2011年11月27日

「棺探偵D&W」(光永康則著、少年画報社刊)第1話(月刊ヤングキング2012年1月号掲載)ネタバレ批評(レビュー)

「怪物王女」で知られる漫画家・光永康則先生の新作が「月刊ヤングキング」(少年画報社刊)に掲載されました。
タイトルは「棺探偵D&W」。

「棺探偵D&W」はシリーズ連載とのこと。
しかも、管理人としては「かなりの本格」との触れ込みを目にした以上、読まざるを得ません。
早速、読んでみることにしました。

というワケで(どんなワケでしょう……)、1話のネタバレ批評(レビュー)です。

<1話ネタバレあらすじ>

十郎という男性が刑事から取り調べを受けていた。
昨晩、発生したアイドルの殺人事件の容疑者として拘束されたのだ。

十郎が疑われた理由は簡単。
第一発見者だったから。
しかも、被害者に用事があったのではなく「ただなんとなく覗いたら死んでいた」と言う。
そんな証言が通用する筈もない。
このまま十郎は逮捕されるかと思われたが……。

何故か、十郎は釈放される。
上層部からの圧力らしい。
なんでも、街の有力者が十郎を庇っているらしいが……。
取り調べを担当した刑事は「あいつはこれまでに5件もの殺人事件の第一発見者になっているんだぞ!!」と憤るがどうしようもない。

一方、疑われた十郎は疲れた様子で、ある家を訪れる。
その家の息子・ヒサトに会う為だ。
ヒサトに会った十郎は自身が容疑者となったことを愚痴る。
第一発見者となったのは、血の臭いに気がついただけだったからだ。
それはこれまでも同じこと。

臭い……?
なぜ、屋内の血の臭いを嗅ぎつけることが出来るのか。
なぜなら、十郎は“狼”だったから。

そう、十郎は人間ではなく“狼男”だったのである。

そして、愚痴を聞かされるヒサトもまた十郎が犯人ではありえないことを知っていた。
ヒサトは十郎に真犯人を捕らえ潔白を証明しようと持ちかける。

そこで、被害者であるアイドルの身辺を調査することに。
そこで、ヒサトはアイドルのツイッターに注目する。
そこには呟きとともに謎の数字が書き込まれていた。
その数字は呟きごとに常に変動しており、同じものは1つとしてない。

ワケの分からない十郎にヒサトは説明する。
これは歩数を示したものだ、と。

前回、呟きを行った地点から自分の足で歩いた距離を歩数で記載しているのだ。

例えば「アイスクリームを食べた 30」と「コンビニに寄った 100」ならば、アイスクリームを食べた地点からコンビニまでの距離は被害者の足で100歩となる。

こんな要領で歩数を書き込んでいたのだ。

犯人はこのツイートをもとにアイドルの現在地点を見つけ、殺害した。
ヒサトによれば、おそろしく熱狂的なファンらしい。

犯人を捕まえるいい方法があると口にするヒサト。
提案に乗った十郎はヒサトの指示した家を訪れる。

そこには老夫婦が住んでいた。
老夫婦によれば1週間ほど前にも家を訪ねて来た人物が居たらしい。

その晩、老夫婦宅を覆面の集団が囲んでいた。
そのまま屋内へと雪崩れ込む集団。
手にしたバットで住人を殺害しようと振りかぶるが……。

目にしたのは猿轡をかまされ拘束された老夫婦の姿だった!!

思いもよらぬ展開に呆然とする覆面男たち。
と、最後尾の覆面男が悲鳴を挙げて倒れ込む。
次いで他の覆面男も何かに襲われたように倒れて行く。
残された男の前に現れたのはヒサトだった。

ヒサトは残された男の前で自身の推理を語り出す。
それは次のようなものだった。

ツイートを利用しアイドルの所在を確認した犯人たちは暴走し彼女を殺害しようと考えた。
だが、おおよその位置は確認できるが最終的な位置までは確認できなかった。
なぜなら、彼女のツイートでは2点までは定められるが、肝心の3点目が分からなかったから。
この3点目が判明しない限り、彼女の現在位置は最後とその1つ前のツイートを中心に2つの円を描き、その円が重なった箇所になる。
この時点で、彼女の住まいとして可能性があるのは地図を見る限り2箇所(2つの円が重なった2点)。
だが、彼女がいつまでもそこに居るとは限らない。
事は急がなければならない。
そこで、2択に賭けた。
両方を当り、1件ずつ潰すことにしたのだ。
ところが、犯人にとっては不幸なことに、1件目は老夫婦の住む家だった。
となれば、消去法で2件目こそがアイドルの居る家となる。
結果、殺害に成功したものの、老夫婦に顔を見られることとなってしまった。
そこで、口封じにやって来たのだ。

ヒサトはそれを予測し先回りしていたのだ。
丁重(!?)に老夫婦を拘束して!!

混乱する男の背後にまわったヒサトは男の首筋にそっと噛み付く。
噛まれた男はナイフでヒサトの脇腹を刺すがビクともしない。
やがて、男は力尽き他の覆面男同様に倒れ込んでしまう……。

「闇の住人にこんなものは通用しない」
ナイフを引き抜いたヒサトの腹部からは刺し傷が消えていた……。
ヒサトもまた十郎と同じく人間では無かった、吸血鬼だったのである。

こうして、犯人一味は揃ってヒサトにより処刑されてしまう……。

後日、ヒサト宅にて十郎は今日も今日とて愚痴をこぼしていた。
結局、犯人は捕まらないままだったからである。
ちなみに十郎の顔には傷がある。
どうやら、ごろつきに絡まれたらしい。

「狼である君に絡む奴が居るなんてねぇ……」

ヒサトは十郎の愚痴の原因が自分にあることを知りつつも、溜息を1つつくと誤魔化すのだった―――エンド。

<感想>

管理人の抱いていた“本格”のイメージとは違っていたものの、しっかりミステリはしていました。
ただ、初回だからか謎の内容よりも十郎とヒサトの正体の方がメインだったような気がします。
そういう意味でちょっと物足りなさを感じたのも事実。

管理人は「怪物王女」も読んでいるのですが(今号の霧の話が盛り上がってた、全員集結しつつあるし)、あちらの方が面白く感じられました。
本作はまだキャラクターが読者に理解されていないことも理由としてあるのかもしれません。

ただし、本作は読みきりでは無く連載(不定期らしい)とのことなので、「怪物王女」のように今後、面白くなるのではと期待します。
それにしても、本作は「怪物王女」と世界観を共有しているのでしょうか?
そこも気になりますね。

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posted by 俺 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 漫画批評(レビュー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
名前逆じゃないですか?

狼嗅覚が十朗。
吸血鬼がヒサトじゃないですか?
Posted by ちゃむちゃむ at 2013年12月05日 13:33
Re:ちゃむちゃむさん

こんばんわ!!
管理人の“俺”です(^O^)/!!

ああっ、確かに十郎とヒサトが逆になってます!!
これは……早速、訂正せねば!!
ご指摘、ありがとうございます(^O^)/!!
Posted by 俺 at 2013年12月06日 00:02
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