼に高塔の意図を打ち明ける。

高塔は復讐を望んでなどいなかった。
告知の日、病院の公衆電話から次の歌会のテーマを“背”にしてはどうかと浅沼に電話した高塔。
つまり、死期を悟り最初に声を聞きたかった相手、それこそが浅沼だった。
「桐野の死が自殺では無い可能性があると知り、嬉しかった」と語っていた高塔。
もしも、桐野の死が浅沼の手によるものだったならば浅沼の動機は高塔にある。
高塔はそれに期待した。
そう、高塔もまた、浅沼を愛していたのだ。

浅沼に青い小瓶を奨めた高塔。
もしも、浅沼が高塔を愛して桐野を殺害したのならば、同じ方法を用いられて飲む筈がない。
そう考えていた高塔だったが、覚悟を決めていた浅沼は死を受け入れそのまま飲んでしまった。
これにより、浅沼は犯人ではないと結論付けた高塔。
こうして、自身の浅沼への愛が一方的なものであると思い込んだ高塔は絶望のあまり自殺を選んでしまったのだった。

「愛は人を強くするが、同時に臆病にもする」
右京の言葉が1人残された浅沼の胸に突き刺さる。
浅沼は自身を支えるモノを失い、愕然とするのだった―――3話了。

<感想>

シーズン10(ten)第3話。
脚本は太田愛さん。

さて、今回はというと……。

男女の仲は誰にも分からないということでしょうか?
そう、本人たちでさえも……。

まさに「晩夏」のサブタイトル通り、高塔の密かな愛も過ぎゆく夏の季節と共に儚く終わりを告げました。
なんとも、シンプルかつ複雑な物語でしたね。

ミステリ的には首を捻る点もいくつかありましたが、なかなかだったように思います。

ただ、浅沼が40年もの間、高塔を師弟の関係で縛っていたのかと思うとちょっと考えちゃいますね。
おそらく、浅沼は自身の想いが届かないと考えて、高塔に歌へ情熱を注ぐよう指導していた筈。
こうして、桐野のときと同じく高塔に近付く男性を排除し続けたのかと思うと怖いかも。
高塔の恋心さえ、師弟関係を40年続けて、浅沼に恋心をすりこまれたか洗脳に近い状態だったのではないかとすら思ってしまいました。
なんとも複雑です……。

右京の語った「知り合いの着物に詳しい女性」とはたまきさんのことでしょうね。
たまきさん、なんだか「コロンボのカミさん」的存在になったなぁ……。

まとめると、「season9」の第3話「最後のアトリエ」と同じく芸術家の生き様を描いたストーリーとなりました。
それに「season8」の第3話「ミス・グリーンの秘密」の右京版を組み合わせた感じかな。
そういえば、両方とも太田愛さんの脚本でしたね。

「相棒season9」第3話「最後のアトリエ」(11月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)

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そして、来週は「ライフライン」。
なんだか、「ボーダーライン」と同じ匂いがします……そう思わせて捻りを加えて来るのか?

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気になりますね〜〜〜。

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