2011年11月24日

「相棒season10(ten)」第6話「ラスト・ソング」(11月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)

「相棒season10(ten)」第6話「ラスト・ソング」(11月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)です!!

日本で100番目に早い(たぶん)、「相棒season10(ten)」第6話「ラスト・ソング」(11月23日放送)ネタバレ批評(レビュー)。

相棒1


<ネタバレあらすじ>

伝説のジャズシンガー“ミス・アンルーリー”こと安城瑠里子(研ナオコ)の復活ライブ。
その会場に神戸(及川光博)も足を運んでいた。
実は熱心なファンだった神戸。
ムーディーな音楽が流れ、大人の時間が過ぎる―――それは神戸にとっても至福の時。

しかし、裏では意外な事が起こっていた。
休憩時間中、瑠里子はぐったりとした何者かを非常階段脇から地上へ突き落していたのだ!!

瑠里子は控室に戻るとそこにスタッフが現れた。
と、鳴り響く電話。
瑠里子は「あら、鎌谷だわ」とスタッフの前で電話を受ける。
暫しの通話後、瑠里子は「鎌谷を捜して来て」とスタッフに依頼するが……スタッフが捜し出したのは非常階段下の地面に転がった鎌谷の死体だった。
それを聞いた瑠里子は一番に鎌谷のもとへ駆け寄るが……。

瑠里子のステージ休憩の合間に、ライブをサポートしていたイベント会社社長・鎌谷充子(西山知佐)が遺体で発見された。
会場で事件を聞きつけた神戸は捜査に関わることに。

神戸に呼ばれた杉下右京(水谷豊)も加わり本格的に特命係が捜査に参加する。

ライブハウスの在籍するビル5階の非常階段脇から転落事故死したように見えた鎌谷。
しかし、神戸は遺体のそばに無傷の携帯電話を発見したことで事故死に不審を抱く。
鎌谷が所持したまま転落したのならば無傷の筈がないからだ。
神戸が右京を呼んだ理由はコレだった。
右京も神戸の判断を認める。

鎌谷の携帯を確認したところ、最後の発信は21時15分瑠里子の楽屋宛て。
もしも、鎌谷がこの通りに電話を入れていたとするならば、瑠里子はもちろんスタッフ全員にアリバイが成立すると言う。

鎌谷の胸ポケットに封の切られていない煙草のケースを見つけた右京。
事故説の根拠は鎌谷が外に煙草を吸いに出たからというもの。
つまり、鎌谷が煙草を吸っていなければ事故説は否定される・

これに対し、瑠里子は初めから咥えて出たのだろう。
空箱はゴミ箱にでも捨てたのではないかと反論、右京の推理を否定する。
かといって、自分の意見を押し通すワケでもない。
何かあれば「さぁ、私は知らない」と返って来る。
のらりくらり、それが瑠里子の印象だった。

30年近く前、伝説のシンガーとされていた瑠里子。
その異名“ミス・アンルーリー”は“ルール無用”なところからも来ているらしい。
右京たちはその異名の由縁をまざまざと見せつけられることとなった。

一方、司法解剖の結果「転落した際に付いた傷の多くに生体反応が無い」との報告書が。
致命傷は後頭部の傷らしい。
つまり、転落する前に鎌谷は死亡していたのだ。
これを受けて伊丹たち一課も正式に捜査に参加する。

捜査を進める右京たち。

スタッフに確認したところ、確かに瑠里子は21時15分に電話を受けていた。
ちなみに瑠里子は飛行機嫌いらしい。

次は、殺害当日に現場で瑠里子と共にステージに立ったバンド仲間の森脇を訪ねることに。
「最初はステージを断るつもりだった」と森脇。
鎌谷に対しては良い感情を抱いていないらしい。
さらに、過去へと話題が及ぶと瑠里子と森脇が元恋人だったと分かる。

森脇と別れ、別の第3者の意見を訊く右京。
瑠里子と森脇を知る人物によれば、瑠里子の復帰は意外だったらしい。
解散前、瑠里子は客によって態度が変わっていたほどの気紛れ屋。
時には、気が乗らず曲の途中で帰ることもあったそうだ。
ここでも“アンルーリー”の名の由縁を知らされ、肩を竦める神戸。
ちなみに解散後、森脇と違い瑠里子は生活に困るようになっていたと言う。
もっとも、それと知られないように森脇が援助していたようだが……。

瑠里子は長年不遇を囲っていた、これは間違いない。
では、復活ライブを支援してくれた充子を殺害する必要があったのだろうか?

こうして、再度、瑠里子から話を訊くことに。
もしも、瑠里子の証言通り21時15分に鎌谷と電話で話をしていたら外部犯行となる。
外部犯行の可能性を仄めかす神戸。

「だが、鎌谷から電話を受けたとの瑠里子の証言が偽証ならば話は変わる」
神戸の言葉を引き継ぎ、瑠里子への疑惑を口にする右京。
疑われているにも関わらず、意に介さない瑠里子。
仕方なく、右京たちはその場を引き上げる。

仮に瑠里子が犯人だとすれば、瑠里子は犯行後もステージで歌っていたことになる。
何か変化が無かったか神戸に尋ねる右京。

そこで神戸はあることに気付く。
瑠里子復帰のきっかけとなったCMの曲を歌わなかったのだ。
そのタイトルは「When love kills you(フェン ラブ キルズ ユー)」。
鎌谷を殺害した後なので「殺す」と入った曲は避けたのか?

右京は保管庫に置いてあったケースに注目。
米沢がルミノール反応を確認したところ、そこから鎌谷の血痕が発見される。
犯行現場は非常階段の踊り場ではなく、保管庫だったのだ。
右京は「あの人ならば、此処でしか殺害できない」と断言するが……。

三度、瑠里子を訪ねる右京たち。
瑠里子は興味の無い素振りを見せる。

右京は犯行現場が保管庫だったことを告げ「飛行機に乗れないほど高所恐怖症だったからこそ現場は保管庫だった」と瑠里子にぶつける。

続いて神戸。

鎌谷の携帯は壊れていなかった。
つまり、携帯は高所から落とされたものではない。
ここで、真っ先に非常階段を駆け降りた瑠里子に対して疑問が湧く。
その際に携帯を鎌谷に戻したのではないか?
つまり、21時15分の鎌谷からの電話は鎌谷の携帯を用いた瑠里子の自作自演の可能性がある。

そこへ伊丹たちが登場。
瑠里子の動機を代弁する。
なんと、瑠里子は鎌谷の手でノーギャラにされていたのだ。

次いで、伊丹の推理が炸裂!!

瑠里子は21時15分以前に鎌谷を殺害。
鎌谷の携帯を抜き取った上で、非常階段から突き落とす。
その後、21時15分に自身の手で鎌谷の携帯を操作し、自身に電話。
さも、鎌谷が生きていたかのように偽装した。
そして、鎌谷の様子を見て来るようスタッフを誘導し、死体を発見させると自身が先頭に立って階段を下りた。
そこで、偽装に用いた携帯をもとに戻したのだ。

しかし、瑠里子は動じない。
あくまでステージ優先、もしも捕まえたいならば証拠を用意しろと迫る。
これには伊丹も白旗を上げるしかなかった……。

右京は伊丹の推理はほぼ正しいと評価。
た・だ・し、瑠里子の動機が金目当てだとは考えにくい、何か彼女ならではのものがある……と述べる。

それを探るべくステージを鑑賞する右京。

瑠里子のステージは順当に進み、リクエストタイムとなった。
右京は大胆不敵にも「When love kills you」をリクエストする。
リクエストに応じた瑠里子。

「街の灯〜〜〜が、みちびい〜〜〜た」

歌い出しから始まり、終わるまで一点の非も無く歌い終えた瑠里子。
そのまま楽屋へと去る。

追いかけた伊丹たち。
その後ろから現れた右京たちは事件の真相に辿り着いていた。

何故、瑠里子は昨夜のステージで「When love kills you」を歌わなかったのか?
それは、森脇のミュートが使えないことを知っていたからだ。
瑠里子の歌った曲でミュートを使うのは「When love kills you」だけ。
その曲を避ければミュートは使わずに済む。

瑠里子は保管庫で鎌谷の死体とミュートを発見し、咄嗟に選曲を変えたのだった。

そう、犯人は森脇。
そして、事件は前半と後半の休憩時間中では無く、本番の前に起きていた。
鎌谷と揉めた森脇はカッとなって彼女を殺害したのだ。

何故、森脇は鎌谷を殺害したのか?

最初は瑠里子の復帰ステージを引き受けるつもりのなかった森脇。
引き受けた理由は自身の脱税を鎌谷に脅迫された為だった。
要求がどんどん大きくなった為に耐えられなくなった森脇は遂に鎌谷を殺害したのだ。
瑠里子は森脇を庇っていた。

森脇は伊丹たちに連行されて行く。

残された瑠里子は森脇を庇った理由を独り呟く。
自分の歌が輝くのは森脇の演奏があったときのみだったらしい。
他の誰もが瑠里子の歌を活かせなかった。
瑠里子のシンガーとしての魂を満足させたのは森脇のみだった……。

「あの最高の歌をもっと歌っていたかった……」

森脇を庇い工作したことで瑠里子もまた罪に問われることになる。
右京に促され席を立つ瑠里子。

そこへ支配人が現れる。
「客が1人も帰らない、アカペラでもいいので何か歌ってくれないか」と頼み込んで来たのだ。
しかし、瑠里子は「もう2度と歌えない」と要請を拒否する。

アンコールの拍手の響く中、右京に連れられた“アンルーリー”ことジャズの伝説が最後のステージを後にする―――6話了。

<感想>

シーズン10(ten)第6話。
脚本は5話と同じく戸田山雅司さん。

さて、今回はというと……。

倒叙物と思わせて王道を行きましたね。

内容的にはフジテレビ系列であった「古畑任三郎」第1シーズンの6話「ピアノ・レッスン」に似ていましたね。

「音楽関係者」の物語で、「犯人断定の決め手がある曲を演奏出来なかった」からで、「動機も自分の歌(曲)にプライドを持つが故の特異なもの」。

今回は割とテンプレ的な要素が多かったからこそ、似ているように感じたのかもしれませんが。
それと、当初の展開が倒叙物を偽装していたからでしょうか。

ただ、それを抜きにしても今回の話はちょっと弱いかなぁ……。

例えば、「高所恐怖症にも関わらず瑠里子が一番に非常階段を駆け降りたのは携帯をもとに戻す為だった」こと。
その筈なのに、直前で「瑠里子が高所恐怖症である為に非常階段で犯行が不可能」と右京が断言しているのは違和感。
それだけ重度の高所恐怖症ならば「非常階段を駆け下りることすら出来ない」筈。
なんだか、妙に引っかかった。

他にも、森脇のミュートを使わない曲を選んだから森脇が犯人という流れもちょっと。
ミュートでなくとも、ありがちだが森脇が殺害時に指を負傷しその曲が弾けないの方が良かったと思う。
それならばリクエストの際に実際に演奏が不可能であることを絵的に見せることができ納得し易いのでは。
悪くは無いのだけど、あのロジックはなんだかモヤモヤした。

まぁ、ここらは個人の感性によるものだと思うけど。

芸術家であるが故の意外な動機あたりは良かったんだけどなぁ。
だとすると、森脇との元恋人設定が余計か。
それと、瑠里子の面倒を森脇が見ていたことも蛇足かなぁ。
瑠里子の芸術家としての動機の純粋さがアレで霞んだ気がする。

結果、全体的に小さくまとまった感じか。
手堅いといえば手堅いが。
総評として、特に「可もなく不可もなく」という感じでした。

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