<あらすじ>
赤かぶ検事こと柊茂(中村梅雀)とその妻・春子(古手川祐子)は、益川理一(城戸裕次)と小林美也子(黒川智花)の結婚披露宴に出席する。理一はレストランチェーンのオーナー・益川正治(西田健)の跡継ぎだ。理一の妹・愛美(北川弘美)は、柊の娘・葉子(菊川怜)の親友でもある。葉子も会場を訪れて幸せそうな家族を祝福する。柊(中村梅雀)と春子(古手川祐子)は披露宴に出席する
ところで理一はかつて素行が悪く、覚醒剤を使用して事件を繰り返していたことがある。理一の裁判をその都度担当した柊は、更生して誇らしい表情を見せる理一を見て喜んだ。だが、新婦の美也子とその姉・小林富恵(床嶋佳子)の表情が冴えないことが気になった。実は、美也子は理一に暴力を振るわれていたのである。
その夜、理一が殺害されたと連絡が入り、柊は新婚の二人が暮らす家に駆けつける。理一は美也子がシャワーを浴びている間に寝室で刺殺された。新婚夫婦に関わった人々は全て事情聴取されることになり、当然のように柊と春子も指紋を取られ閉口する。
新郎の理一(城戸裕次)が殺された現場に、柊(中村梅雀)が駆けつける。そんな中、事件現場に残っていた凶器の包丁から富恵の指紋が発見された。京都府警の行天燎子警部補(原沙知絵)と溝口賢一警部(中西良太)の取調べに対し、富恵は包丁は紛失したものだと答え、「理一を殺してはいない」と訴える。それを裏付けるように、刺し傷と包丁の形状が一致しないことが判明し、富恵は釈放される。
柊は富恵が営む小料理店を訪ね、美也子たちについて話を聞く。さらに、警察は披露宴の客の中に覚醒剤の売人・広滝三郎(木下ほうか)が紛れていたことを突き止めた。広滝は、理一の妹・愛美と富恵を交互に訪ね、理一の借金を返済するよう二人を強請っていたという。警察は広滝の行方を追うが、間一髪間に合わず、広滝は刺殺され死体となって発見された。背中に突き立てられた刃物は、理一殺害に使われた物と同一であると判明した。そして、懸命の捜査が功を奏し、溝口警部が広滝殺害現場近くの防犯カメラに、事件直前、広滝と美也子が一緒にいる映像が残っていたことを突き止めた。美也子は容疑者として取調べを受けるが、頑なに黙秘を続ける。
一方、柊は現場に落ちていたある遺留品に注目し、かつて富恵と美也子が暮らしていた丹後半島の宮津を訪ね、姉妹の意外な真実に気付く…。
(公式HPより)
では、続きから……(一部、あらすじと重複あり)
披露宴に出席していたカメラマンの卵・寺尾健一の協力で、当日の来客について調べた葉子。
健一から提出された写真により広滝という男が浮上する。
同じ頃、当の広滝は理一殺害について愛美を脅迫していた……。
さらに、美也子をも脅迫する広滝。
矢先、広滝が殺害される。
凶器は理一殺害と同じ包丁だった。
愛美が行方不明になってしまう。
事件に関連するかと思われたが、愛美は健一と駆け落ちしていた。
お金よりも静かに2人で暮らしたいと語る愛美。
それを支持する健一。
2人を見つけた葉子だったが、見逃すことを決める。
一方、殺害現場付近の防犯カメラから広滝と美也子が言い争っている映像が発見。
美也子は容疑者として連行されるてしまう。
富恵は茂に美也子の無実を訴える。
その必死さに何かを感じた茂は姉妹の故郷・丹後半島の宮津を訪れる。
そこで姉妹の秘密を突き止めることに。
富恵に真相を確認する茂。
美也子は富恵の妹ではなく、娘だった。
富恵と美也子は親娘だったのだ。
16歳のときに美也子を生んだ富恵。
熱烈な恋愛の末の妊娠だったと言う。
だが、相手の男は暴力夫だった。
結局、上手くいかず富恵は故郷へと戻った。
そこで美也子を出産、姉妹として育った。
美也子は美しい娘に成長、富恵は喜んだがそれも長くは無かった。
美也子は理一と出会ってしまったのだ。
理一は美也子の父親同様に暴力男だった。
美也子に自分と同じ想いをさせたくない富恵は理一殺害を決意。
遂に実行に移す。
サイズが違う指紋つきの包丁は一旦、容疑を自分へと向けておいて晴らす為の罠だった。
富恵にとって、理一の排除と美也子に疑惑が向かないようにすることが肝要だったのだ。
富恵のお守りが広滝の殺害現場から見つかったことで富恵は罪を認める。
広滝殺害当夜、美也子は広滝と話し合うことに決め、それを富恵に伝えた。
それを聞いた富恵は広滝殺害を決意し、実行に移した。
富恵の犯行は金銭的に利益がない。
だからこそ、犯人が見えなかったと語る茂。
すべては母の愛が引き起こしたのだ。
富恵に自首を奨める茂。
だが、富恵は美也子に告発されることを待つと断る。
富恵は証拠品を処分する現場を富恵に目撃されていた。
しかし、茂は「いつまで待ってもそれはない」と否定。
美也子は黙秘を貫いていた。
なぜなら、富恵が母親であると美也子は知っていたから。
母親を庇おうとしていた美也子。
富恵は美也子が真実を知っていることを知らなかった。
茂から美也子の気持ちを聞かされた富恵は泣き崩れる。
そこへ現れた美也子。
親娘の名乗りを挙げる2人を見守る茂。
こうして事件は解決したのだった―――エンド。
<感想>
月曜ゴールデン 中村梅雀さん版「赤かぶ検事」シリーズ第3弾です。
前作は2010年10月18日に放送されているので、実に1年ぶりの新作となりました。
前作については過去記事ありますね。
興味のある方はこちら。
・月曜ゴールデン 赤かぶ検事奮戦記2−悪女の証言−「京都未亡人殺し裁判…父は検事で娘は弁護人火花散る父娘対決!証言台に立った被告の妻がひた隠す真実は?夫を裏切り悪女と化したその理由は」(10月18日放送)ネタバレ批評(レビュー)
実は中村梅雀さん版は連続ドラマ化もされていました。
・水曜劇場「赤かぶ検事 京都編 名物検事登場…正義人情の法廷サスペンス決定版…不思議な誘拐…幼児が2度消えた?犯人だけ自首?証人が死んだ?謎が謎を呼ぶ冬の古都…初回2時間スペシャル」(1月13日放送)ネタバレ批評(レビュー)
さて、「赤かぶ検事」シリーズと言えば原作は和久峻三先生。
今回のドラマ原作は『容疑者は赤かぶ検事夫人』(光文社刊)。
<あらすじ>
松本市内のホテルのパーティに招待された赤かぶ検事とかみさん・春子は、地元の名士に囲まれておろおろするばかり。ところが、会場で株成金の本庄夫人が殺され、八千万円相当の装飾品が盗まれた。しかも、盗品が春子のコートから発見されたから大変。検事夫人が強盗殺人犯…。会場は騒然、春子は無実を訴え泣き崩れ…。(表題作)ユニーク検事、東奔西走。
(光文社公式HPより)
調べてみたところ、他2篇を収録している本とのことで原作は中編のようです。
ちなみに、あらすじを見たところではドラマ版とは全く違うようですが……本当に原作?
興味のある方はアマゾンさんへのリンクを用意しているのでそちらをどうぞ!!
さて、ドラマ版の感想を。
美也子は知らず知らずのうちに実父の面影を理一に求めちゃったのかなぁ……。
実父と理一が似たようなタイプだったのかもしれませんね。
あるいは富恵と美也子の親娘が似ていたのか。
どちらにしても、富恵が逮捕された後も、美也子は似たタイプを好きになる可能性が……。
富恵は理一を殺害するのを早まった気がする……。
他にも不思議な点が多々。
ここから批判が始まります。
毎度恒例のアレです。
読後、不快な想いをする恐れがあります、注意!!
役者さんは良い。
ただ、トリックなどイロイロと小手先で酷過ぎる……。
現場に富恵の指紋付きでサイズ違いの包丁があったから、容疑圏外ってのは早計に過ぎる。
実際、富恵の犯行だったわけだし、容疑がかかった時点で、アリバイもないし移動手段調べられたらアウトのような気が……。
危険過ぎないか?
第一、美也子も居る部屋で理一を殺害しなくてもねぇ……。
可愛い娘に死体を見せつけたい母親ってどうだろう……。
しかも、第一発見者。
工作したところで美也子に容疑がかかる恐れは充分にあるのでは?
やっぱり、危険過ぎないか?
そして、第2の殺人。
鑑識が捜して見つからなかった筈の場所から、あっさり証拠品を見つける茂。
え〜〜〜〜〜〜〜っ!!
ラストで美也子が富恵を迎えに来るのもなぁ……。
美也子、黙秘している筈じゃ!?
あの場に居た時点で、富恵の犯行を認めているようなものだし。
影から茂と富恵の会話を聞いていたようだし、富恵を庇ってはいないような……。
あそこは、富恵が自首した後、警察署で擦れ違う際に名乗りを挙げれば良かった気がする。
モヤモヤ……。
などなど、いろいろ不満点が……モヤモヤする作品でした。
<キャスト>
柊茂(ひいらぎしげる):中村梅雀
○
柊葉子(ひいらぎようこ):菊川怜
○
行天燎子(ぎょうてんりょうこ):原沙知絵
○
溝口賢一(みぞぐちけんいち):中西良太
桜田梅子(さくらだうめこ):川俣しのぶ
○
日比野康夫(ひびのやすお):小野武彦
○
柊春子(ひいらぎはるこ):古手川祐子
○
小林富恵(こばやしとみえ):床嶋佳子
○
小林美也子(こばやしみやこ):黒川智花
○
益川愛美(ますかわまなみ):北川弘美
益川理一(ますかわりいち):城戸裕次
益川正治(ますかわまさはる):西田健 ほか
(順不同、敬称略、公式HPより)
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