2011年11月25日

『分身』(東野圭吾著、集英社刊)

『分身』(東野圭吾著、集英社刊)ネタバレ書評(レビュー)です。

ネタバレあります、注意!!

<あらすじ>

私にそっくりな、もう一人の私がいる!?自分にそっくりな東京の女子大生・双葉をテレビで見て驚く札幌の女子大生・鞠子。2人を結ぶ宿命の絆とは何か?迫真のサスペンス長編。(解説・細谷正充)
(集英社公式HPより)


<感想>

双葉と鞠子の出生の秘密について触れた作品です。
双葉の章、鞠子の章が交互に繰り返されて物語は進みます。
2人の抱えた2人の知らない秘密は大きく重いものですが、それを乗り越えてのラストは感動的。
ラスト、双葉と鞠子の出会いは光景が想像できて美しいです。

満開のスズランの中、レモンを手に出会う2人。
鏡のような2人はお互いこそが互いの半身であると一目で確信する……。

「ヴァルキリープロファイル」というゲームがありましたが、管理人はあれのスズラン畑のシーンを想起しました。
本当に抒情的で絵になります。

これだけでも、読む価値はある。

なお、本作『分身』は2012年2月にWOWOWさん「ドラマW」にてドラマ化が決定しています。
あのシーンを再現できるのか……注目です!!

ちなみに、2011年9月現在、東野圭吾先生の作家25周年を記念して、講談社、文藝春秋社、集英社にて「人気作品ランキング」が実施中です。
その中間結果発表が行われました、こちら。

東野圭吾先生「人気作品ランキング」中間結果発表!!

<ネタバレあらすじ>

東京に住む小林双葉は「目立ってはならない」との母の言いつけに背き、テレビのバンド番組に出演した。
それ以来、双葉の日常から“平穏”の2文字が失われてしまう。
双葉に付きまとう不穏な空気……それは双葉から母を奪ってしまう。
轢き逃げだった。

一方、北海道に住む氏家鞠子。
事故で母を亡くし、父1人娘1人で育った彼女。
母の死の原因を探るべく、東京へと出向いた。
そこで、鞠子はテレビ画面の中に自分にそっくりな女性を見つける。
その女性こそ双葉だった。

双葉の周囲には未だ不穏な空気が漂っていた。
そこへ双葉の母に世話になった編集者だと言う講介が現れる。
双葉の母の死の真相を調べたいと口にする彼。
最初は信じない双葉だったが、何者かに襲われたところを講介に救われたことで信用することに。
双葉は自身の出自を調べるべく、母が自分を妊娠した北海道へ向かう。

その頃、鞠子は父の友人から彼女が晶子にそっくりだと告げられる。
それは他人のそら似の域を遥かに上回っているほど生き写しだと言う。
母の死の原因が晶子にあるのではないかと考える鞠子。
父が居る北海道へと戻ることに。

双葉は北海道で氏家の存在を知る。
同時に氏家に自分にそっくりな鞠子と言う娘が居ることも。
双葉と鞠子は双子なのか?
では、母は誰か?
調べて行くうちに晶子の存在が浮上する。

鞠子は父の友人と名乗る男性から研究所へと連れて行かれる。
実は、鞠子は晶子のクローンだった。
父は学生時代から晶子に恋しており、友人として不妊を相談された際に妻に黙って晶子のクローンを妻に妊娠させた。
晶子を自分のモノにしたいとの氏家の欲望から生じた行為だったが、我に返った氏家は後悔するように。
これは結果として氏家の妻を追い込むことになる。
氏家の妻は、夫の態度から晶子の存在を知り、鞠子が氏家と晶子の子供だと誤解してしまう。
そこで、絶望した氏家の妻は無理心中しようとし事故死したのだ。
鞠子はとある代議士の移植に必要となる臓器を作るクローンの成功例として研究対象にされようとしていた……。

そして、双葉もまた晶子のクローンだった。
双葉の母は当時の実験に参加した1人。
代理母としてクローンを妊娠したが、親心が芽生え双葉を連れ逃げ出していた。
ところが、双葉がテレビに出たことで当時の関係者に所在がバレ、双葉を引き渡すよう脅された。
これを断った為に殺害されたのだった。

事実を知りショックを受けた双葉。
そんな双葉を講介はある人物と引き合わせる。
その人物は晶子だった。
講介は子供の出来なかった晶子の養子だった。
晶子は事業家として成功していたが、双葉がテレビに出たことで隠し子ではないかと噂になり、その調査の為に講介を近付けたのだ。

しかも、晶子は双葉と鞠子を研究所に引き渡そうとしていた。
このことを知った講介は激しく反発。
だが、晶子は自分そっくりな人間が居ることは許せないと断言。
双葉はオリジナルに否定されたことから、さらに大きなショックを受けてしまう。

誰からも認めて貰えないと落ち込んだ双葉だったが、もう1人の自分である鞠子の存在を思い出す。
鞠子に会いに行こう―――そう決めた双葉は鞠子を捜す。

同じ頃、鞠子は研究所で隔離されていた。
不安に怯える日々に、氏家から差し入れが届く。
それは『赤毛のアン』だった。
カバー裏に氏家からのメッセージを発見した鞠子。
そこには、自身の過ちとそれでも妻が鞠子を娘として愛していたことが記されていた。
そして、此処からの脱出法も記されていたのである。
その夜、鞠子は父の指示に従って研究所から逃げ出す。

直後、研究所で大爆発が起こった。
氏家はニトロを持ち込んでいた―――自身の罪の償いと娘を助ける為に。
父の愛を知った鞠子はその場を駆け去る。

双葉は講介の協力で研究所の位置を突き止めた。
車で向かう途中、ふと何かに惹かれる双葉。
車を停めて歩き出す。

走り疲れた鞠子の目の前にスズラン畑が広がっていた。
ふと何かを感じる鞠子。

そちらへ目をやると、そこには良く見知った姿の人物が居た。
姿形は知っている、だが、初めて出会うその人物。
双葉もまた目の前の鞠子に何かを感じていた。

互いに互いが掛け替えのない半身であると確信する2人―――エンド。

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【その他】
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「分身 (集英社文庫)」です!!
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2011年9月9日発売「マスカレード・ホテル」です!!
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