ネタバレあります、注意!!
<あらすじ>
国分寺に位置し、芸能クラスを持つ「私立鯉ヶ窪学園高等部」。この学園の「探偵部」の副部長・霧ヶ峰涼を主人公とした、脱力系のユーモア・エンターテイメントのミステリー学園ドラマ。社会的な事件でなく、ごく日常の学園生活に起こる事件を、ユニークな視点のトリックと、ユーモラスな伏線、魅力的な登場人物たちでユル〜ク描く。
(公式HPより)
<感想>
『謎解きはディナーのあとで』も好調な東川篤哉先生の「鯉ヶ窪学園」シリーズの短編集です。
本作の主人公は霧ヶ峰涼。
まるでエアコンのよ……ゴホン。
失礼、まぁ、ともかくそのような名前の主人公である。
で、本作はその主人公・エアコ……もとい霧ヶ峰涼が活躍する物語をまとめたものである。
収録作は次の8つ。
・霧ヶ峰涼の屈辱
・霧ヶ峰涼の逆襲
・霧ヶ峰涼と見えない毒
・霧ヶ峰涼とエックスの悲劇
・霧ヶ峰涼の放課後
・霧ヶ峰涼の屋上密室
・霧ヶ峰涼の絶叫
・霧ヶ峰涼の二度目の屈辱
この8作のうち、霧ヶ峰涼自身が解決に導くのは『霧ヶ峰涼の放課後』と『霧ヶ峰涼の絶叫』の2作のみ。あとは他の人物である。
特に「鯉ヶ窪学園」シリーズ本編でも活躍する石崎は『屈辱』、『逆襲』、『二度目の屈辱』を解決している。
主人公より解決率が高いぐらいだ。
この点でも意表を突いた作品と言えるだろう。
それにしても、霧ヶ峰涼はイイね。
読んでて物凄く生き生きとした主人公だ。
キャラクターがきびきびしている。
すぐに物語に集中できたのは涼のキャラクター性によるところが大きい。
大事にして欲しいキャラクターである。
ちなみに本作に未収録の「霧ヶ峰涼シリーズ(こう言ってもいいのではないか)」は、2011年11月現在で次の2作品存在している。
・霧ヶ峰涼と渡り廊下の怪人
・霧ヶ峰涼の学園祭騒動記
これらの一刻も早い収録が望まれるものだ。
早く、次の霧ヶ峰涼の活躍が読みたい!!
ちなみに本作『放課後はミステリーとともに』はNHKさんでラジオドラマ化されています。
しかも、その際のキャストとは別でCDドラマ化も。
これはドラマ化もありそうか?
『霧ヶ峰涼の屈辱』さえ映像化出来れば可能な気がしますね、要注目です!!
・勢い止まらずまさかのラジオドラマ化!?東川篤哉先生『放課後はミステリーとともに』(実業之日本社刊)がNHKさんにてラジオドラマに!!
◆東川篤哉先生関連ネタバレ書評(レビュー)記事
・『謎解きはディナーのあとで2』(東川篤哉著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉著、小学館刊)ネタバレ書評(レビュー)
・『もう誘拐なんてしない』(東川篤哉著、文藝春秋社刊)ネタバレ書評(レビュー)
<ネタバレあらすじ>
◆【霧ヶ峰涼の屈辱】
霧ヶ峰涼は「私立鯉ヶ窪学園高等部」の学生。
そして、「探偵部」の副部長である。
その「鯉ヶ窪学園探偵部」に重大な問題が浮上していた。
将来的に部活動として成立する為に顧問が必要となったのだ。
候補として挙がったのは類稀なる推理能力を持つ生物教師・石崎。
そこで、石崎へ顧問就任を依頼する特命を涼が帯びたのだ。
早速、足を運ぶ涼だが途中で趣味の野球を観戦。
時間をたっぷりととってしまい遅くなってしまう。
当然、石崎に会うことは出来ない……。
「まぁ、人生ってこんなもんだよね」と軽く悟りの境地に達したところで不審な物音を聞きつけてしまう涼。
止せばいいのに探偵の宿命を果たすべく物音の正体を突き止めようとしてしまう。
そこには黒い人影が居た。
人影は涼に見咎められたと知ると風のように逃走する。
「ど、どろぼ〜〜〜」
慌てて叫びながら追いかける涼。
その呼びかけに応じて3年の先輩と警備員の2人が合流。
3人で不審な影を追いたてる。
ところが、影はかき消えてしまう。
詰めていた用務員に「不審な人物が通らなかったか」確認する涼たち。
用務員は「そんな人物はいない」と断言。
こうして、犯人は忽然と消えてしまった。
犯人の狙いが学校行事を撮影したビデオと判明。
学生の中にはタレントも多数在籍しており、好事家に売却する目的があったものとみられた。
幸い、涼が妨害したことで盗難されることはなく未遂に終わっていたが。
警備員は室長を呼び善後策を練る。
この事態に、涼は泥棒を追跡した人間の中に犯人が居ると推理。
用務員も「3人の中に犯人が居る」と言い出す。
室長もその意見に賛同するが……。
結局、一旦解散することに。
その夜、用務員が何者かに木材で襲撃され病院に搬送されてしまう。
翌日、涼は石崎に事件のあらましを語って聞かせる。
石崎は犯人が分かったと口にすると、涼を連れて野球部の試合を見学する。
涼に押し出しで点が入る現場を見せた石崎。
これと同じことがあのときも起こったと告げる。
涼が考えている追跡者のメンバーは涼を含めた警備員と先輩の3人。
だが、用務員が考えていた追跡者のメンバーは警備員、先輩にもう1人の人物だったらしい。
つまり、用務員は涼を追跡者として勘定に入れていなかった。
なぜなら、霧ヶ峰涼は女子生徒だったから。
用務員は、てっきり野次馬の1人だと思っていたのだ。
そして、用務員の考えていた3人の最後の1人こそ室長だったのである。
あのとき、室長は涼に追われ逃げ出すが、前方に用務員が居ることに気付いた。
困った彼は自身も追跡者のふりをしてやり過ごすことに。
その為に、用務員は「室長、警備員、先輩」の3人が追跡者だと思い込んだ。
実際は「涼、警備員、先輩」の3人だったにも関わらず。
こうして、犯人消失という不可解状況が成立したのだ。
だが、室長は用務員の口から、いつその秘密が漏れるか気が気では無く口封じを企んだのだった―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼の逆襲】
エアコンみたいな名前の霧ヶ峰涼が遭遇した次なる事件。
それはとあるカメラマンの張り込みに涼が遭遇したことから始まった。
カメラマンは有名男性タレントの熱愛報道をスクープすべく張り込みを行っていた。
と、男性2人にタンカで運ばれる女性1人の光景を目撃することに。
涼は運び出した男性の1人がカメラマンが標的としていたタレントで、タンカで運ばれた女性こそその熱愛相手だと推理するが……。
石崎に話してみたところ、やはり別の見解を示される。
男性タレントの熱愛相手は一緒にタンカを運んでいた男性だと言う。
つまり、同性愛だったのだ。
タンカで運ばれた女性はそれを隠す為のダミーだった。
では、その女性は何故そこまで協力したのか?
カメラマンと再会した涼は彼からその女性がとある傷害事件の容疑者となっていることを知る。
しかし、例の男性タレントと会っていたとの鉄壁のアリバイがあるらしい。
ここで涼は、女性の真の狙いを察する。
彼女は自身のアリバイの為に男性タレントの奇策を利用したのだ―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼と見えない毒】
涼の友人・奈緒子が居候させて貰っている家の主人が命を狙われたらしい。
探偵部副部長の誇りに賭けて彼を守ると決めた涼だが、その矢先に当の本人が毒を飲み入院してしまう。
本人は倒れる直前に「コーヒーに毒が……」と言い残していた。
ところが、当のコーヒーには毒が入っていなかった。
この謎に挑んだ涼だったが、奈緒子が解き明かしてしまう。
そう、毒はコーヒーでは無くそれを飲むストローに仕掛けてあったのだ―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼とエックスの悲劇】
霧ヶ峰涼が興味のない天体観測を授業の為にしぶしぶ行っていたときにそれは起こった。
UFOらしき謎の飛行物体を目撃した。
女性教諭に連れられ追いかける羽目になった涼。
UFOではなく、なぜか首を締められた被害者を発見してしまう。
周囲に被害者以外の足跡ひとつない場所での犯行に謎は深まる。
今回、謎を解いたのは女性教諭。
UFOのように見えたものは細工された凧だった。
犯人により凧糸で首を締められた被害者は苦しさのあまり自らの足で移動してしまったのだ。
その後、凧は犯人が根元から切断した為、風に飛ばされてしまい証拠が消えたのだった―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼の放課後】
体育用具室、そこで不良の荒木田が煙草を吸っていた。
たまたま通りがかった涼と奈緒子は教師と共に証拠となる煙草を捜すが見当たらない。
その帰り道、涼は荒木田から食事に誘われる。
大好物を聞かれベーコンと答えた涼はベーコンサンドを御馳走になるのだった。
そこへ奈緒子から電話が。
どうもあった筈のお金が無くなっているらしい。
奈緒子を助けるべく向かおうとした涼を先輩が止める。
この先輩にもお好み焼きを奢って貰う涼。
先輩に体育用具室の件を訊かれた涼は素直に答える。
すると、先輩は何が起こったのか分かったと言う。
ご教授願うべく同行する涼、残念ながら奈緒子のことは忘れている。
先輩の指摘に従い、跳び箱を調べると二重底になっていた。
そこから出て来たのは荒木田の煙草だった。
荒木田は涼が跳び箱を調べたが告発しなかったことで庇ってくれたと勘違いし、礼を述べるべく奢ったのだった。
そして、他には―――盗撮用のカメラだ!!
何者かが女子の着替えを盗撮すべく仕掛けていたのだろう。
先輩は許せないとカメラを壊そうとするが……。
涼には先輩の狙いが分かっていた。
実は先輩こそが事件の犯人だったのだ。
とは言っても盗撮犯ではない。
現金や貴重品を盗難していたのだ。
奈緒子の所持金が無くなっていたのも先輩の仕業である。
そして、その被害には涼も遭っていた。
先輩は、盗難現場を盗撮された可能性を考え、証拠を隠滅しようと狙っていたのだ。
正体を暴かれた先輩は破れかぶれで涼を殺害しようとバットを振り回す。
ヒロイン危機一髪……そこに現れたのは荒木田だった。
荒木田は先輩を突き飛ばし大人しくさせる。
危急の時に駆け付けた荒木田に感謝しかける涼だが、荒木田は自分の煙草を回収しに来たついでなのだった。
しかも、荒木田はお礼を要求するが……。
荒木田の好物はウナギ。
そう聞いた涼が用意したのは、この為だけに用意した特製ウナギサンドなのだった―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼の屋上密室】
その日、霧ヶ峰涼は野球部員相手に投球勝負を挑んでいた。
決め球のナックルで部員を黙らせる涼。
勝利の余韻に浸っていると思わぬ事件に巻き込まれる。
事件は16時30分に発生した。
加藤という女子生徒が屋上から教育実習生の頭の上に墜落して来たのだ。
結果、2人も病院へ運ばれることに。
涼は加藤の転落当時、屋上に誰も居なかったことから加藤の自殺未遂と結論付けるが……。
ところが、加藤は誰かに突き飛ばされたと証言する。
こうして、殺人未遂事件に発展。
消えた犯人を捜すことに。
過去に加藤がイジメの常習者だったことが分かり、犯人の動機も見えて来たが、肝心の犯人が判明しない。
そこへ意識を回復した実習生に聴取が行われることになった。
「現場であなたは何をしていましたか?」と尋ねられた実習生は傍にもそれと分かるほど動揺。
しどろもどろに「別の先生と打ち合わせをしていました」と訊かれてもいないアリバイを供述し始める。
その言葉に驚く涼たち。
何しろ、実習生には地上で屋上から降って来た被害者にぶつかったとの完璧なアリバイがあるのだから。
一方、実習生が供述したアリバイはあくまで16時のものなのだ。
何故か実習生は犯行時刻の30分前のアリバイを主張し続けているのだ。
この意味を察した女性刑事の追及により実習生は罪を認める。
加藤を屋上から突き落としたのは実習生だった。
それも、加藤と実習生が衝突する30分も前に!!
ところが、当日の風が強かったために屋上から落とされ落下した加藤は傍の木の上にひっかかっていた。
実習生はいつまでたっても騒ぎが起こらないことに疑問を抱き、加藤の様子を確認しに現場へ。
ところが、そこにいる筈の加藤が居ない。
驚きつつもよく見ると、学生手帳が落ちている。
どういうことか分からず確認しようと傍へ近付いたところ加藤が降って来たのだ。
それもその筈、学生手帳は加藤の持ち物だった。
先に学生手帳が、次いで加藤が降ったのだ。
ある意味、因果応報だったのである。
実習生の妹は加藤のいじめにより命を絶っていた。
これが動機だったのだ。
こうして、実習生は逮捕されるのだった―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼の絶叫】
日付を間違え朝練の為に登校してしまった涼。
始業までの余った時間をどう過ごすかに頭を悩ませていたところ、ヘリコプターが頭上を通る。
その暫らく後に絹を裂くような乙女の悲鳴が!!
駆け付けてみると陸上部の迷惑男・足立が砂場のど真ん中で倒れ込んでいた。
悲鳴を挙げたのは陸上部のマネージャー。
足立の周囲にはマネージャーの足跡以外見当たらない。
「これは不可能犯罪だ!!」と息巻く涼。
倒れていた足立は「なんでもいいから治療を……」と呟くのだった。
足立の怪我は幸か不幸か軽かった。
立ち直った足立は「何者かに背後から襲撃された」と主張。
犯人を突き止めるべく、涼を巻き込み捜査を開始する。
しかし、足立を恨む相手は多い。
しかも、その容疑者たちには完璧なアリバイがあった。
何かにつけて転ぶ足立を連れた涼の苦労は続く。
しかし、遂に涼は真相を突き止めた!!
犯行現場へと足立を呼び出す涼。
足立はワケも分からず意気揚々とやって来る。
そこで、涼の一言。
「あっ、札が飛んでる!!」
それに釣られ空を見上げた足立の後頭部を昨日と同じ衝撃が襲う。
「これが犯人だったんです!!」
痛みに頭を抱える足立が目にしたものは……砂地を整備するトンボだった。
あの日、空にはヘリコプターが飛んでいた。
それに気を盗られた足立は足元への注意を怠りトンボを踏んだ。
梃子の原理で一方が跳ね上がったトンボはそのまま足立の後頭部を殴打したのだ。
これが事件の真相だった。
しかし、当のトンボは発見時には無くなっていた。
これはどういうことか?
それにも涼は答えを用意していた。
トンボを放置したのは陸上部の一年生に違いない。
それは故意ではなく、単なる片付け忘れだ。
しかし、それにより被害を被ったのが先輩である足立だとなると問題になる。
いや、足立は必ず問題にするだろう。
そうなると、一年生の立場が危ない。
特にその中に意中の人が居たとなれば、どうするか?
当然、トンボを隠そうとする筈だ。
この条件に該当する人物が居たのだ。
そう、マネージャーその人である。
彼女は一年生の中に想いを寄せる人物が居り、その人物を庇う為にトンボを隠したのだ。
ところが……足立はそんなことを意に介さない。
それどころか、自分を愛するが故にマネージャーが犯行に奔ったなどと言い出す始末。
涼の言葉に耳を貸す様子もない。
呆れた涼は去り行く足立の背中に声をかける。
「あんたが好かれるわけがないでしょ〜〜〜が!!」と―――エンド。
◆【霧ヶ峰涼の二度目の屈辱】
涼は困っていた。
美術部員から絵のモデルになってくれとメールで頼まれたのだ。
渋々、協力することにした涼だが正直、気が乗らなかった。
ところが、美術室に入ってみると事件が涼を待っていた。
人が真っ赤に染まって倒れているのだ。
遂に殺人事件発生か?
胸躍らせる涼(オイオイ)が被害者を確認するとあの荒木田である。
いよいよ、盛り上がって来たと喜ぶ涼は先程擦れ違った怪しい人影を思い出す。
たしか、男物の学ランを着込んでいたような……。
早速、荒木田殺害犯を捕まえるべく追いかけることに。
途中、生徒会長などを尋問するが芳しい答えは得られない。
それどころか生徒会長は宿敵・荒木田の死を心から喜んでいる様子。
こいつも不謹慎である。
と、そこへ死んだ筈の荒木田が現れた。
どうやら、血と思われたのは赤い絵の具でピンピンしていたようだ。
本人によれば後ろから何かをぶつけられて昏倒していたらしい。
生徒会長を疑う荒木田だが、生徒会長は学ランを生徒会室に吊るしており、逃げ出してから吊るする時間を考えると犯行は不可能と思われた。
次に出会ったのは体操着の女子。
こちらも学ラン姿の生徒は見ていないらしい。
他に可能性があるとすればトイレから脱出した場合しかない。
しかし、トイレの前には不良3人組が屯しており、彼女たちも学ランは知らないと言う。
こうして手詰まりになってしまった涼は石崎に相談することに。
石崎はある場所へ行けば答えは出ると請け負う。
その場所は剣道部の練習試合会場だった。
理由が分からない涼に説明する石崎。
まず、荒木田があの場に現れたのが偶然だったこと。
にも関わらず襲われたことから、犯人の狙いは荒木田ではなかったと指摘。
犯人には別の標的が居たと推理する。
そして、本来ならあの美術室に居た人物が誰かと考えれば―――涼本人である。
犯人の狙いは涼だったのだ。
しかし、犯人は涼と荒木田を勘違いして襲撃した。
つまり、犯人は涼を直接知らなかった上に男性だと思い込んでいたことになる。
生徒会長は時間的に無理と分かっている。
3人組も互いにアリバイがある。
残るは体操着の女子である。
彼女が涼を男性だと思い込み襲撃したのだ。
では、その思い込みはどこから生じたか?
それは涼の名前を文字で見た場合だ。
犯人は涼が美術部員と交わしたメールを見て勘違いしたのだ。
体操着の女子生徒は美術部員に好意を持っていた。
そこで涼を1目確認しようとした。
ところが、現れた荒木田を見て美術部員と吊り合わないと逆上。
襲撃したのである。
では、学ランを着ていたのは何故か?
計画的ならば目立つ学ランは避ける筈だ。
襲撃は咄嗟の判断だった筈である。
とすると、犯人は普段から学ランを着ていたことになる。
体操着の上から学ランを着ることがあるのは―――。
石崎が指差したのは剣道部を応援する応援部のメンバーだった。
その中には、今は学ランを着込んだ体操着の彼女の姿もあったのである―――エンド。
ラベル:放課後はミステリーとともに 実業之日本社 東川篤哉 霧ヶ峰涼の屈辱 霧ヶ峰涼の逆襲 霧ヶ峰涼と見えない毒 霧ヶ峰涼とエックスの悲劇 霧ヶ峰涼の放課後 霧ヶ峰涼の屋上密室 霧ヶ峰涼の絶叫 霧ヶ峰涼の二度目の屈辱
【関連する記事】
- 『どこかでベートーヴェン』(中山七里著、宝島社刊)
- 『通いの軍隊』(筒井康隆著、新潮社刊『おれに関する噂』収録)
- 『クララ殺し』最終話、第6話(小林泰三著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.7..
- 『自殺予定日』(秋吉理香子著、東京創元社刊)
- 『タルタルステーキの罠』(近藤史恵著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.76 ..
- 『歯と胴』(泡坂妻夫著、東京創元社刊『煙の殺意』収録)
- 『迷い箱』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『噂の女』(奥田英朗著、新潮社刊)
- 『追憶の轍(わだち)』(櫻田智也著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.69 F..
- 『コーイチは、高く飛んだ』(辻堂ゆめ著、宝島社刊)
- 『恋人たちの汀』(倉知淳著、東京創元社刊『ミステリーズ!vol.75 FEBRU..
- 『東京帝大叡古教授』(門井慶喜著、小学館刊)
- 『傍聞き』(長岡弘樹著、双葉社刊『傍聞き』収録)
- 『動機』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『動機』収録)
- 『愚行録』(貫井徳郎著、東京創元社刊)
- 『転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿』(笠井潔著、講談社刊『メフィスト 2016v..
- 『声』(松本清張著、新潮社刊『張込み』収録)
- 『黒い線』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)
- 『図書館の殺人』(青崎有吾著、東京創元社刊)
- 『陰の季節』(横山秀夫著、文藝春秋社刊『陰の季節』収録)