2011年11月15日

『カラスの親指』(道尾秀介著、講談社刊)

『カラスの親指』(道尾秀介著、講談社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

ど派手なペテン、仕掛けてやろうぜ!!
「このミス」常連、各文学賞総なめの文学界の若きトップランナー、最初の直木賞ノミネート作品
道尾秀介の大人気作品がついに文庫化!
第62回日本推理作家協会賞受賞作品

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに!
(講談社公式HPより)


<感想>

『カラスの親指』、あらすじにもある通り第62回日本推理作家協会賞受賞作品です。
2012年秋に映画公開が予定されているとのことで読んでみました。

ラストが全てですね。
親指の意味を知ったとき、読者を感動が襲うでしょう。
なかなか良いのではないでしょうか。

◆関連過去記事

道尾秀介先生『カラスの親指』映画化決定!!

<ネタバレあらすじ>

詐欺師の武内ことタケ。
そして相棒のテツ。
2人は、出会った直後に意気投合。
やがて、揃って暮らすようになった。

そこへ、美人姉妹のやひろとまひろと貫太郎青年、さらには子ネコのトサカが舞い込んで来る。
奇妙な縁が結ぶ5人と1匹。

それぞれがそれぞれの過去を抱えている5人は、共同生活の中で互いを支えるように。
実は、タケはやひろ、まひろ姉妹の母親を借金の取り立てで追い詰めて殺してしまっていた。
本来なら仇に当る立場ではあるが、彼らは自然に許せるようになっていた。

5人は人生をやり直す為に一大詐欺計画を立案。
実行に移す。
皆はそれぞれの道を生き直すことに。

計画を終えて数日後。

余命幾許も無く入院したテツを見舞うタケ。
真相を明かすようにテツに迫る。

テツが語る真相は意外なものだった。

テツはタケなど及ぶべくもないほどのキャリアを誇るプロの詐欺師だったのだ。
そして、やひろとまひろの父親だった。

妻の死を知ったテツは激しく後悔した。
自分のせいで妻が苦労し死にまで追い込まれたと考えたのだ。
しかも、タケのことを調べると、妻の死に責任を感じているらしいことも分かる。

このままではいけない……そう考えたテツは全員を救うべく計画を練った。

まず、偶然を装いタケに接近。
さらに、やひろとまひろたちを導いた。
すべてはテツのプラン通りだったのだ。

唯一、親指のみがすべての指を見ることが出来る。
そう、テツこそが親指だった。

テツはすべてを知った上でタケを許し皆が幸せになるように仕組んでいた。
タケがこれまで行って来た詐欺行為はすべてタケのポケットマネーから出たものだったのだ。
つまり、タケは一度も詐欺を成功させていなかった。

事実を知ったタケはテツに感謝するのだった―――エンド。

映画化される「カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)」です!!
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)



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posted by 俺 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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