果たして気になる結果は?
◆「本格ミステリ・ベスト10 2012」(原書房、探偵小説研究会著 2011年12月5日発売)
注意:各タイトルのリンクは「ネタバレ書評(レビュー)」に繋がっています。
順位 | 国内 | 海外 |
---|---|---|
1 | 折れた竜骨 | 三本の緑の小壜 |
2 | メルカトルかく語りき | ブラッド・ブラザー |
3 | 開かせていただき光栄です | 四十面相クリークの事件簿 |
4 | 虚構推理 鋼人七瀬 | 野兎を悼む春 |
5 | 鍵のかかった部屋 | ディーン牧師の事件簿 |
6 | 消失グラデーション | サイモン・アークの事件簿U |
7 | 吸血鬼と精神分析 | 紳士と月夜の晒し台 |
8 | 密室殺人ゲーム・マニアックス | 二流小説家 |
9 | 放課後はミステリーとともに | 死角 オーバールック |
10 | 赤い糸の呻き | 暗い鏡の中に |
国内編1位は米澤穂信先生『折れた竜骨』。
米澤先生、おめでとうございます!!
『ミステリが読みたい(以下、「早ミス」と表記)』に続き1位ということで2冠達成!!
やっぱり強かった。
3冠を目指し『ジェノサイド』との一騎討ちか!?
「古典部シリーズ」が『氷菓』としてアニメ化されるなど2012年も目が離せません。
・【緊急速報】「古典部シリーズ」アニメ化か?京アニさんが『氷菓』をアニメ化すると発表!!
2位には麻耶雄嵩先『メルカトルかく語りき』。
去年は『隻眼の少女』で1位でしたが、今年は2位に。
やはり、安定感があります。
次号の『メフィスト』にメルカトル鮎の新作短編『メルカトル鮎 悪人狩り』が掲載されるそうで、こちらも楽しみです。
そして、3位は皆川博子先生『開かせていただき光栄です』。
なんと、ここまで(1位から3位)は『早ミス』と同じランキング。
しかも、『開かせて〜〜〜』は『早ミス』『文春』と同じく3位をキープ。
注目すべき4位には、城平京先生『虚構推理 鋼人七瀬』。
『早ミス』では15位でしたが、こちらは4位。
管理人は『名探偵に薔薇を』のような作品を期待しており「ちょっと違うなぁ」との印象でしたが、本格ファンからは多くの支持を得たようです。
5位には2010年を『悪の教典』で席巻した貴志祐介先生『鍵のかかった部屋』。
シリーズ探偵による物理トリックの短編集です。
そして6位には期待の新鋭・長沢樹先生『消失グラデーション』。
「第31回横溝正史大賞」受賞作がランクイン。
管理人的にも2011年作品ではイチオシでしたが、いきなりの6位。
今後の飛躍に期待できる作家さんとの印象ですが、次回作が試金石となりそう。
8位には歌野晶午先生『密室殺人ゲーム・マニアックス』。
9位には東川篤哉先生『放課後はミステリーとともに』。
去年の『謎解きはディナーのあとで』に引き続きの9位です。
2011年11月には『謎解きはディナーのあとで2』も発売されました。
10位には西澤保彦先生『赤い糸の呻き』。
西澤先生は名作『七回死んだ男』で取り上げていますね。
他ランキングと比べると上位こそ固定されているものの、4位以降がかなり特徴的なランキングとなっています。
そして、それは海外も同じ。
1位には『三本の緑の小壜』がランクイン。
この作品、『IN★POCKET』、『早ミス』、『文春』のどのランキングでも10位以内に入っていません。
この傾向は3位の『四十面相クリークの事件簿』なども同じ。
流石は本格を評価基準にするだけはあります。
2位には『ブラッド・ブラザー』。
全ランキングで10以内に入っていますね(『IN★POCKET』4位→『早ミス』6位→『文春』5位→『本格ミステリ』2位)。
現時点で海外作品10位以内皆勤賞はこの作品だけとなりました。
トップではないが広く評価を得られる作品か。
そして、8位に『早ミス』『文春』と2冠を達成した『二流小説家』が入るとの大波乱となりました。
大体、こんな感じでしょうか。
ここまでで「2012年(2011年発売作品対象)」のランキングも『このミステリーがすごい』を残すのみ。
そこで今後の注目点を。
まずは国内。
注目は『折れた竜骨』、『ジェノサイド』、『開かせていただき光栄です』、『メルカトルかく語りき』の4強。
・『折れた竜骨』が3冠なるか?
・『ジェノサイド』の2冠なるか?
・『開かせていただき光栄です』のランキングは(オール3位以内なるか)?
・『メルカトルかく語りき』のランキングは(ベスト10皆勤なるか)?
次に海外。
・『ブラッド・ブラザー』が『このミス』でも10位以内に入って来るか?
・『二流小説家』の3冠達成なるか?
これらが注目ポイントでしょうか。
他ランキングに比べ独自色が強く見られた『本格ミステリ・ベスト10』。
管理人とっては「本格ミステリ」とは次の2条件を満たすかどうか。
・作中にロジックを用いているか?
・そこにサプライズはあるか?
どちらか一方でも構いません。
勿論、両方兼ね備えていればより本格純度の高いミステリと考えます。
その意味で、今回のランキングに入った作品はいずれかの条件を満たしており、さらに上位作品に関しては両方をクリア。
満足いくランキングとなりました。
とりあえず、管理人個人としては国内ランキングベスト10中6作品をきちんと書評(レビュー)していたのでOKです。
本格ミステリ愛好家を自称するものとしては良い結果と言えるでしょう。
◆関連外部リンク(外部サイトに繋がります)
・探偵小説研究会HP
http://www.geocities.co.jp/tanteishosetu_kenkyukai/
◆関連過去記事
【2011年のランキングはこちら】
・【2011速報】「週刊文春ミステリーベスト10 2011」発表!!
・【2011速報】「ミステリが読みたい2012年版」発表!!
・【2011速報】「IN★POCKET 文庫翻訳ミステリー・ベスト10 2011」発表!!
【それ以前のものはこちら】
・2011年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・2010年ミステリ書籍ランキングまとめ!!
・【速報】「2011 本格ミステリ・ベスト10」発表!!
上記、ランキング中で気になる本がある方はこちら。
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